jardin nostalgique jardin nostalgique 2023/05/22

すずらんのブーケ ユルバン・ナチュール

こんにちは!jardin nostalgiqueの青江です。

5月、お花屋さんの一大イベントである母の日を終えて、
少しほっとしている今日この頃です。
ご依頼いただきました皆様、どうもありがとうございました。

母の日当日、嬉しそうに帰られるお客様をお見送りしたり、
お花が到着してお喜びのメールを拝見したりしていると、
母の日って、感謝の気持ちを伝える方にとっても、
伝えられるお母さんにとっても、
幸せを感じられる良い日だなーとしみじみ思いました。

ジャルダンノスタルジックの今年の母の日は
ベテランスタッフさんが産休に入り、
新しいスタッフとともに迎える初の母の日になりました。

少し受注の規模を縮小することも考えてみたのですが、
それぞれが今できることを上手に組み合わせたら、
例年通りのオーダーにお応えできると考えて段取りを組みました。
結果、みんなしっかり計画通りにがんばってくれたおかげで
無事に終わることができました。
変化があっても、しっかり計画をして、
それに応えてくれるスタッフがいたら大丈夫だなと、
自分にとっても自信がつく時間になりました。

あ!次の計画!
お疲れ会として、早くみんなで何かおいしいものを食べに行く予定を立てなくては!
ご褒美は、自分に甘く!いきたいと思いますー!


さて、そんな母の日の前に開催していたのが
毎年恒例のスズランのレッスン。
5月1日のスズランの日にちなんで開催する予定が、
だらだらと5月7日まで開催していました。

今回はそのスズランのブーケレッスンのお話です。

スズランをメインにブーケのテーマを考えると、
どうしてもメルヘン方面に行きがち。
今までのテーマを見ても、
おとぎの国、ケルトの森、すずらんの森などなど・・・

今年は少し違う印象のブーケをご提案したいなーと思って考えたイメージが、
スズランをキュッと足元に添えて引き締めたスマートな長いブーケです。
丈が短いスズランに合わせて丸い小さなブーケを考えるとどうしてもメルヘン街道まっしぐらなので、
スズランの丈を良い意味で気にしなくても良いデザイン。

このイメージを持つきっかけになったのが、
テーマを決める少し前に行った、ディオール展で見た数々のドレスたちでした。
メインはもちろんきらびやかなドレスなのですが、
帽子の存在が、全体の印象を決定づける重要な要素だという点がとても興味深かったです。
帽子なんて、自分にとっては陽を避けられれば良いものと思っていたくらいだし、
なんなら陽も避けなくても良いと思ったいたので、
帽子というものが生活にまったく無いから余計に。

そういう視点で改めてドレスを見ていると、
帽子の印象によって全体をどのように見せたかったかが明確になるような気がしてくるのでした。

総じて、全体の中のトップの部分とふもとの部分は大切だなーと感じて
(物事でも始まりと終わりが大切な気がするように)、
ではでは、それをブーケに置き換えた時に、
トップの部分に個性的なお花を持ってきて、
手元に短いスズランを配置して引き締めたら、
たとえスズランが短くて全体の中では小さな存在であっても、
きっとブーケの中では重要な存在になってくれて面白い構成になるはず!と。
自信を持って、長いブーケにちょこっとスズランを添えるデザインを
「スズランのレッスン!」として開催することにしました。

イメージをどんどん深めていって、
スマートさを強調しようと思ってトップには個性的なお花を持ってきたいなーと思ったら、
そこにはカラーやアンスリューム、ランの花などを配するイメージが固まりました。
どこか都会的な印象に仕上がる気配。
いいぞいいぞーと。

色彩イメージはスタイリッシュさを追求してモノトーン。
白と黒でかっこよく、クールに!
いいぞいいぞー!と!!

ただ、そこでの障壁は、
モノトーンの印象で束ねようとしてもどうしても入ってしまうスズランの葉のグリーン。
葉を取って使う!?とも思ったけど、
葉をとったスズランはちょっと寂しい印象なので
どうしても葉を入れたい!

ああー、完全なモノトーンは無理かなー。
と、がっかりしそうになりましたが、
そこでキラリ!
都会的な花、モノトーンに
あえてナチュラルで素朴だったり野性的な要素とグリーンを組み合わせてみたらもっと面白いかも!
そういえば、ファッションも芸術も、
違う要素の組み合わせで様々な化学反応を起こして、深みが出ている!

頭の中でどんどん、それまでにできていたイメージに自然さが加わり、
とても自分らしい提案になるぞ!と、わくわくが止まらなくなったのでした。

そんなこんなで出来上がったレッスンのテーマは
「スズランのブーケ ユルバン・ナチュール」

フランス語で都会的という意味の「urbain:ユルバン」と、自然「nature:ナチュール」を
組み合わせた造語です。
ただ、この組み合わせは自分が考えたのではなくて、
自分が留学していた頃、パリの花屋さん巡りをしていた中で出会ったフローリストの名前です。
その頃はまだあまり深く言葉の意味を追えず、ただその響きを気に入っていて
ずっと今まで覚えていたのですが、
今改めて、とても面白い名前だなと思います。

いざ開催の時には、
市場では予定通り、トップを彩るモノトーンのカラーとともに、
そこに交わる穂やシダなど、理想通りのお花に出会うことができました。
もちろん、スズランも協力してくださった仲卸さんが、たくさん手配してくださりました。



つるりとした無機的な質感、個性的な形から受ける都会感、
見慣れた草花の自然味、
仕入れの際は、「この花はユルバン、この花はナチュール」なんて、
主観満載に組み合わせていましたが、
いざ束ねてみると、
シダの背中には自然とは思えないゴールドのふさふさがキラキラ、
穂もブロンズのような輝きを放っていて、
ユルバンとナチュールは意外と境界線がないような気がしてくるのでした。
そういえばスズランも、
とにかく小さくてかわいくてナチュラルと思いますが、
香水の瓶などでデザインされる様子には洗練された印象を受けます。

というわけで、
ユルバンとナチュールが融合した面白いブーケが完成したのでした。

参加した皆様も、
サンプルを見せた最初には「あれ!!すずらん!!?どこ!!?」
というリアクションも見受けられましたが、
作成を経て、
さり気ない位置にいるスズランの大きなパワーに気付いてくれたはず!

だといいな!!






























 
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この記事のライター

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ジャルダン ノスタルジック、2012年にオープンした東京・神楽坂にあるフローリストの青江、フローリスト/パティシエの加藤が経営する花店。おもちゃ箱をひっくりかえしたような、懐かしくてわくわくするお店づくりをコンセプトにした店内には、青江・加藤が選んだ季節の花とともに、焼き菓子、ハーブティーや花器、フランスのブロカントなどの雑貨が所狭しと並んでいる。土日の15時からは店内の一角でカフェも営業中。

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