花のプロになる、フローリストから学ぶ。

人気フランス人フラワーデザイナー、ローラン・ボーニッシュさんによる、旬の花や植物素材を使ったブーケとアレンジメントの提案。
洗練された花合わせ、色使いのアイデアをお伝えします。


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vol.44
テーブルの上のノエルの燭台
Bougeoir de Noël en forme de table 

 

クリスマス（ノエル）の装飾に欠かせないキャンドルは、長く寒い冬に明るさと暖かさの象徴として扱われるアイテムです。

今回は、作家ものの魅力的なキャンドルを選び、テーブルを燭台に見立ててエバーグリーン（常緑樹）とともにアレンジしたクリスマスデコレーションを紹介します。

キャンドルは、キャンドル作家、有瀧聡美さんが製作したものです。
有瀧さんは、植物モチーフを中心とした繊細でエレガントなオリジナルキャンドルを提案されています。

もともとは白いキャンドルでしたが、私自身で黒とオレンジ、シルバーのペンキを塗り重ね、やや錆びたテイストに。エバーグリーンと自然になじむ雰囲気にリメイクしています。

キャンドルと、3種類のエバーグリーンを美しく見せるために、合わせる花は市場で見つけた鉢物のカルーナ1種類に絞りました。

カルーナはエリカの仲間で、繊細な枝に小さなピンクの可憐な花を咲かせる姿に惹かれて選んだ材料です。







テーブルは、中の大理石の天板ははずして、フレームと脚だけにしたものを用意。
これをそのまま花器として使います。

中に吸水させたフローラルフォームを十文字にセットして4つのエリアに分け、各エリアにフォームをモザイク状に並べます。

キャンドルは3本用意し、竹串で脚を取り付けておきましょう。
これをアレンジメントの中心部分に3本、三角形を形成する位置にしっかりと抜けないようにフォームに固定します。



 
次に、フォームがないところにポット苗のカルーナをそのまま並べます。
こうすると、フォームの高さよりポットの縁が低い位置にくるため、黒いポットが外から見えることがありません。
また土付きのカルーナのナチュラルで生き生きとした表情を見せることもできます。

続いてモミ、コニファー‘ブルーアイス’、‘ブルーバード’を順番に挿していきます。
エバーグリーンは、種類ごとに分けて配置すると混ざり合うことなく、それぞれの色や質感、形をしっかりと表現できます。

葉がきれいに見える向きを考え、自然な雰囲気になるように挿しましょう。



ガラスボールのオーナメントは大小2種類を使用。大きいボールは、キャンドルと喧嘩しないようにシックなテイストのものをセレクト。

小さいものは、カルーナの色から引っ張って選びました。
大きいボウルは竹串で脚を付けてフォームに固定し、小さいものはそのまま、エバーグリーンに絡ませるようにしてのせます。

仕上げに、マツカサを飾れば完成です。
カルーナのやや赤みがかったピンクの花は秋のイメージですが、エバーグリーンと合わせると一気にクリスマスの雰囲気になります。

こういったところも、花合わせの面白さです。





flower&green

カルーナ、モミ、コニファー（ブルーバード、ブルーアイス）、マツカサ

キャンドル協力／有瀧聡美（Floral Candle）

撮影／山家 学　取材／植物生活編集部

 

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プロフィール
Laurent Borniche（ローラン・ボーニッシュ）
フラワーデザイナー、Laurent.B Bouquetier 代表。
フランス・パリ郊外、ブーローニュの森に隣接する高級住宅地ヌイイ市の花店の4代目。エコール・デ・フルーリスト・ドゥ・パリ卒業後、パリの老舗花店等で研鑽を積み、母校派遣講師として1998年に来日。2014年、東京・田園調布にデザインアトリエ「Laurent.B Bouquetier（ ローラン・べー・ブーケティエ）」を設立。著書に『ローラン・ボーニッシュのブーケレッスン new edition』『ローラン・ボーニッシュのフレンチスタイルの花贈り』『Jeux de fleurs』（以上誠文堂新光社刊）がある。
https://www.laurentb-bouquetier.com/

(c)Kenji Kusakabe
 

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