梅木 あゆみ 梅木 あゆみ 2017/08/09

北国のコテージガーデンから[1]

8月|はじめまして。梅木あゆみでございます。

札幌から北へ40キロ。
冬は、雪がとってもとっても深い小さな田舎町で
「コテージガーデン」という植物屋を営んでいます。
これから北国の園芸、植物、ガーデン事情、植物しごとなどを
お伝えしていきたいと考えています。
どうぞよろしくお願いいたします

お盆過ぎたら冬支度

まもなくお盆がやってくる。
私たち、北海道の植物屋にとっては「お盆は夏の分岐点」ともいえるのです。
なので「お盆すぎたら、冬支度」っていうのが、北国の合言葉。
というのも、お盆から1か月半で霜、
2か月後には初雪が降ってしまうから。
つまり、冬までは残り2ヶ月!!
お盆を分岐点にして、
すべての行動が冬支度へと向かうのです。
季節の強弱がはっきりしているのが
北海道の特徴であり面白いところではありますが。

それにしても、今年の夏は調子が狂います。
バラ真っ盛りの7月初めが異常に暑くて、
夏本番の今はもう秋の様。
お盆はまだこれからというのに、
朝晩の気温が下がり、早くも虫の鳴き声。
まるでもうお盆が過ぎて、秋が来たような気配なのです。
さて、どうしよう。

お盆までにしておく植物しごと

お盆までに終わらせること。
それはダイコンとパンジーとビオラのタネ播き。
私がタネを播き始めて、かれこれ30年になります。
家庭菜園がスタートで、次にドライフラワー用、
そして庭に使う花のタネを播いてみたら、
山のように苗ができたので植物屋を始めた…という歴史があります。
初心者だったその時代の6月頃(だったと思う)、
隣町のタネ屋さんでパンジーとビオラのタネを選んでいたら
「早いねぇ、もう播くんだ」って、
店員さんに声かけられたんです。
「早い」って、どういう事?
パンジーとビオラは夏播きで、雪が降る前に株を作り、
そのままポット苗で越冬、または地植えにする。
ハウス栽培が盛んになるまでは、夏播き越冬パンジーが普通だったけど、
ハウス栽培が盛んになってからは
冬播きしてハウス栽培することで、早春出荷が可能になったっという話、うんぬん。
うーん。なるほど。
それはいいこと聞きました。
では、私もダイコンと同じく盆前にタネを播き、
秋までに株を作り、雪の下で越冬させて、春を迎えることにしましょう。
長い冬の間は、ハウスも手狭だしね。
っというのが、私のパンジー元年でした。
作った株を秋に売り出す「秋売りパンジー」は、
パンジー元年以来、
こうしてコテージガーデンの秋の主力商品となったんです。
今ではいろいろな店で出すようになってきましたが、
当時はまだ、「秋売りパンジー」は北海道では珍しかったのです。
「秋にパンジーと球根を植えましょう」。
じつは北海道では、私が仕掛け人でした。
今ではもう、秋になるとコテージガーデンには、
越冬上手のガーデナーたちが、
球根とともにパンジー苗を求めにやってくるようになりました。





さて、秋に株ができ上がったパンジーは、
そのまま雪に埋もれ、深い深い雪の中で越冬します。
雪解けまで待ちきれずに
春分の日を目安にして、1mも積もった雪のなかから
よいしょよいしょとポット苗を掘り上げる。
これを売り出すのが「春売りパンジー」。
雪のなかから出てきたばっかりのパンジーは、
ハウスのなかで越冬したきれいな子とは違い、
葉が固く、ちょっと見た目が悪い難点があります。
けれど、強い霜にも負けません。
それを、見ばえのよい売りもの、「春売りパンジー」にするには、
1株1株ていねいに手入れをし、肥料を入れる。
冬に雪の下でパワーをためて、花芽を蓄えていたパンジーは、
春が訪れると爆発的に咲く。
ここでハウス育ちの子とは、歴然たる差が出るのです。





北国のガーデナーの分岐点。
まず、雪が解け、外仕事ができるようになる4月。
カッコウが鳴き、霜が降りなくなる5月下旬。
冬へのスタートが切られたお盆。
そして雪で真っ白になる11月。
まもなく冬へのスタートを切るお盆がやってきます。
秋はあっという間。
すぐに冬になってしまう。
ちょっと、寂しいけどね。
 
書いた人
梅木 あゆみ
1995年月形町で生産直販店「コテージガーデン」を主婦から起業。現在は年間を通し2000品種以上の植物苗を生産し、札幌市百合が原公園ガーデンショップの売店も経営する。ノーザンホースパークK’s Garden、滝野公園、層雲峡温泉、個人庭園などの、企画、設計、工事、管理などを行う。「オープンガーデンof北海道」を発行するブレインズ種まく私たちのメンバー。2009年度北海道「輝く女性のチャレンジ賞」2010年度内閣府「女性のチャレンジ賞」受賞。日本ハンギングバスケット協会公認講師。三男一女の母。
http://blog.goo.ne.jp/cottage-garden

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この記事のライター

梅木 あゆみ
梅木 あゆみ

1995年月形町で生産直販店「コテージガーデン」を主婦から起業。現在は年間を通し2000品種以上の植物苗を生産し、札幌市百合が原公園ガーデンショップの売店も経営する。ノーザンホースパークK’s Garden、滝野公園、層雲峡温泉、個人庭園などの、企画、設計、工事、管理などを行う。「オープンガーデンof北海道」を発行するブレインズ種まく私たちのメンバー。2009年度北海道「輝く女性のチャレンジ賞」2010年度内閣府「女性のチャレンジ賞」受賞。日本ハンギングバスケット協会公認講師。三男一女の母。

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