あらゆるディスプレイアイテムが揃う場所で選び、作る| “染めの花”テーマの空間装飾
世界中からセレクトされた商品を、博物館のように展示販売する巨大なショップ空間。
流行の先取りや物日のイベントの準備のために、必須のアイテムが豊富にそろう横浜ディスプレイミュージアム。
フラワーデザイナーの前田有紀さんが、その場で素材を選び、即興で制作を披露。


「横浜ディスプレイミュージアム」1階、大きな掃き出し窓のある売り場にはアンティーク系のアイテムが並ぶ。
その落ち着いた印象と色みのスペースに合うよう、白のドライフラワーなどを基調に、ニュアンスカラーのアーティフィシャルフラワーを加えた。

ディスプレイ商材の製造、販売の専門企業として信頼厚い株式会社ポピーが運営する「横浜ディスプレイミュージアム」。
国内最大級となる売場面積約1,000坪を誇る広々とした店内には、アーティフィシャルフラワー、ドライフラワー、プリザーブドフラワー、フェイクグリーンといった花材から、花器やオブジェ、リボンにラッピング資材、ハサミなどの道具類にキャンドル、クラフト雑貨などあらゆるディスプレイとデコレーションに関するアイテムが揃う。
そうした高品質な商品がただ陳列されているだけでなく、フロアのいたるところで実際の活用例やコーディネートのヒントが提案されていて、まさに“ディスプレイに関する情報発信基地”ともいえる見応えだ。
この場所でフラワーアーティストの前田有紀さんが即興で装花を手がけた。
テーマは「染めの花を使った空間装飾」。まずは装飾する場所を確認し、構想を固め、使用する花材をピックアップ。
前田さんが主宰するフラワーブランド「gui」(グイ)のチームメンバー3名とともに、手分けして店内をめぐり、次々に必要なアイテムがカートに入れられていく。
ベースに選んだ花材は「白」。白く染められたドライフラワーとプリザーブドフラワーだ。
「染めの花というとビビッドな色合いで表現するのもひとつだと思いますが、もう少しやわらかく、大人っぽい、インテリアやファッションになじむ感じの装飾にも活用できると思っていて」と前田さん。
そこにニュアンスカラーのアーティフィシャルフラワーをアクセントに加え、装飾する空間のアンティークで落ち着いた雰囲気になじむ、吊るしのディスプレイを完成させた。

フレッシュアンスリューム

ドライドパームスプレー

アネモネシード

カラーリリィ

モダンオーキッドC/L

スパイダーアリューム
◎ ドライに混ぜることで色と形のアクセントとして重宝。
◎ ニュアンスカラーで、ひとつの花のなかにさまざまな色がある複色のものをよく使う。やわらかでインテリアやファッションにも自然になじむ。
◎ アンスリウムは生花もつやつやとしているので本物に近く、装飾に少し入れるだけでも質感がアクセントとして効果的。
◎ カラーは線がきれいな花なので、こうした装飾でもそれが引き立ち、デザイン自体のスパイスに。

プルームリード パールグレー

パームリーフ・オーバル オフホワイト

パームサンリーフ

ソフトミニカスミ草 パウダーパープル

今回は使わなかったが、色の細かい調整ではスプレーが活躍することも。
「ひとつの花でもスプレーしたところと、そうでないところの差を出せるのがすごくよくて。淡いピンクとかベージュっぽい色、ピンクゴールドなどを使います」とのこと。
◎ 形におもしろみのあるシダやヤシ、ソテツなどの葉物をヘビーユーズ。
◎ カスミソウは生花でもドライでも、大きな装飾以外にスワッグやフラワーボックスなどの小さいものを作るときにも活躍する万能の花。
鎌倉を拠点に活躍する前田有紀さんは、横浜ディスプレイミュージアムに通いはじめて数年が経つ。
花店修業を経て独立、その後、子育てをしながら花の仕事を続けようというタイミングでこの場所の存在を知り、長男を抱っこ紐やベビーカーで連れて訪れていたという。
「売り場が広くて通路も通りやすく、カートにも乗せられるようになっています。子どもが商品やガラスのものなどに触れないように注意は必要ですが、子育て世代の人に優しいと思います」と前田さんはいう。
実際、取材中にも子連れのお客様がショッピングをする姿が見られた。

「花材選びは、創作意欲の原点です。」
前田さんのチームではアパレルやブランドなどの空間装飾を手がけることも多く、大きな案件があるときはこちらで購入するそうだ。
装飾をする場所が生花を長期間飾っておけない環境や条件のところも多々あり、そうした際にもドライフラワーとアーティフィシャルフラワーは強い味方となる。
「アーティフィシャルでも私たちが好んでセレクトしているのはニュアンスカラーのものだったり、ひとつの花の中でも複色になっているもの、色みが変化していたりするものが多いのですが、こちらにはそうしたものが豊富ですし、どれもすごくクオリティが高くて。それにドライっぽい雰囲気のアーティフィシャルといいますか、アーティフィシャルだけれどもドライのような風合いのものも増えているので、ドライと混ぜ込んでも相性がよく、アパレルブランドさんの装飾などでもよく使っています」。
広い店内でゆったりと、質の高いアイテムが豊富なので、商業空間の装飾を手がけるアーティストにとっても頼りになる店舗だ。

前田さんのように店頭に来て見て触って商品購入ができない遠方のデザイナーには、ネットストアが便利。

リニューアルしたウェブサイトでは、バーチャル空間で詳しく店内を見ることが可能になります。事例の検索もより便利になりました。
詳しいお問い合わせは
横浜ディスプレイミュージアム
お問い合わせはメールまたは電話にて
Tel:045-441-3933
営業時間: 平日10:00~17:30
土曜日は隔週にて営業。
詳しくはHPをご覧ください。
話をうかがった人
前田有紀 Yuki Maeda

photo:Tomoyuki Sasaki text:Masako Tagawa
流行の先取りや物日のイベントの準備のために、必須のアイテムが豊富にそろう横浜ディスプレイミュージアム。
フラワーデザイナーの前田有紀さんが、その場で素材を選び、即興で制作を披露。
「横浜ディスプレイミュージアム」1階、大きな掃き出し窓のある売り場にはアンティーク系のアイテムが並ぶ。
その落ち着いた印象と色みのスペースに合うよう、白のドライフラワーなどを基調に、ニュアンスカラーのアーティフィシャルフラワーを加えた。
高い天井高を活かした吊るしのスタイルは、テグスに花材を結びつけながら制作。
モビールのようにかすかに揺らめく様子も軽やかで見目心地よい。

制作の要はチームワーク!
ディスプレイ商材の製造、販売の専門企業として信頼厚い株式会社ポピーが運営する「横浜ディスプレイミュージアム」。
国内最大級となる売場面積約1,000坪を誇る広々とした店内には、アーティフィシャルフラワー、ドライフラワー、プリザーブドフラワー、フェイクグリーンといった花材から、花器やオブジェ、リボンにラッピング資材、ハサミなどの道具類にキャンドル、クラフト雑貨などあらゆるディスプレイとデコレーションに関するアイテムが揃う。
そうした高品質な商品がただ陳列されているだけでなく、フロアのいたるところで実際の活用例やコーディネートのヒントが提案されていて、まさに“ディスプレイに関する情報発信基地”ともいえる見応えだ。
この場所でフラワーアーティストの前田有紀さんが即興で装花を手がけた。
テーマは「染めの花を使った空間装飾」。まずは装飾する場所を確認し、構想を固め、使用する花材をピックアップ。
前田さんが主宰するフラワーブランド「gui」(グイ)のチームメンバー3名とともに、手分けして店内をめぐり、次々に必要なアイテムがカートに入れられていく。
ベースに選んだ花材は「白」。白く染められたドライフラワーとプリザーブドフラワーだ。
「染めの花というとビビッドな色合いで表現するのもひとつだと思いますが、もう少しやわらかく、大人っぽい、インテリアやファッションになじむ感じの装飾にも活用できると思っていて」と前田さん。
そこにニュアンスカラーのアーティフィシャルフラワーをアクセントに加え、装飾する空間のアンティークで落ち着いた雰囲気になじむ、吊るしのディスプレイを完成させた。
ディスプレイに使ったピックアップ素材
アーティフィシャルフラワー(横浜ディスプレイミュージアム)
フレッシュアンスリューム
ドライドパームスプレー
アネモネシード
カラーリリィ
モダンオーキッドC/L
スパイダーアリューム
おすすめポイント アーティフィシャルフラワーについて
◎ ドライに混ぜることで色と形のアクセントとして重宝。◎ ニュアンスカラーで、ひとつの花のなかにさまざまな色がある複色のものをよく使う。やわらかでインテリアやファッションにも自然になじむ。
◎ アンスリウムは生花もつやつやとしているので本物に近く、装飾に少し入れるだけでも質感がアクセントとして効果的。
◎ カラーは線がきれいな花なので、こうした装飾でもそれが引き立ち、デザイン自体のスパイスに。
ドライ・プリザーブドフラワー
プルームリード パールグレー
パームリーフ・オーバル オフホワイト
パームサンリーフ
ソフトミニカスミ草 パウダーパープル
column
染め花テクニック「スプレー」今回は使わなかったが、色の細かい調整ではスプレーが活躍することも。
「ひとつの花でもスプレーしたところと、そうでないところの差を出せるのがすごくよくて。淡いピンクとかベージュっぽい色、ピンクゴールドなどを使います」とのこと。
おすすめポイント ドライフラワーについて
◎ 形におもしろみのあるシダやヤシ、ソテツなどの葉物をヘビーユーズ。◎ カスミソウは生花でもドライでも、大きな装飾以外にスワッグやフラワーボックスなどの小さいものを作るときにも活躍する万能の花。
ニュアンスカラーの花材が豊富ベビーカーでも気がねなく買い物も
鎌倉を拠点に活躍する前田有紀さんは、横浜ディスプレイミュージアムに通いはじめて数年が経つ。
花店修業を経て独立、その後、子育てをしながら花の仕事を続けようというタイミングでこの場所の存在を知り、長男を抱っこ紐やベビーカーで連れて訪れていたという。
「売り場が広くて通路も通りやすく、カートにも乗せられるようになっています。子どもが商品やガラスのものなどに触れないように注意は必要ですが、子育て世代の人に優しいと思います」と前田さんはいう。
実際、取材中にも子連れのお客様がショッピングをする姿が見られた。
「花材選びは、創作意欲の原点です。」
前田さんのチームではアパレルやブランドなどの空間装飾を手がけることも多く、大きな案件があるときはこちらで購入するそうだ。
装飾をする場所が生花を長期間飾っておけない環境や条件のところも多々あり、そうした際にもドライフラワーとアーティフィシャルフラワーは強い味方となる。
「アーティフィシャルでも私たちが好んでセレクトしているのはニュアンスカラーのものだったり、ひとつの花の中でも複色になっているもの、色みが変化していたりするものが多いのですが、こちらにはそうしたものが豊富ですし、どれもすごくクオリティが高くて。それにドライっぽい雰囲気のアーティフィシャルといいますか、アーティフィシャルだけれどもドライのような風合いのものも増えているので、ドライと混ぜ込んでも相性がよく、アパレルブランドさんの装飾などでもよく使っています」。
広い店内でゆったりと、質の高いアイテムが豊富なので、商業空間の装飾を手がけるアーティストにとっても頼りになる店舗だ。
ディスプレイのヒントがたくさん|Web site Renewal !!
横浜ディスプレイミュージアムのオンラインストアがオープン
豊富な事例から商品を探せます。前田さんのように店頭に来て見て触って商品購入ができない遠方のデザイナーには、ネットストアが便利。
リニューアルしたウェブサイトでは、バーチャル空間で詳しく店内を見ることが可能になります。事例の検索もより便利になりました。
詳しいお問い合わせは
横浜ディスプレイミュージアム
お問い合わせはメールまたは電話にて
Tel:045-441-3933
営業時間: 平日10:00~17:30
土曜日は隔週にて営業。
詳しくはHPをご覧ください。
https://www.displaymuseum.co.jp/
話をうかがった人
前田有紀 Yuki Maeda
photo:Tomoyuki Sasaki text:Masako Tagawa
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この記事のライター
植物生活編集部
「植物生活」とは花や植物を中心とした情報をお届けするメディアです。 「NOTHING BUT FLOWERS」をコンセプトに専門的な花や植物の育てかた、飾り方、フラワーアート情報、園芸情報、アレンジメント、おすすめ花屋さん情報などを発信します。