内田 祐介 内田 祐介 46ヶ月前

ヤブツバキの自生地探訪

こんにちは、内田です。
ご挨拶が遅れてしまいましたが
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

厳寒期にも関わらず目を楽しませてくれる花があります。
日本を代表する花木、ツバキです。
ツバキは古くから愛されてきた花木で
江戸時代には数多くの園芸種が作出されました。
アメリカやオーストラリアなど海外でも人気があって
東洋種、西洋種ともに、膨大な数の園芸種が存在します。 



フリフリドレスのように豪華な西洋品種。
葉がなければ、もはやツバキの花とは思えません。
西洋品種には、手を開いたほどの極大輪花も。

しかし、いくら素晴らしい園芸品種が作出されようとも
ヤブツバキこそがもっとも美しいという
ツバキ愛好家は少なくありません。
凛とした美しさがあり
それでいて、ほっとさせてくれる素朴な花でもあります。


さあ、ヤブツバキの観察に出かけよう!

ヤブツバキは国内では本州、四国、九州の海岸線沿いや山地で普通にみられます。
一見、どの花も同じようにみえるかもしれませんが
花色、花の形、花弁の枚数、おしべの形などに違いがあり
咲きすすむにつれて、花色が変化するものもあります。

さまざまな変異が発見できる! それが楽しいです。

ヤブツバキの花期はとても長いので
例えば桜のように、短い花期と休日がタイミングよく合わなければまた来年・・
ということもありません。
一本の木に大小の蕾があるので、数ヶ月は楽しめます。
開花時期も木によってさまざまで
11月下旬に咲き始める早咲きの木もあれば
4月いっぱい楽しめる木もあります。

名のあたえられたヤブツバキも少なくはありません。
園芸種以上にメジャーなヤブツバキもたくさんあります。
たとえば長崎県(五島)で発見された`玉之浦´
愛好家で知らない人はまずいないでしょう。 



「幻のつばき」ともいわれた`玉之浦´ は、
多くの園芸種の交配親としてつかわれています。 



山口県萩市笠山。
2万5千本ものヤブツバキが自生する群生林です。
笠山では小輪で肉厚、先細り芯の花が多いですが
その中にも、それぞれに個性があるので
ひと株ひと株、見てまわるのは非常に楽しいものです。 



 `萩の里´
朱紅色の大輪花。
花弁は肉厚で光沢があります。
日本ツバキ協会の故 桐野秋豊氏命名。


地元の海岸で出会った素晴らしいヤブツバキ

 

自生林では、その殆どの木が赤黒い花色。 いわゆる「黒椿」ばかり。



ビロード光沢の強い花は、紅い宝石のよう。

自生する環境や地域によって、みられる花のタイプが異なります。
心惹かれる花を求めて、今日も自生地を探訪します。
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この記事のライター

内田 祐介
内田 祐介

下関市園芸センター(市営植物公園)主任。
幼い頃より何故か植物を育てていた。そして気がついたら植物公園に勤めていた。職場では、園内植物の展示栽培、種の保存、園芸相談などを務めるほか、テレビ出演や講演会も多数。NHK趣味の園芸など、園芸雑誌への執筆活動も行う。森林インストラクター。趣味は野草の自生地探訪。好きな言葉は、まじめに遊ぶ。

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