マチナカ*花さんぽ [4]
花やみどりをクローズアップしてみれば、
街がもっとステキに見えてくる。
もっと楽しく見えてくる。
今日もてくてく、マチナカを花さんぽ。
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花さんぽガイド
三浦香澄さん
プロフィール*NPO法人Green Works副代表 グリーンアドバイザー園芸ソムリエ
街中の緑と花を育てるさまざまな活動に携わっている。
本日のコース
六本木ヒルズ・ママン → 66プラザ → ローズガーデン → 毛利庭園 → レジデンス棟ガーデン → けやき坂 →グランド ハイアット東京 → さくら坂 → 大屋根プラザ → 六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー
トラディショナルで静かな空間
ひと息入れたら、ふたたびラビリンスな建物内へ。2階へ上がり、けやき坂ブリッジを渡ると、
そこはレジデンス棟です。
六本木ヒルズのレジデンス棟といえば、
有名人がたくさんお住まい!? と聞きますから、
ちょっとワクワクドキドキしちゃいますよね。
はい、ミーハーですね、
花や緑っぽくないですね^^;
とはいえ、さぞキラキラにぎやかな場所かなと思ったら…
△ 丸く刈られたツゲが並ぶ一角は、トラディショナルな雰囲気。
△ 石造りの水辺は、端正なカナル(水路)みたい。冬枯れの水草が静かな景色となっていました。
△ 通路に沿った形の植栽ベッドは、一面のグラス類。六本木の風を感じられる、静かで豊かな原っぱ風景です。単調に見えないのは、石積みの枠が描くウェーブのおかげ。
坂道、モダン VS トラディショナル
下へ降りれば、そこはけやき坂。ここはイルミネーションでもメジャーなスポットです。
△ 六本木ヒルズのメインストリート、けやき坂。
あれ? 香澄さんはどこかしら?
香澄さーん、香澄さーん!
△ 「ベンチがあったら、必ず座ってみて。景色が違って見えるわよ。その場所の最高のビューが見られるかも!」(香澄さん)。このベンチは「アーチ」という現代アートのストリートファーニチャーです。
「ママン」や「薔薇」のようなパブリックアートに加えて
ストリートファーニチャーが充実しているのも、
六本木ヒルズの楽しいポイント。
「座る」ことで目線の高さや見える範囲が変わるので
そのスポットの魅力再発見につながるのです。
香澄さん、ステキなアイデアをありがとうございます。
△ けやき坂の花壇は、白いパンジーとシロタエギクで一面のホワイト! イルミネーションとのコラボでしょう。トラディショナルな組み合わせ。この植栽は春まで楽しめるそうですよ。
△ ケヤキの街路樹の合間に据えられた寄せ植えは、ハボタンとパンジー。よーく見てみると、ちょっとなんだか気になりますね。「なるほど、深さのあるポットに植えたハボタンをロウボウルに埋め込んで、ハボタンをちょっとだけ高くしているのね。ここだけ抜いて植え替えもできるし」(香澄さん)。
植え方、見せ方の細かなアイデアを発見すると、ますます花さんぽが楽しい!
△ 「すみませーん、この辺の花壇も毎日水やりするんですか?」(香澄さん)。「最近は1週間に1回ぐらいですねー」と、六本木ヒルズ周辺の植栽を管理する「お花がかり」のスタッフ。香澄さん、目ざとく取材していました。
さて、けやき坂の一角に、和風な竹林が出現。
こちらはホテル グランドハイアット東京の外構です。
花さんぽお約束のホテルも
ちょっとのぞいてみましょう。
△ 「外国人ゲストが多い土地柄に見合った、清々しく伝統的なアプローチがステキね」と香澄さん。
△ ホテルエントランスには、クリスマスツリーとステンドグラスの美しい装飾が。ラグジュアリーでノスタルジックな気持ちに。
「今の時期、サクラは咲いていないけれど、
さくら坂にも参りましょう」(香澄さん)。
花がなくても、参りましょうって香澄さんが促すのだから、
これは何かありますね、きっと!
△ ゆるやかなカーブを描く古い坂道、さくら坂。六本木ヒルズの縁にあたるので、寺院や学校など、かつてからのこの界隈の景色にも面します。
△ 切り通し地形のさくら坂。南側の法面も、ヒイラギナンテン、カンツバキ、竹垣で和風の造りに。春がサクラなら、秋はモミジで彩られます。
△ 街路樹、ソメイヨシノ足元の植栽スペースは、垣根で車道側と歩道側と縦に2分割されています。車道側に少し背の高いドウダンツツジやアオキなどが植えられ、ゆるい目隠し効果もありそう。
△ 今度は歩道の植栽のなかに、シロミノマンリョウを見つけた香澄さん。「これは! という植物がしっかり組み込まれているのが、さすが六本木よね」。
△ 歩道にベンチ。そうしたらやっぱり、座るでしょ? ね、香澄さん♪
来年には15周年を迎える六本木ヒルズの植物たち。
開発前から残る樹木があれば、
季節が巡るローズガーデンに、点在するコンテナ、
そして数か月で植え替えられ、
常にフレッシュな華やぎを添える一年草花壇もあり。
ラビリンスに詰め込まれた
見ごたえのある花さんぽでした。
やっぱり夜景も格別だった!
冬の昼間は短くて、気づけば日が傾き、空気も冷えてきました。
大屋根プラザに戻り、
六本木ヒルズならではの、クリスマスの雰囲気を満喫します。
この大屋根プラザの階段下では、
あの「もみの木ショップ」もオープンしています(12/25(月)まで)。
△ ヒルズのお花屋さんといえば「ニコライ バーグマン フラワーズ & デザイン」。ディスプレイにため息が
もれます。
△ にぎわうクリスマスマーケット。この時期ならではの独特な華やぎ。
△ 大屋根プラザあたりも寄せ植えがあちこちに。巨大なロウボウルは背が高い植物も上から見ることができ、少し違う目線が楽しめます。中央からエリカ、ポインセチア、ストック、ヘデラ。
日も沈みかけ、
日中散策したルートを改めて巡ってみると…
△ イルミネーション機器が少しだけ痛ましかったサザンカも、夜はたっぷり艶やかに。
△ 毛利庭園のフォトスポットは、いっそうロマンチックに変貌していました。
△ 相変わらず静寂に包まれたレジデンス棟ガーデンですが、イルミネーションが点るとまた違った表情を見せてくれていました。
△ けやき坂。クールなホワイト&ブルーと、ウォームカラーのレッド&オレンジのイルミネーションが、交代で輝きます。やっぱり東京タワーを探しちゃう、抜群のロケーション。
ではでは、ここまで堪能したら、
やっぱり行っちゃいましょうかね、
六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー。
さぁ、東京の、ひかり輝く天空の「華」で
本日の花さんぽは〆といたしましょう。
△ 1日1日が名残惜しいような、師走の日没。遠き富士山は、いつの時代も見守り役のよう。 写真/三浦香澄
△ 「東京の夜景にはね、ところどころに黒く浮かびあがる島があるの。島は、皇居だったり、大公園だったり、東京の大きな緑地なのよ。どれだけたくさんの島があるか、緑があるか、見えてくるのよ」(香澄さん)。 写真/三浦香澄
香澄さん、また楽しい花さんぽにご一緒させてくださいね。
次回も乞うご期待です。
<施設メモ>
六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー
入場料 一般1,800円
10:00 〜 23:00(最終入館 22:30。金・土・休前日は25:00まで。最終入館 24:00まで)
text & photo ウチダトモコ 写真提供/三浦香澄
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この記事のライター
植物生活編集部
「植物生活」とは花や植物を中心とした情報をお届けするメディアです。 「NOTHING BUT FLOWERS」をコンセプトに専門的な花や植物の育てかた、飾り方、フラワーアート情報、園芸情報、アレンジメント、おすすめ花屋さん情報などを発信します。