植物生活編集部 植物生活編集部 2020/06/04

続・きょうの花活け  花と鎌倉とウーロンと、ときどき茶話。/vol.35 花教室花


vol.35 花教室花


こんにちは! CHAJINです。

こちらは、かつて月刊フローリストさんで連載させていただいていた
「花と鎌倉とウーロンと。」のエピソード2……とでも言いましょうか。

季節ごとに出逢う日々の花あしらいについて、
花活けを始めたばかりの植物好きなアラフォー女子のMちゃんに
わかり易~く(時に脱線しながら)お話ししてゆくWEB版の花教室みたいなコーナーです。

また、アトリエのある鎌倉界隈のことや愛猫ウーロンについての茶話も綴っております。

諸々緩さ満載ながら、皆さまの日々の花活けに少しでもお役に立てればうれしいです。
それでは今回もよろしくおねがいします~!
 



花と







CHAJINさん(以下C)「これまでは結構シンプルな花活けが多かったと思うんですよ。それは僕が個人的に、ここ数年は引き算的なものが好きなので、なんですが」

M「はい」

C「今回は、そういうトーンとは若干違う雰囲気かもしれません」

M「そうですね、モリモリといっぱい入っていて」

C「これは、花教室のお題で私が活けたんですけど」

M「はい」

C「このコロナの自粛期間に、教室がすべて休校になっていて。それで、それぞれの生徒さんのおうちで “宅活け”を楽しんでいただくっていうことで」

M「おぉ~、宅活け」

C「それぞれにお送りさせていただいたものの、まぁ、ひとつのひな形というか、こんな感じだよというサンプルというか、それがこの写真なんです」

M「では、この写真をイメージとして見ながら、生徒さんたちは(各自のご自宅で)自分の活けたい感じで活けていくということですか?」

C「そうそうそうそう。僕の花教室は本来、それぞれ活ける人が主役で。僕は、どんな風に活けたいかをお手伝いする“お手伝いさん”だっていうスタンスでやっていて」

M「ほぉ~」

C「なので、このサンプルはどんどん裏切ってくださいって言ってるんですけど」

M「ほぉほぉ」

C「とは言え、具体的なゴールが見えた方がいいという方もなかにはいらっしゃるので、そのひとつのサンプルとして活けたものです」

M「ふんふん」

C「花教室は月に一回やっているので、その月を代表するお花っていうのをご用意するかたちになるんですね」

M「いいですね~。なんかシャクヤクとかを見ると、あぁ、そんな季節だなってテンションが上がるというか」

C「そうだね。各教室によってちょっとずつ仕入れの都合で変わることはあるんですけど、5月の代表選手をいくつかピックアップしています」

M「ほぉ~~~~」

C「さっきもお話ししたように、活け手それぞれの好みが大事なので、みんな違うものを活けるんですけど」

M「はい」

C「僕のこのサンプルはご用意したものを全部使用した全使いっていうか、足し算で活けています」

M「なるほど、全入れ」

C「やっぱり5月ってシャクヤクが市場にいろいろ覗いていたりとか」

M「はい、きれいな……!」

C「あとは、この前の方にある白っぽい小さいやつはバラなんですけど」

M「あぁ~いいですね、バラの季節でもありますもんね」

C「そうそう、ね。これはグリーンアイスっていうバラで」

M「ほぉ~。フリフリの感じがかわいいです」

C「いまってバラが一年のうちに二回くらい……春と秋に最盛期を迎える、春バラのシーズンなんでね」

M「はい」

C「あとは、いちばん左の真ん中あたりにレースフラワーみたいな白い花があるんですけど、その子はオルラヤっていってちょっと草花っぽい感じで」

M「可憐ですね」

C「こういう少し草花っぽいものとか、バラとかシャクヤクとか、そこらへんが花市場に行くとなんとなく目に飛び込んで来る5月の代表選手のいくつかって感じなんですね。だから、それをてんこ盛りにしてみた、みたいな」

M「なるほどです」

C「この花活けは私のいつもの好みに属するんだけど、やっぱり主役は僕っていうよりも花教室の生徒さんなので。それぞれの好みに合わせて選択肢がいくつかあるようにって、いろんなトーンの花を活けてみたっていう」

M「じゃあ生徒さんは受け取った花を全部活けてもいいし、好きな花だけ活けて、残った花は違うとこに活けようみたいなのもアリみたいな」

C「全然アリです。本来花活けって、活ける前から始まっているところがあって」

M「ふんふん」

C「結局活ける人がなにを選ぶかっていうところで半分くらい決まるわけですよね」

M「確かに」

C「だから、ご用意した(花の)中で、たとえばシャクヤクと、アスチルベっていうもう一個ピンクの花があるんですが」

M「これですね、フワフワの」

C「そう。それをもし使わなかったら白グリーンみたいな感じになるわけですよ」

M「う~ん、全然イメージが変わりそうですね!」

C「そうそう。だから、白グリーンとかのそういう色合いが好きで、シャクヤクとアスチルベを入れないでハサミを置くっていう人もいるし」

M「ほ~」

C「逆に新緑の時季に白グリーンをやっちゃったので、せっかくシャクヤクも大輪でキレイだから差し色としてピンクを入れて、白グリーンとは違った可愛さの方を強めてみようっていう人は入れたりして」

M「なるほど~。本当に気持ちによって選ぶという感じですね」

C「そうですね。活け手の心の声に耳を傾けるってことがいちばん大事で。ゴールは本当に何個もあるので」

M「ほぉ~~~~~」

C「それを今日はどうしようかなって考えるのが、ひとつの楽しみですよね、花教室の」

M「ふんふん。ちなみに、この右側の照っている大きい葉っぱがかっこいいんですが、これは?」

C「このアレンジではシャクヤクを思い切り短く活けてるんですけど、そのシャクヤクには葉っぱもついていて」

M「あ! これシャクヤクの葉っぱなんですか!? きれい~」

C「うん。ピンクのシャクヤクってお花にも目が行くんだけど、葉っぱの深緑もなかなかきれいなので。本来のシャクヤクの花姿の葉っぱと花を両方使うっていうのも、またアリなのかもしれないですね」

M「はい。お花がフワッと可憐なのに、葉っぱが結構ゴツくてかっこいいっていうのはなんだかよいギャップというか」

C「確かにそうですね~。あと、シャクヤクのちょっと下方向、カゴでいうと真ん中のフチあたりに覗いているシルバーグリーンっぽい葉っぱは、グミの葉っぱですね」

M「へぇ~、かわいい」

C「葉っぱも濃淡、大小、ちょっと違う種類も混ぜると……とくに今回みたいにいろんな花の表情があるなかでは支えとなる葉っぱもいくつか使うと、作品としては奥行きが出るかもしれません」

M「葉っぱの扱いって、いつもお花を活けるときに迷うところがあって。この子を残したい……けどどうだろうみたいな葛藤が」

C「あぁ、なるほど~」

M「で、結局切っちゃって、あ~やっぱり残しておけばよかった!というようなことをよくやります」

C「ありますね、それはよくあるパターンです」

M「でも楽しいですね、葉っぱを残すか残さないか迷っているときっていうのは」

C「本当、大げさに言えば人生の選択肢みたいなもので(笑)。どっちに行くかでっていうくらい、葉っぱを落とすか落とさないかって、そういうところもなきにしもあらずですよね、大げさに言えば」

M「いやぁ~、あると思います。全然違う感じになるので!」

C「でもね、仮に落としてしまって、落とし後にあぁ違った、こっちじゃなかったって思っても、それは経験値として次の花活けに必ず役に立つので」

M「ほぉ~」

C「そういった意味では無駄はないんです、毎回」

M「なるほど~。なんか、無駄はない、経験にって思いつつも、毎回切って「あっ!」ってなるのは、なんだか前髪を毎回切り過ぎて次は自分で切らないって思いつつ、また切って美容師さんに怒られるっていうのに似てる気がします(苦笑)」

C「なるほどなるほど、それいいオチだね、この話をまとめるのに(笑)」

M「いいですかね~(笑)」

C「でも怖がらずにチャレンジすると見えてくるものがあるよねっていう話ですよね」

M「そうですね、確かに。前向きに」

C「だからコロナとかは大変だけど、ここは悲しい暗い話だけじゃなく、きっとこの先学びがあるかもしれないって思った方がいいですよね」

M「本当そうですね。学ばないと!っていう気持ちです!」



花を活けているときって
無心になれるので
すごく得難い時間だなぁと思います。
いつもとちょっと違った“宅活け”での花教室も
なんだか面白そう。
ちなみに今回の取材は5月末日、
こちらも“宅活け”的に画面越しのリモート取材でした。

なので、音声がちょっと荒々しい&たどたどしい(ライブ感たっぷりとも言う)
ところもありますが、
どうぞご容赦いただけましたら幸いです~!(byM)



 

鎌倉と、




蕺草蛇苺


庭のあちこちでドクダミ(蕺草)が咲き始めました。
コロナ騒動の裏側で、季節はしっかり巡っているのですね。

ドクダミに混じり、ヘビイチゴの赤い実もちらほらと…。
どちらもネーミングはヒールっぽいですが、ビジュアルはカワイイ。
このギャップ感が、結構ツボ!




ときどき茶話、



 


甘味自粛


コロナ自粛は解禁となりましたが、
マスクやマメな手洗いなどのコロナシフトは変わらず継続中なワタクシです。

継続中と言えば、自粛時から何かとおやつの扉が開きっぱなしなワタクシ。
昨今よく聞くコロナ太りの方ももれなく~でございまして…。
こちらについては、そろそろ自粛レベルまで来てしまいました~汗。

 

活けラジ

脱線しまくり!?「花と」のところでおしゃべりしているCHAJINさんと、編集者Mとの花トークラジオ「活けラジ」やってます。

「迷わず活けよ、活ければわかるさ!」youtubeで 「vol.13」 配信中  vol.1から聴きたい、という人はこちら




プロフィール

CHAJIN/チャジン






フラワーアーティスト。
ORIGINAL FLOWER STYLE CHAJIN 主宰。

暮らしまわりの雑貨と季節の花を合わせ、個性的でありながらもカジュアルな花あしらい、存在感あるリースの作品が得意技。
雑誌や広告の花活け、店舗や温泉宿のディスプレイ、展示会の花活けの他、
鎌倉のアトリエや、池袋コミュニティカレッジ、NHKカルチャー青山教室、NHKカルチャー横浜ランドマーク教室、二子玉川高島屋S.C教室ほか、都内各所で開催中の花教室も人気。
著書に『きょうの花活け』(誠文堂新光社刊)、『花活けのココロ』(主婦と生活社刊)、
『小さな花あしらいと12ヶ月の花の話』、『季節の花でつくる12ヶ月のリース』(ともに芸文社刊)がある。
紅茶好きでプロレス好きで愛猫家。鎌倉在住。 

インスタグラム instagram.com/chajin_eye


これまでのお話はこちら


 
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この記事のライター

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「植物生活」とは花や植物を中心とした情報をお届けするメディアです。 「NOTHING BUT FLOWERS」をコンセプトに専門的な花や植物の育てかた、飾り方、フラワーアート情報、園芸情報、アレンジメント、おすすめ花屋さん情報などを発信します。

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