植物生活編集部 植物生活編集部 2週間前

花店インタビュー|ブログからつないだ人の縁が、実店舗につながった|ジャグリーン フラワーアンドグリーン



茨城県取手市にある郊外型の大型家具店「ブームス」の敷地内に、花店「ジャグリーン」はあります。
店舗は白いトレーラー! なぜここで? 家具店との関係は? 経営スタイルは? 
オープンまでの経緯やこれからについて、店主の竹内沙衣さんに聞きました。


きっかけは、ブログ

センスのよいインテリアや雑貨をリーズナブルに提供する個性派家具専門店「ブームス」は、都心から車で約1時間、30台を停められる広い駐車場を擁したロードサイド店舗です。

この敷地の一角に、印象的な白いコンテナがあります。それこそが花店「ジャグリーン」です。



店主は花の仕事をはじめて20年というキャリアを持つ竹内沙衣さん。元々はお隣の市、つくばみらい市で同じ名前のアトリエを構えていました。

「店舗は持てたらいいなぁ……」と漠然とは思っていたという竹内さんですが、そのための資金を借り入れるのも一歩思い切れず「だからぼんやりとした夢でした」。

そんなある日、竹内さんのブログを読んだブームスの社長から花店をやりたいと打診されます。ブームスはライフスタイルの提案としてインテリアに精彩を加える植物に着目したそうです。

ことのき、竹内さんはアトリエをはじめて5年目が経ちこの先どうしていこうかと考えていたところでした。社長からのお話では店舗はブームス側が用意し、竹内さんを社員として迎えてくれるという好条件。

「なんていうタイミング。失敗しても失うものはないしやってみよう!」

これまでのお客様が着いてきてくれるかもわからずほかにもいろいろな葛藤はあったものの、それ以上にステップアップのときだと感じたと言います。

そして2013年、この「ジャグリーン」の実店舗をオープンしました。

 

出店にあたって、コンセプトは? 内装は?


店内へ入ると、ニュアンスカラーを織り交ぜた生花のディスプレーが広がっています。奥にあるレッスンスペースでは生花やプリザーブドフラワー、ドライフラワーなどのアレンジメントを教えているそうです。



店のコンセプトはブームス側と相談しながら決定し、店舗内外装はほぼ社長にお任せだったそう。

「当時は店舗のイメージは引退した豪華客船とも言っていましたね。ブームスはインテリアショップなので店舗で使う什器はすべて用意してくださり、ものによっては塗装してくれたりとにかくカッコイイ店に仕上げてくれました」。

商品構成は、基本的に竹内さんに任されていました。仕上がった店の雰囲気に合うもの、花とそれに関わる雑貨を、ブームスのアドバイスももらいながら揃えました。生花は東京の大田市場まで仕入れに行っているこだわりの花々です。

「施工時にコンテナが徐々に吊り下げられいく様は、とてもおもしろかった」と竹内さん。店の側面は大胆にガラスがはめ込まれており、自然光がたっぷり入ります。



40フィートコンテナという規格があり、店舗の横幅は約12メートル、奥行きは約2.4メートルしかありません。

それでも内壁に断熱材が入っていてエアコンも完備。水道も通しました。窓もあって自然光も入ってきます。さらに床にはフローリングが貼ってあり、快適そのもの。思ったより狭さを感じないのはインテリアの力なのかもしれません。



このコンテナを活用するというアイデアはブームスからの提案でした。

「社長が私にお店をやらないかと声をかけてくださったときにコンテナでカフェをやってるお店に連れてってくれて、コンテナでやろうと思うんだ、という話をされ、初めて行ったコンテナのカフェが素敵すぎてワクワクが止まらなかったのを覚えてます」。
 

家具店内にある植物売り場との住み分け


併設する家具店「ブームス」内でも植物や、関連資材を販売しています。ジャグリーンは「同じフロアにある花の売り場」という位置づけ。ジャグリーンではおもに切り花と外の植物を展開し上記の売り場と扱うものが被らないように留意しています。



ブームスの観葉植物についてお客様から質問があればその売り場に赴いて接客したり、資材を売り場から持って来て花と合わせて使ったりと、商品がどこの店舗で売れても会社全体で売上があればいいという考えです。

取材時、切り花の作品も少し見せていただきました。



○ニュアンスカラーのアレンジメント



バラやカラーの花色をセルリアの優しいニュアンスカラーでつなげ、曖昧な色合わせに。グリーンの配色にも濃淡をつけることが意識され、奥行きを感じます。

Flower&Green/バラ‘エクストリーム’、カラー、ケイトウ、セルリア、セダム、ワックスフラワー、ユーカリ、ドラセナ‘カプチーノ’、フェイジョア


○ワイルドフラワーのグリーンブーケ


セッカケイトウを色のワンポイントにしつつ全体をグリーンで統一してクールな印象でまとめています。インテリア空間に広がりを感じさせるよう、 シースターやスギでボリューム感を演出しました。

Flower&Green/バラ‘コンキュサーレ’、ナデシコ‘テマリソウ’、セッカケイトウ、リューカデンドロン、バーゼリア‘ガルピニ’、スモークグラス、シースター、レモンリーフ、スギ


「ブームスと釣り合いの取れるオシャレな花屋でありたいと思ってます」そう竹内さんは語ります。竹内さんの花合わせからは、その思いが伝わってくるようです。

 

姉のアドバイスで、花の道に


花屋さんを目指したきっかけは、お姉さんから教えてもらったことでした。

「高校の先の進路を決めるときに家庭の経済的事情があり就職という選択肢しかなかったのですが、それもちょっと……と思っていたころ姉からお花の仕事ってこんなことあるんだよ、専門学校もあるんだよと教えてもらい興味をもち専門学校に行ったのがきっかけです。専門学校はバイト代をためて行きました。笑」

竹内さんのお姉さんは当時、添乗員をされていて、花の仕事に就いている人々を海外の花の研修ツアーなどでアテンドしていたこともあり、そこで見聞きした花の仕事についても話してくれたと言います。

高校卒業後、花の専門学校での2年間を経て株式会社第一花壇(柏高島屋店)で4年間勤務。その後は都内の花店数店で勤め、地元に戻りホームセンターで働くことに。ホームセンターで花店での経験を買われアーティフィシャルやドライ、プリザーブドフラワーの売り場を担当することになりました。「そのときの経験は独立してからとても役に立ってます」。

そして2008年4月に屋号を「ジャグリーン」として独立。実家の納屋をアトリエとして、店舗持たずに活動をはじめました。

 

2019年より、家具店の経営を離れ独立


家具店「ブームス」の敷地内に「ジャグリーン」を構えてから6年経った昨年2019年のこと。大きな変化がありました。それは、ブームスの経営から離れて独立したことです。

同時期くらいにブームスの社長と竹内さんが同じこと――独立のことを考えていて、社長から独立してはどうかと話があったそうです。

独立と言っても店舗も場所も、仕事内容も変わりはありません。残っていた商品の在庫は買い取りましたが、店のものは「そのまま使いないと言っていただき、仕事で使っていた車“ジャグリーン号”も名義変更だけしてそのまま使いなさい。と譲っていただきました」。きっとこれは、ブームスと竹内さんの信頼関係があってのことなのでしょう。

変わったのは、経理の仕事が増えこと。いまはブームスに家賃を払う形になりました。

独立して1年が過ぎ「気持ち的にはいい意味で自由になり楽しくやらせていただいています。続けられていることに感謝です」と竹内さん。

しばらくは1人で店を切り盛りして一つひとつ丁寧に土台を作り、また、1人で身軽な分チャレンジできることには取り組んでいきたいと考えています。



店名の「ジャグリーン」はチューリップの品種‘ジャクリーン’が由来だそうです。そこに込めた想い、また命名した当時から変わったこと、変わらないことは?と尋ねたところ

「チューリップって花瓶に生けたりアレンジに挿してから伸びるんです。伸び方は品種によってさまざまでジャクリーンは真っ直ぐではなく自由にしなやかにかっこよく伸びるんです。だから自分も自由にかっこよく伸びていきたいという思いがあり、そしてジャクリーンはピンク系の女性らしい色だから。 自由にかっこよく伸びていきたい、そして女性らしくは変わらない思いですね」。

と。


text&photo 月刊フローリスト 撮影/徳田 悟
 

店舗情報

 jyagreen flower & green ジャグリーン フラワーアンドグリーン
茨城県取手市藤代973
http://jyagreen.jp/
Facebook:@jyagreen
Instagram:jyagreen
 
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