植物生活編集部 植物生活編集部 2020/08/11

続・きょうの花活け  花と鎌倉とウーロンと、ときどき茶話。/vol.40 夏リース


vol.40 夏リース


こんにちは! CHAJINです。

こちらは、かつて月刊フローリストさんで連載させていただいていた
「花と鎌倉とウーロンと。」のエピソード2……とでも言いましょうか。

季節ごとに出逢う日々の花あしらいについて、
花活けを始めたばかりの植物好きなアラフォー女子のMちゃんに
わかり易~く(時に脱線しながら)お話ししてゆくWEB版の花教室みたいなコーナーです。

また、アトリエのある鎌倉界隈のことや愛猫ウーロンについての茶話も綴っております。

諸々緩さ満載ながら、皆さまの日々の花活けに少しでもお役に立てればうれしいです。
それでは今回もよろしくおねがいします~!

 

編集者Mとのトークを音声で聞きたい方はこちらから





花と








CHAJINさん(以下C)「今回は8月ということで、夏らしいメニューを今回ご用意させていただきました~」

M「リースですね!」

C「そうですね~。一昔前まではリース=クリスマスっていうイメージがあったと思うんだけど、こういう形にいろんな季節の花を落とし込むと、それぞれの季節の良さっていうのが普通に活けるのと違った伝わり方をするという意味では、夏ならではの花材をこういう形にしてみるっていうのもこのごろは定番になったかもしれません」

M「なるほど、季節のリースですね。このリースを拝見していると、8月を感じつつもなんとなく秋感みたいなものも……」

C「そうね~。初夏って言うよりは晩夏ぐらいな感じですかね」

M「はい、そんなイメージを受けました」

C「そういう空気を感じたっていうのは、もしかしたら今回の花材の合わせ方よるものもあると思うんです」

M「ほうほう」

C「それはどういうことかというと……これはテーブルに置いて真上から撮ってるんですけど」

M「はい」

C「土台にちょっと細いキヅルみたいな、そういうものを使ってるんですね」

M「へぇ~」

C「で、適宜カットした花をツルとツルの間に、ただただ差し込んでるだけなんです」

M「それで落ちないものなんですね!」

C「適当な密度っていうか……(花を)差していってツルの中に茎が増えたら、茎と茎がつながりあったり、さらに次のものを足したときにそれとそれが絡み合ったり。よっぽど振ったりとかしなければ壁に掛けたりテーブルの上に飾ったり、そのまま楽しめます」

M「なるほどです」

C「それで、さっきなんとなく秋を感じるっておっしゃったのは、最初は生花で用意されていた花材が、差し込んで作っているだけなので日ごとにドライ化していっているそういう状況で」

M「はい」

C「この写真は作って翌日くらいの状況ですけど、たとえば一週間とか二週間とか一カ月とかってなると、それがいい感じの乾き具合になってきて。これは夏の花材だけど、作り始めは季節が夏でも、段々日を追うごとに秋になってくると(リースも)自ずと枯れ加減になってきて、さらにその季節とも合っていくっていう。なんか動線を楽しめるような形にもなってるんですよね」

M「なるほど~。原っぱが旺盛に生えて段々枯れていく、そのまんまの季節をこのリースで楽しめる、みたいな」

C「あぁ、そうですそうです、なんかステキなたとえで」

M「いえいえ~。なんか箱庭じゃないですけど、家の中にそういうものが感じられるっていうのはいいですね!」

C「そうですね。だからドライフラワーになるものっていう花選びから大事なポイントになってくるんだけど」

M「ほぅほぅ。今回使われている花は……?」

C「時計で言うと、10時ぐらい(の方向)に少しピンクっぽい、白いホワホワとしたのがついている大きめの花がありますよね」

M「はい」

C「ほかにもいくつか点在してますが、これはセルリアっていうお花です」

M「カワイイですね~」

C「あと黒っぽい実、これは夏に限らないんだけど、ビバーナム・ティナスっていう名前で」

M「あ、何回か出てきてますよね」

C「そう。僕結構よく買います」

M「コイツはカッコいいですね」

C「夏の時分はね、この写真みたいに薄いパープルとか青っぽい……ちょっとだけライトな色合いなんです。段々年末に近づいてきてクリスマスとかになると黒い色とかになってきて」

M「!!! 季節によって違うんですね!」

C「うん。こんなライトパープルみたいな色だと、真っ黒よりは夏には合ってるのかなっていう気がしますね。ちょっとした差し色としてもいいかも」

M「うんうん、すごくいいと思います!」

C「あとはちょうど3時くらいのところかな、ピンク色のものはエリカ。もうちょっと繊細に言うとジャノメエリカっていう、わりとポピュラーな品種なんですけど」

M「はい」

C「これはアフリカとかあっちの方から輸入されてるものだと思います」

M「ほぅほぅ」

C「あと葉ものもいくつか混ざっていて。1時くらいのところに細かい葉っぱが枝垂れている、全体にハラハラとフレッドペリーみたいなヤツ……フレッドペリーって言ってわかるかわからないけど(苦笑)」

M「わかります~!」

C「これがピスタチア」

M「あー! 前に出てきましたね」

C「そうですね、スモークツリーのときに出てきました」

M「印象が随分違いますね」

C「そうだね。(こうして)小切りにするとまた目立ち方が違うので。これも段々ドライになり、色も抜けていい感じになります。葉っぱの付きがわりといいですから、こうやってリースを作るときに全体の土台として非常に力を発揮するかもしれません」

M「なるほど~」

C「あとね、6時くらいのところに、クルクルクル~ッて巻いてるのありますよね」

M「これ、気になってました!」

C「そうでした? これはね、ゴアナグローっていうんです。かなり短く切って入れ込んでるので、全景はここからはわからないと思うんですけど」

M「はい」

C「縦長で、節ごとに左右にこうしたクルクルしたものがシュンシュン出てるような感じのものなんです」

M「へぇ~(想像中)」

C「それを適宜カットして使ってます。名前も変わってるんだけど、こうしたちょっと変わった形状のものは大体オーストラリア出身みたいな。いわゆるワイルドフラワーっていわれるようなものが多いですよね」

M「ふんふん。いやぁ、このクルクルは相当かわいいです」

C「ちょっと入ると、同じ葉ものでもアクセントになりますよね」

M「うんうん。セルリアと同じくらい目立っていて」

C「僕結構これ好きで買いますけど、ゴアナグロー以外にも同じような仲間があって。多分いちばんポピュラーなのはコアラファンっていう、芝生みたいなシュンシュンっていうのが縦長の中に段々に付いてるようなもので」

M「ほぅほぅほぅ」

C「あとね、エミューファンっていうのもあって。すごい長~い、ヒョロヒョロッと細いのが放射状に出ているのが、何段階か縦に付いている」

M「名前もなんだかオーストラリアを感じるような」

C「そうですよね。エミューっていう鳥がいたりするらしいんだけど、そいう名前をあえて命名してるのかな?」

M「面白いですね! あと、この丸いのはユーカリですか?」

C「そうですね。グニユーカリって、いちばんポピュラーなユーカリかな、多分。小丸葉ユーカリとかいう名前もありますけど」

M「へぇ~」

C「ユーカリもこれから先年末にかけていろんな大きさとか種類が入ってくるけど、グニユーカリはその中でもかなり葉っぱが小さい方のものなんです」

M「なるほど」

C「あと、2時くらいのところにかなり細い……左右に縫い目みたいになってるヤツありますよね」

M「はい、ブラックジャックの顔の傷みたいな……」

C「そうですね(笑)。これはシースター。これもやっぱりオーストラリア(から)です」

M「へぇ~~~~」

C「これも切り分けてるんだけど、本来の形状は細い1本の茎から、いちばん上のところに、傘が台風のときにおちょこみたいになった状態っていうか、全方位にこういうブラックジャックみたいな葉っぱが広がって付いているっていう感じのフォルムなんです、本当は」

M「……イソギンチャク的な感じですか?」

C「鋭い! シースターって英語で海の星って書いて、その形状がヒトデっていうことから名前の由来がきてるらしいんです。ちょっとヒトデを思わせるような、大きい葉っぱです」

M「ほぉ~。そういう本来はワイルドな形のものをカットして、仕上がりは繊細っていうのも、なんだかギャップがあって楽しいです」

C「いま挙げた花たちを最初は花束で飾っておいたりして、この手の花は結構長持ちなので、十分に楽しんだぞっていうタイミングで思い切って今回のリースみたいに細かくカットして、本来の花姿とは違った風景を楽しむ……しかも段々ドライになって、秋、初冬、クリスマスくらいまで飾れるとなると、二度も三度もおいしいっていう風になると思うから」

M「おぉ!!!」

C「とかく夏って、花持ちが悪いから飾らないみたいな発想もあるかもしれないけど」

M「はい、それは少しあります」

C「でも逆にこれは夏にすごく似合うので。実はこれ、去年の花教室のメニューだったんです。それぞれの月の代表選手っていうのは、温度とか気候に見合った、そこでもやっていけるような花がそれぞれあるから」

M「ふんふん」

C「暑さに負けずっていう感じで、こういうのもたまにはいいかもしれませんね!」

夏って暑いし部屋に花を飾っても
すぐさよならで寂しいって思っていましたが、
なるほど、こうしたワイルドフラワーみたいな長持ちするものを
水に活けて楽しんで→切ってリースにして→徐々にドライに
すれば長く楽しめるんですね。感激っす!
リースにするという手間をかけられる分
おうち時間を楽しめるコンテンツにもなりそうで、
ますますナイスな感じです~。(byM)



 

鎌倉と、




 

零士郎君



鎌倉のアトリエシェア仲間のレイジローからもらった自家製ハチミツ。
彼はデザイナーという本業の傍ら、養蜂家としての一面もある男。
前のアトリエからずっとシェアメイトで、同い歳ということもあり、
仲良くさせてもらっていたのだけれど、今夏に葉山へ引っ越すことに。。
部屋を引き揚げる別れ際、自慢のハチミツを譲り受けた。
ふつうは、そこでちょっと切ない気分になるのだろうけど…、
その時の僕の脳内には、
なぜかハチミツジローさん(お笑い芸人の…)が浮かんでいました(意味不明)。
暑さのせいかな??
 
 

ときどき茶話、



紅茶人再



もう紅茶人(紅CHAJIN)とは名乗れないくらい、
ここのところ軸足がずっと
コーヒー寄りになっていたワタクシ。

そんな折、長梅雨開けのこの暑さで
アイスティーの扉が久々にオープン・ザ・ドア~!!

本日も、朝から何杯行ったかな~
(なぜかビーカー!?)。

今夏はもうイギリス人の方より多飲中です~(押忍!)。


プロフィール

CHAJIN/チャジン






フラワーアーティスト。
ORIGINAL FLOWER STYLE CHAJIN 主宰。

暮らしまわりの雑貨と季節の花を合わせ、個性的でありながらもカジュアルな花あしらい、存在感あるリースの作品が得意技。
雑誌や広告の花活け、店舗や温泉宿のディスプレイ、展示会の花活けの他、
鎌倉のアトリエや、池袋コミュニティカレッジ、NHKカルチャー青山教室、NHKカルチャー横浜ランドマーク教室、二子玉川高島屋S.C教室ほか、都内各所で開催中の花教室も人気。
著書に『きょうの花活け』(誠文堂新光社刊)、『花活けのココロ』(主婦と生活社刊)、
『小さな花あしらいと12ヶ月の花の話』、『季節の花でつくる12ヶ月のリース』(ともに芸文社刊)がある。
紅茶好きでプロレス好きで愛猫家。鎌倉在住。 

インスタグラム instagram.com/chajin_eye


 脱線しまくり!?「花と」のところでおしゃべりしているCHAJINさんと、編集者Mとの花トークラジオ「活けラジ」やってます。

「迷わず活けよ、活ければわかるさ!」新エピソード配信中! vol.1から聴きたい、という人はこちら




これまでのお話はこちら


 
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「植物生活」とは花や植物を中心とした情報をお届けするメディアです。 「NOTHING BUT FLOWERS」をコンセプトに専門的な花や植物の育てかた、飾り方、フラワーアート情報、園芸情報、アレンジメント、おすすめ花屋さん情報などを発信します。

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