ローラン流 季節の花あそび vol.23 アネモネと樹皮の幻想的なアレンジメント
人気フランス人フラワーデザイナー、ローラン・ボーニッシュさんによる、旬の花や植物素材を使ったブーケとアレンジメントの提案。
洗練された花合わせ、色使いのアイデアをお伝えします。
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vol.23 アネモネと樹皮の幻想的なアレンジメント
独特の質感と手触り、色みを持つ樹皮と生花を組み合わせた作品は、乾いたものとフレッシュなものとの対比により、新鮮で魅力的な姿を見せてくれます。
今回は、曲がったり割れ目が入ったりと、どこかワイルドな表情を持つ2種類の樹皮に、アネモネを合わせたアレンジメントです。
冬から春にかけて、赤や青、紫などの鮮やかな色の花を咲かせるアネモネ。
その中から、ニュアンスのあるパープルのグラデーションが美しい品種をセレクト。
この色調にリンクさせてクリスマスローズやレースフラワー‘ダウカスボルドー’、赤褐色の蕾が付いたアカシアなどを副花材として合わせました。
アネモネを主役にするときは、花材をあまり混ぜないことが美しく見せるコツです。
フローラルフォームをセットした木製のボックスに、最初に真っ直ぐな樹皮を挿してアレンジメントの高さを決め、上にカーブした樹皮をのせてストラクチャーを作ります。
アネモネは、花とともにスッと伸びる茎の長さも見せたいので、それを考慮して高さを決めましょう。
樹皮の間に、高低差をつけ、奥行きを意識ながらアネモネを挿していきます。
ストラクチャーがあると、色のバランスがとりやすくなります。
樹皮の足元にはアイビーやアカシアを挿し自然な印象に。
枯れ色のエノコログサを配置することで動きが出て、味わいが深まります。
全体にアンティークっぽい色みの中で、ワスレナグサのブルーがアクセント。
光や気温に反応して開いたり閉じたりを繰り返す、どこかミステリアスなアネモネの個性が楽しめるアレンジメントです。
flower&green
アネモネ、レースフラワー‘ダウカスボルドー’、ワスレナグサ、アカシア、アストランチア、クリスマスローズ、アイビー、エノコログサ、樹皮2種
撮影/山家 学 取材/植物生活編集部
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プロフィール
Laurent Borniche(ローラン・ボーニッシュ)
フラワーデザイナー、Laurent.B Bouquetier 代表。
フランス・パリ郊外、ブーローニュの森に隣接する高級住宅地ヌイイ市の花店の4代目。エコール・デ・フルーリスト・ドゥ・パリ卒業後、パリの老舗花店等で研鑽を積み、母校派遣講師として1998年に来日。2014年、東京・田園調布にデザインアトリエ「Laurent.B Bouquetier( ローラン・べー・ブーケティエ)」を設立。著書に『ローラン・ボーニッシュのブーケレッスン new edition』『ローラン・ボーニッシュのフレンチスタイルの花贈り』『Jeux de fleurs』(以上誠文堂新光社刊)がある。
https://www.laurentb-bouquetier.com/
(c)Kenji Kusakabe
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この記事のライター
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