ローラン流 季節の花あそび vol.47 Composition de sabots de venus couleur ambre |琥珀色のパフィオペディルムのアレンジメント
人気フランス人フラワーデザイナー、ローラン・ボーニッシュさんによる、旬の花や植物素材を使ったブーケとアレンジメントの提案。
洗練された花合わせ、色使いのアイデアをお伝えします。
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vol.47
琥珀色のパフィオペディルムのアレンジメント
Composition de sabots de venus couleur ambre
数年前から毎年2月に、ランの生産者「阿比留蘭園」さんにうかがって、さまざまなパフィオペディルムの品種を見せていただいています。
今年は開花が遅く、いつもはこの時期には咲き終わっているとても貴重な赤いランに出会うことができました。
光沢、深みのある赤褐色の美しさに魅かれ、ランのプレートアレンジメントを作りました。
琥珀色が混ざるパフィオペディルムに合わせる花材には、個性的でありながら調和するピンクベージュのグラデーションのバラ‘フラクタルヴァーズ’(やぎバラ育種農園)を選びました。
全体的な色彩からアールヌーボーの代表的画家「アルフォンス・ミュシャ」の絵画、ポスターに描かれる琥珀色の曲線や円形のモチーフ、植物からインスピレーションを受けた作品です。
全体的に重くなりそうな深みのある色彩に、淡い紫色のスイートピーを合わせてコントラストを出しました。
春の花は、高さ合わせても一晩で丈が伸びるのでその生長も考えて高低差をつけてデザインすると良いでしょう。
深みのある色からのトーングラデーションは難しい色合いではありますが、使用するグリーンにも、グミの葉、アカシアの葉など花のトーンと同じ系統の色でまとめています。
flower&green
パフィオペディルム、バラ(フラクタルヴァーズ)、スイートピー、クリスマスローズ
カルーナ、赤葉アカシア、アイビー、ガマズミ
撮影/山家 学 取材/植物生活編集部
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プロフィール
Laurent Borniche(ローラン・ボーニッシュ)
フラワーデザイナー、Laurent.B Bouquetier 代表。
フランス・パリ郊外、ブーローニュの森に隣接する高級住宅地ヌイイ市の花店の4代目。エコール・デ・フルーリスト・ドゥ・パリ卒業後、パリの老舗花店等で研鑽を積み、母校派遣講師として1998年に来日。2014年、東京・田園調布にデザインアトリエ「Laurent.B Bouquetier( ローラン・べー・ブーケティエ)」を設立。著書に『ローラン・ボーニッシュのブーケレッスン new edition』『ローラン・ボーニッシュのフレンチスタイルの花贈り』『Jeux de fleurs』(以上誠文堂新光社刊)がある。
https://www.laurentb-bouquetier.com/
(c)Kenji Kusakabe
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この記事のライター
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