植物生活編集部 植物生活編集部 1週間前

続・きょうの花活け  花と鎌倉とウーロンと、ときどき茶話。/vol.36 気分次第


vol.36 気分次第


こんにちは! CHAJINです。

こちらは、かつて月刊フローリストさんで連載させていただいていた
「花と鎌倉とウーロンと。」のエピソード2……とでも言いましょうか。

季節ごとに出逢う日々の花あしらいについて、
花活けを始めたばかりの植物好きなアラフォー女子のMちゃんに
わかり易~く(時に脱線しながら)お話ししてゆくWEB版の花教室みたいなコーナーです。

また、アトリエのある鎌倉界隈のことや愛猫ウーロンについての茶話も綴っております。

諸々緩さ満載ながら、皆さまの日々の花活けに少しでもお役に立てればうれしいです。
それでは今回もよろしくおねがいします~!
 



花と







CHAJINさん(以下C)「6月入って、今日は……何日でしたっけ?」

M「9日かな?(6月9日にリモートで収録していました!)」

C「6月9日、ロックの日っていうことですね。今日まさにお昼間、長らく休講だった花教室が数カ月ぶりに再開だったんですよ」

M「おぉ~! おめでとうございます!」

C「ありがとうございます(笑)。これをお聴きになっているお花屋さんでも、なんとなく今月くらいから気を使いながらはじめるっていう方は多いと思うんですけど」

M「そうですね」

C「今回の写真は、その今日のレッスンほやほやの、ちょっと湯気が立ってるくらいのもので。スモークツリーがホワホワしてるので、それが湯気に見えるかもしれませんけど(笑)」

M「(笑)。かわいい……本当にスモークツリーのホワホワを見ていると触りたい!っていう気持ちになります」

C「ね。いまは6月で、世間一般でいうとアジサイが今月の代表花という感じもすると思うんですが……」

M「はい」

C「僕の教室で長い方は“6月にアジサイ”というのを何度も経験されていたりという都合もあったり、いい意味で裏切って驚かしてあげたいっていうのもあって、今回はアジサイはご用意しなかったんです」

M「おぉ、あえて」

C「そうなんです。代わりにちょうど昨日仕入れ行ったときに、花市場にいろんな長さのスモークツリーがホワホワと覗いていて。だいたい市場に行ったときに、自分のそのときのテンションといちばん触れ合う花とバッと目が合うんです。それが仕入れるきっかけにもなるんだけど」

M「ほぉほぉ」

C「昨日はスモークツリーがいちばん目に飛び込んで来たので」

M「目が合ったんですね!」

C「そうなんですよ~。こうして完成した作品を見るとスモークツリーだけじゃない印象があるけど、活ける前にご用意したスモークツリーは結構ドカーン!としてて」

M「大きいですもんね、スモークツリー」

C「そんなスモークツリーもありつつ、同時にブルーベリーとか、ビバーナム・ティナスとか」

M「あぁ、いいですね~」

C「あと、ちょっと赤っぽい実はディアボロっていうんですけど」

M「この赤い小さいお花みたいなヤツですか?」

C「実みたいなヤツね。点々点々ってしてる、唯一赤色のヤツ」

M「これ、実なんですか?」

C「これは実には違いないんですけど、最初は花で。アメリカテマリシモツケとかアメリカコデマリとかいう名前です」

M「はい」

C「薄いピンクの白っぽい花が咲いた後に、赤い実になる……そういう状態が出荷されていたんですけど」

M「へぇ~、かわいい!」

C「こういういろんな色や形の実ものっていうのも、ちょうど初夏のころが時季というか。僕、勝手に“サマーベリー”って呼んでますけど」

M「これらは、いまの季節ならではのベリーなんですか?」

C「そうだね、とくにブルーベリーなんかは(この時期)1ヵ月くらいですかね。ビバーナム・ティナスは別にいまに限ったものじゃないですけど。市場に並んでいる花とともにいまの季節を知るっていうか」

M「なるほど~。あと、お花も何種類か入っている感じですよね?」

C「お花に関しては、リースのホール部分の下にある白っぽくて丸いこれはアストランチア。これはマヨールっていう品種です。本来アストランチアって1本の茎からいくつか花が枝分かれして、わりとエレガントな表情ですけど(このリースでは)花を詰め気味に活けています」

M「マヨール……」

C「(マヨールは)アストランチアの中でも丸みを帯びた、ここ数年よく目にするヤツです。昔のアストランチアってもうちょっとエッジがあるっていうか。あと少しクサイんですよね……」

M「あ、確かにちょっと独特な香りのイメージはありますね」

C「そう、花はエレガントなんだけど、鼻を近づけるとおじさんみたいなニオイがして(苦笑)」

M「すごいギャップですね! 見た目と近寄ったときの……」

C「それがちょっと解消されてるのかなって気がしますね、このマヨールは」

M「へぇ~。では、このマヨールの右にある薄い紫の花は?」

C「んっとね、これ本当の花色はピンクっぽいんですけど、ちょっとこの写真を撮っている部屋が暗がりでして」

M「あぁ、光の加減で紫に見えているんですね」

C「そう、本当はもう少しピンクっぽい感じです。これはフロミス・チューベローサっていう花」

M「プロミス?」

C「フロミス。約束、プロミスじゃなくてね(笑)。シソ科の仲間なんです」

M「へぇ~、あ、でも確かにシソっぽいかもです。形が」

C「本当!?(笑)」

M「はい。居酒屋とかでお刺身頼むとシソの実とかが付いたヤツが出てくるじゃないですか、アレにちょっと似てるかなと」

C「なるほど~、でも空気感としてはそうだね。ただフロミスって、縦長なのが本来の花姿なんです」

M「では、それをカットして入れ込んでいるということでしょうか」

C「そうですね、節ごとにカットして。リース風にしたのでタイトに活ける都合上、縦長のものは結構短く切って、花の部分だけをピックアップして活けたっていう感じなので」

M「ほぉ~。フロミスみたいな縦長の花って、こういうリースやアレンジメントとかで(細かく切って)いっぱい使える、みたいな感じだったりするんですかね」

C「そうだね、切り分ければ。でも本来の花姿もかわいいから、しばらくそれを飾って楽しんで、その後に思い切ってアレンジにするとかの方がオススメかも。いきなり短く切るのはちょっと、勇気がいるかもしれませんね」

M「確かに勇気がいりそうです。あと、この白い小さな花は?」

C「これはリモニウム」

M「リモニウム……なんか聞いたことがあるような」

C「本当? それを聞いたことがあるってことは、Mさんはなかなかヤング世代って感じかもしれません」

M「ヤング世代! まぁヤングでもないんですけど……(苦笑)」

C「なんでかというと、リモニウムってスターチスなんですよね。僕が花の修業をしてた、いまからかれこれ四半世紀以上前はスターチスだったんですよ」

M「あ、でも私も、小さいとき見た紫のカサカサとしたドーンとしたヤツは、スターチスっていう印象です」

C「だから、スターチスって言い方はちょっと昭和っぽいのかも」

M「ほぉ~」

C「だからいまでいうと、花屋さんではスターチスではなくてリモニウムって書いてるんじゃないですかね」

M「時代によって変わっていくんですね」

C「なんとなくですけどね。でも同じ花でも10年ぐらい経つと名前が変わるとかあって。花教室でそういう話になったときに挙げるのが、ブプレリウムってあるじゃないですか、緑の、形状がカスミソウみたいなヤツ」

M「はい」

C「あれ、昔、昭和のころはポプラリオンっていう名前だったんだよね」

M「へぇーーーー!!! そうなんですか! なんかそっちの方がかわいい」

C「僕もそう思うんですけど」

M「なんでブプレリウムになったんでしょうね?」

C「そういうのよくあるんですよ、急に変名。お笑いのコンビが売れなくて変名、みたいな」

M「なるほど~。占いでお告げでもあったのかくらいの急な変わりようですね」

C「でも今回のリモニウムみたいな繊細なスターチスっていうのは当時あまり見た覚えがないので、品種改良とともに名前も変わったっていうのもあるかもしれないですけどね」

M「面白いです! しかし、この小さい子がいっぱい集まったリースっていうのは、やっぱりいいですね。触りたくなるような」

C「なるほど~。今回も花教室のメニューということで、花教室ってやっぱり生徒さんそれぞれ好みが違うから、それぞれの好みに応じて花材が選べるように種類を多めに用意してて。たとえば今日のスモークツリーのリースだったら、これは僕が全部の花材を使って活けたサンプルになっているのでめっちゃ足し算になってるんですけど」

M「はい」

C「たとえばすごいシンプルなものが好きな方は、ほぼスモークツリーだけで全体をホワホワ一周させていました。そういうのもいいんだよってオススメもしましたし」

M「へぇ~~~」

C「この写真だとスモークツリーも実ものもあって、バイキングでいろいろな食材を取って来て食べるぞ!みたいな足し算の楽しみがゴールになってるけど、花材はたくさん用意されてるけど今日スモークツリーしか使わないとか、そういうのもオッケーだって言う選択肢からはじまっているので、必ずしもこれが正解っていうワケでもないんですよね」

M「そういう気分のとき、ありますもんね。いっぱいあっても今日はコレとコレな気分とか」

C「そうですね~。花教室って生ける時間のみならず、今日の気分で何を選ぼうかっていうところから楽しみはスタートしているから」

M「それって、いいですよね!」


生花って気分や季節でまったくセレクトが変わってきて
それが空間の景色だけでなく心持ちすら変えてくれるので
すごいなぁって思います。
まずは、スモークツリーを買いに行くぞ!
そして今回も前回に続きリモート収録だったのですが、
なんと! 収録時の強風の音が音声に入ってしまっており……
今回はいつもの音声アップがありません! ごめんなさい! 残念!
早くいつも通りの取材ができますように。(byM)



 

鎌倉と、




青鳥効果



コロナ太り解消の為にはじめた鎌倉散歩。
よく出かける鶴岡八幡宮では
源平池の蓮の葉も広がり出し、すっかり夏景色。

こちらでは、鯉や亀、クロサギあたりは常連なので
出逢っても特に驚くことはありませんが、
この日はたまたま人気(ひと気)のない夕方だったせいか、
珍客のカワセミが間近に佇むサプライズも。

そんな小さな幸せが沁みる今日この頃。




ときどき茶話、




 

散歩誘惑


鎌倉散歩にも慣れて始めてきたある週末。
はりきっていつもの3倍ほどの距離を歩くことに。
すると自然とお腹も空いてくると言いますか。
帰り道に都合よく(都合悪く?)沖縄料理店を見つけては
スルーもできず…という訳で、
コロナ自粛期間明け、
数ヶ月ぶりの外食は、ラフテーそばと豆腐チャンプルーに。
減量作戦は、いつもそんなこんなで一進一退。


プロフィール

CHAJIN/チャジン






フラワーアーティスト。
ORIGINAL FLOWER STYLE CHAJIN 主宰。

暮らしまわりの雑貨と季節の花を合わせ、個性的でありながらもカジュアルな花あしらい、存在感あるリースの作品が得意技。
雑誌や広告の花活け、店舗や温泉宿のディスプレイ、展示会の花活けの他、
鎌倉のアトリエや、池袋コミュニティカレッジ、NHKカルチャー青山教室、NHKカルチャー横浜ランドマーク教室、二子玉川高島屋S.C教室ほか、都内各所で開催中の花教室も人気。
著書に『きょうの花活け』(誠文堂新光社刊)、『花活けのココロ』(主婦と生活社刊)、
『小さな花あしらいと12ヶ月の花の話』、『季節の花でつくる12ヶ月のリース』(ともに芸文社刊)がある。
紅茶好きでプロレス好きで愛猫家。鎌倉在住。 

インスタグラム instagram.com/chajin_eye


これまでのお話はこちら


  脱線しまくり!?「花と」のところでおしゃべりしているCHAJINさんと、編集者Mとの花トークラジオ「活けラジ」やってます。

「迷わず活けよ、活ければわかるさ!」youtubeで配信中  vol.1から聴きたい、という人はこちら

 
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「植物生活」とは花や植物を中心とした情報をお届けするメディアです。 「NOTHING BUT FLOWERS」をコンセプトに専門的な花や植物の育てかた、飾り方、フラワーアート情報、園芸情報、アレンジメント、おすすめ花屋さん情報などを発信します。

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