梅木 あゆみ 梅木 あゆみ 73ヶ月前

北国のコテージガーデンから[2]


これまでの 北国のコテージガーデンから
北国のコテージガーデンから[1]

9月|トマト、トマト、トマト!

こんにちは。梅木あゆみでございます。
 
トマトの魅力にはまって何年たっただろう。

そもそも、家庭菜園が植物生活の始まりだった私。
花のタネを播いたら苗がたくさんできたので
売ってみよう、というのが「コテージガーデン」の始まりだったのですが、
数年たって育苗ハウスを手に入れた頃、
「花苗ができるならトマトの苗もできるかもしれない」と考えたのでした。
 
しかも海外のカタログには、
見たことのない色も形も大きさも様々なトマトが満載。
カタログを見る度に作ってみたい品種が出てきて、
最初は数品種たっだトマトも、いつしか50品種、
そして気が付いたら100品種以上へと増加していったのです。

苗のうちは皆同じに見えるトマトですが、
植え付けてから個性が出始め、
樹形、花、そして実が膨らみ・・・と、
成長に伴って全く違った姿形になっていくのです。
 
その成長過程も楽しく、
収穫したトマトを見るにつれ期待はどんどん高まるばかり。

トマトシスターズ

今でこそトマトは品種名で語られるようになりましたが、
20年前は「ミニトマトはミニトマト」でしかありませんでした。
 
そんな時代に考えた「トマトシスターズ」
カラフルなミニトマトをミックスして
「シスターズ」と名打って一緒に売る。
多品種少量生産を販売するための苦肉の策でしたが、
その売り方とネーミングは、現在の私につながっているのです。

フォトジェニックなトマトたち

トマトの魅力は、カラフルな色と様々な形とサイズにあります。
そして何と言っても夏を代表する味と、料理映え。
 
試しに「#tomatoes 」で検索!!
出てくる出てくるトマト、トマト、トマト!
世界中でトマトが作られ、食べられ、愛されているのが分かります。
私は花苗屋ですが、花とは違ったニュアンスの、
いわゆるフォトジェニックなトマトの魅力に取りつかれたのでした。


9月はトマトの季節

最近では春のトマトが一番美味しいと報じられていますが、
それは暖地での事。
断じて言いますが、
ここ北海道でトマトが美味しいのは9月なのです。

植物生活を送っている皆さんはお気づきでしょうが、
気温がぐっと下がった秋の朝、
庭の花色がググッと濃くなりますよね。
 
それと同じように、日中気温が上がり、
夜温がガッチリ下がる9月。
トマトの糖度が増して、昨日とは違う味になっているのです。
夏も美味しいと感じたトマトが、より一層美味しい9月。
同時に季節の終わりを悟ったかのごとく、
トマトの木は少しずつ弱り始めます。
たわわに実っていたトマトも、実をもぎ取られ裸になり、
無農薬であるためどうしても、最後は葉かび病にやられ、
自身の仕事を全うし最後を迎えるのです。
 
 

トマトイベント

トマト苗が増え始めた10年ほど前。
スタッフの一人が部活として「野菜部」を設立。
春先の寒さをしのぐために使うハウスの後利用として、
売り場での余剰苗を植えたのがスタートでした。
 
植えて、育てて、収穫して、食べる。
これは花苗屋としては当然のことで、
生産して売っている苗を、実際に庭に植え、
あるいはコンテナに植え、育ててみる。
庭植えにしたものは、越冬具合や増え方を観察。
そして、切り花にしたりドライフラワーにしたり。
苗を作って売っているだけでは、植物を語ることができませんから。

そんな好奇心から始まったトマト栽培。
9年前の8月末。
たくさんのトマトが出来たから、
お披露目しようと始まったのがトマトイベントでした。
 
最初の年はブログで呼びかけ50人ほどの参加。
それが年々少しずつ増加し、
今年は700人の来場となり、にぎやかに開催されました。

今では道外からも来場するようになり、
コテージガーデンファン感謝デー&トマト愛好家のイベントへと成長したのです。
 
名物はトマト食べ比べ。
昨年は150品種、今年は100品種となりましたが、
多くの皆様に楽しんでいただきました。

来年はいよいよトマトイベントも10周年。
自分スタイルを崩さず、
トマトを楽しみたいし楽しんでもらいたいって、心から思います。

植物生活を楽しいものにしてくれるトマト。
トマトよ、ありがとうね。

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この記事のライター

梅木 あゆみ
梅木 あゆみ

1995年月形町で生産直販店「コテージガーデン」を主婦から起業。現在は年間を通し2000品種以上の植物苗を生産し、札幌市百合が原公園ガーデンショップの売店も経営する。ノーザンホースパークK’s Garden、滝野公園、層雲峡温泉、個人庭園などの、企画、設計、工事、管理などを行う。「オープンガーデンof北海道」を発行するブレインズ種まく私たちのメンバー。2009年度北海道「輝く女性のチャレンジ賞」2010年度内閣府「女性のチャレンジ賞」受賞。日本ハンギングバスケット協会公認講師。三男一女の母。

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