内田 祐介 内田 祐介 18ヶ月前

お辞儀をする

内田です。

山歩きの最中、巨樹に出会うことがあります。



福岡県の犬鳴山山中で出会った霊気漂う巨樹。
思わずお辞儀をし、心の中で「ここを通して下さい」と念じました。
そうでもしなければ、不思議な力で道に迷い
森の肥やしにされてしまうかも・・なんて畏れを感じたからです。

ここまでの話しは、少しオーバーかもしれませんが
巨樹の威風堂々たる姿を見て、
感動を覚えない人はいないでしょう。

巨樹の代表といえば、クスノキやスギ、イチョウなどがありますが
厳しい環境に耐える強靭さや
躍動感が感じられる木といえば「松」です。



どっしりとした宮島(広島県廿日市市の厳島)の松。
今にも動き出しそうですが
実際、今も動いています。
私たち人間の動きが早過ぎるので
植物が動いていないように感じるだけなのですね。 



伊東博文候が植えたとも伝えられる
「大願寺の九本松」(広島県廿日市市指定天然記念物)。
スラリとした株立ちの美しい樹形。
松は神聖視される樹種のひとつで
御神木として崇められている木が各地に存在します。


盆栽は生きた芸術作品

松は20~40mにもなる高木ですが
人の匠な技によって、数十年、数百年もの間
小さな鉢の中でわずか数十㎝の樹高のまま
生命力を保つことができるのです。

手の平サイズの小品盆栽



これほどまでに小さく仕立てることもできるのですね。
しかし、小さくたって貫禄は十分!
放たれるオーラは巨樹にも引けを取らないかも!?

小品盆栽は小さいから、育てやすそう~と思わなくもないですが
しかし!小さい=栽培容易とはいかないようです。
土の量が極めて少ないので、とにかく乾きやすいのですね。
夏場は一日3回の水やりが必要といいます。
これでは旅行もできそうにありません。
もし、ペットホテルならぬ「植物ホテル」があるのなら
愛好家人口が増えるのかもしれません。

ところで盆栽の正面、わかりますか?
式典でエッヘン!とふんぞり返って
偉そうな感じになってはいませんか?



人に対してお辞儀をしているのが正面になります。
式典では、お客様にお辞儀をする向きに置かなくてはなりません。


 
このサイズでも大先輩。
式典での大役を終えて戻ってきた松に
「お疲れ様でした」と頭を下げているのは、ここだけの秘密です。
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この記事のライター

内田 祐介
内田 祐介

下関市園芸センター(市営植物公園)主任。
幼い頃より何故か植物を育てていた。そして気がついたら植物公園に勤めていた。職場では、園内植物の展示栽培、種の保存、園芸相談などを務めるほか、テレビ出演や講演会も多数。NHK趣味の園芸など、園芸雑誌への執筆活動も行う。森林インストラクター。趣味は野草の自生地探訪。好きな言葉は、まじめに遊ぶ。

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