ウチダ トモコ ウチダ トモコ 2019/06/29

ある日の植物生活

思いのほか打ち合わせが早く終わって、
都会のど真ん中に放り出されたような気持ち。
ビルの間の緑色を求めて歩いてみたら、そこは懐かしくて新しい場所でした。

現在の名前は東京ガーデンテラス
駆け出しのころこの近くに勤めていた私にとって、弁慶橋や清水谷公園、赤坂プリンスは見慣れた風景でした。

東京ガーデンテラスをマップで見るとこの辺。


でもマップからはわからないのが、この場所の地形の面白さ。
ビルの合間の道路を歩いているだけでは、ただダラダラと坂道があるだけだけれども、
ホテルニューオータニ側から、紀尾井タワーの建物に入ってガーデンの場所を探すとびっくり。
だってエレベーターに乗って3階まで行かないと、このガーデンに巡り会えないのだから。
この場所はこんなにも高低差があったのだなぁ。
歴史が埋め立てた場所を、掘り返したような錯覚を味わえます。




美しく整備されて生まれ変わったそこは、バラ園や、宿根草のモダンなガーデン。
平日の静かな午後を過ごすのにピッタリな場所。
爽やかな初夏の風が抜ける都会のつくられた庭では、
ベンチにただ一人、読書にふける人を見かけました。



さて花園、そしてドライなガーデンから、無意識にもっともっと深い緑色に引き寄せられていくと、
みずみずしいビオトープの庭が現れました。
モダンなカタカナの名前を冠されたとしても、
そもそも清水谷の名前をもつこの場所は、やっぱり水がよく似合う。



曲がった先に現れた階段を、ここはどこ? な気持ちさながらに降りていけば、懐かしい清水谷公園に到着しました。


ずっと前は鬱蒼としていて、赤坂の街で呑んで帰るときに通りかかればちょっと怖い雰囲気だったのに、
今は都会のなかの雄大な森。
池の水面が静かに揺れています。
人の手が入るってすごいな。改めて、管理の素晴らしさに感謝するのでした。



わが手で管理する狭小庭とベランダ。
家の外へ一歩踏み出せば、街路樹と家々が丹精する植物たち。
街へ行けば緑地に足が向き、農村へ行く日は田畑を愉しむ。
人と、植物の共同作業が、今日も景色のあちこちに繰り広げられています。

あなたの「植物生活」が、ずっと続いていきますように。



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2年半の間、わたくし、ウチダトモコ のコラムをお楽しみいただき、ありがとうございました。
 

 
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この記事のライター

ウチダ トモコ
ウチダ トモコ

園芸ライター、グリーンアドバイザー、江戸東京野菜コンシェルジュ。
園芸雑誌、ライフスタイル誌などの編集、ライターを経て、現在は主にウェブで提案および取材執筆活動中。

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