ローラン流 季節の花あそび vol.6 秋の深まりを感じるダリアのブーケ
人気フランス人フラワーデザイナー、ローラン・ボーニッシュさんによる、旬の花や植物素材を使ったブーケとアレンジメントの提案。
洗練された花合わせ、色使いのアイデアをお伝えします。
これまでの連載はこちら
>> vol.1 アンティークカラーのバラを使って
>> vol.2 樹皮の質感を生かして森のイメージに
>> vol.3 アジサイとガラスの花器のコラボレーション
>> vol.4 サラセニアを主役に、ナチュラルシックに
>> vol.5 秋のはじまりのブーケ・シャンペートル
vol.6 秋の深まりを感じるダリアのブーケ
重なり合う花びらと鮮やかな花色が印象的なダリアは、夏から秋にかけて見頃を迎えます。
球根花のダリアは、フランスの田舎ではポタジェ(家庭菜園)の定番花。
ポタジェは、野菜のほか果樹やハーブ、花も栽培される実用と観賞を兼ねた庭ですが、
ダリアは、その庭の隅にパーテーションとして使われる実用目的の花で、
地味で脇役的な存在、というイメージを、かつて私は持っていました。
今、日本で出会うダリアは、品種改良が進み、色も形も実に豊富。印象がまったく異なります。
バラの代わりとしても楽しめるダリアをたっぷりと使い、ブーケを制作しました。
色はオレンジからピンクの秋らしいニュアンスカラーのグラデーションでまとめ、
花の大きさや咲き方の異なるダリアを集めて変化をつけています。
下の写真の左から2つめの濃いサーモンピンクの‘ナマハゲエポック’は、特に気に入っている品種。
アンティークカラーと花びらに動きのある丸いフォルムがおしゃれです。
ダリアを同色系のニュアンスカラーでまとめる場合、ごちゃごちゃとした印象になりやすいのですが、
濃い紫の品種を加えるとブーケ全体が締まり、立体感が出せます。
ケイトウや紅葉ヒペリカム、こっくりとした色みのベニバスモモへと色をつなげ、表情豊かに仕上げました。
ダリアは茎がやわらかく、つぶれやすいので扱いには注意が必要です。
葉物で顔を持ち上げるようにしながら、やさしく束ねていくとよいでしょう。
flower&green
ダリア(ナマハゲエポック、ハマリローズ、ナマハゲミヤビ、アンティークハミルトン、ラララ)、ケイトウ‘プリティマーメイド’、ゼラニウム、ベニバスモモ、ヒメミズキ、アストランチア、紅葉ヒペリカム
撮影/山家 学 取材/植物生活編集部
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プロフィール
Laurent Borniche(ローラン・ボーニッシュ)
フラワーデザイナー、Laurent.B Bouquetier 代表。
フランス・パリ郊外、ブーローニュの森に隣接する高級住宅地ヌイイ市の花店の4代目。エコール・デ・フルーリスト・ドゥ・パリ卒業後、パリの老舗花店等で研鑽を積み、母校派遣講師として1998年に来日。2014年、東京・田園調布にデザインアトリエ「Laurent.B Bouquetier( ローラン・べー・ブーケティエ)」を設立。著書に『ローラン・ボーニッシュのブーケレッスン new edition』『ローラン・ボーニッシュのフレンチスタイルの花贈り』『Jeux de fleurs』(以上誠文堂新光社刊)がある。
https://www.laurentb-bouquetier.com/
(c)Kenji Kusakabe
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この記事のライター
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