植物生活編集部 植物生活編集部 2018/04/09

Botanical TRIP 私の好きな、地元のこと。#02


アーティストがインスピレーションをうける場所。 
海外、街、自然、いろんなものごとに刺激を得ながら
創作を形にしていく過程。
その源を探る旅に出てみます。
フラワーアーティストが「自分を作り上げた、地元」をたどる旅。
その名も「ボタニカル・トリップ」
まずは、静岡県出身のフラワーアーティスト
後藤清也さんに地元を旅してもらいます。
 

Botanical TRIP vol.2

02/静岡県「浜松PCガーベラ」


花、と聞いて
パッと思い浮かぶ形といえば
だいたいこんな感じではないでしょうか。


この写真はガーベラの花。


ガーベラは
そんな“花らしい花”として
長く愛され続けている
花屋さんで定番の存在です。

このガーベラの
出荷量日本一を誇るのが
静岡県浜松市。

今回はその中でも
「浜松PCガーベラ」のハウスと集荷所を
後藤さんが訪ねました。



浜松駅から車を走らせること
およそ30分。
なかなかそれらしい景色が見えて来ないなと
少し不安になっていると、
突如として青空に並ぶハウスが出現しました。

引き戸を開けて
中に足を踏み入れると……


一面ガーベラの花畑!
ポカポカ暖かい空気の中で
かわいい花たちが
すくすくと育っています。

中に入って後藤さん、思わず一言
「天国みたい!」と
つぶやいていたのが印象的。
同感です!



ハウスをご案内くださったのは
生産者の杉浦浩文さん(写真左)。
浜松PCガーベラに所属する
14軒ある生産者のうちの一人です。

美しいガーベラの海を目の前にするやいなや
後藤さんと杉浦さんの
ガーベラトークがはじまりました。


 

原種はタンポポみたいな。

花屋さんで売られているガーベラは
葉のない
茎と花だけの状態です。

けれども育成中のハウスでは
青々とした葉っぱの中から
色とりどりの花々が顔を出しています。

この姿、どこかで見たことあるような……。

杉浦さんがおっしゃるには
ガーベラの原種は
タンポポに近い姿なのだそう。

なるほど! 
言われてみると
花の形といい、葉の形といい
ガーベラって巨大なタンポポみたい。
このまま育てていくと
やがてはタンポポのように綿毛ができると聞いて
興味津々の後藤さんです。

眼差しは真剣!


顔を出したばかりの
ガーベラの小さな蕾(つぼみ)。


育つと徐々に花びらが表れます。


うっすらと茎やガクに生えている
細かな白い毛も、
ガーベラの個性。
そっとなでてみるとちょっと動物みたいで
ますます愛着がわいてきます。




ガーベラは定植(植物を苗床から畑などに移して植えること)
してから2ヵ月くらいで
こうした蕾が上がってきて、
一株から一年に約50本前後
育つのだそう。

だから、花屋さんで一年中
きれいな姿が見られるんですね。


ガーベラの花の収穫は
すべて手作業で行います。
ふと、杉浦さんから後藤さんに
「実際、収穫してみませんか?」と
ご提案が。


収穫のポイントは
根元から手折ること。


杉浦さんの実演を見ながら
後藤さんもチャレンジ!


じーっと花を見つめて……。


きれいに収穫できました。思わず笑顔! 
「ポキッと折れる感じじゃなくて
外れるような感じ。
思った以上に(茎が)硬かった!」と
収穫の感想を教えてくれました。

杉浦さん曰く、
花の咲き具合を見て
どのくらいが採りごろか
判断するのが難しいのだとのこと。
「茎の長さじゃないんですね!」と
後藤さんもビックリ。

これだけたくさんの花を育てていて
品種に流行りなどは
あるのでしょうか。という質問には
とにかくピンクが一番人気とのこと。

また、ここ浜松PCガーベラでは
なんと150種以上(!)もの
品種のさまざまなガーベラを育てていますが
とくに個性的なのが「和ガーベラ」。

たとえばこの
淡いピンクが可憐な‘プチシェルビー’も
その和ガーベラのひとつ。

和ガーベラは
浜松PCガーベラとジャパンアグリバイオ株式会社が
共同開発している
国産・浜松産のオリジナルガーベラです。

実はガーベラの品種って
ほとんどはオランダから入ってきているのですが、
こうして国産を生み出そう!という
気概にはじ~んときます。

この‘プチシェルビー’以外にも
いろいろな品種があるので
気になる人は下記を要チェックです。

http://pcgerbera.jp/wagerbera/


 

収穫後は、スピーディーに!


収穫されたガーベラたちは
ハウスから車で2分ほどの
集荷場に集められ、
市場に旅立つ下準備をされます。


パッキングを待つガーベラたち。


それをスタッフさんが機械に
1本ずつやさしく
入れていきます。


そうするとガシャン!と
あっという間に
花びらを保護するキャップがつけられました。


ラインを流れていき……


再び人の手で
丁寧にまとめられて
箱詰めされます。


出荷を待つばかりの
箱入りガーベラたち。

春はガーベラ需要の最盛期。
取材前日は
約20万本が全国の
花待つ人々の元へ旅立って行きました。
すごい量!
それだけ愛されている、
必要とされている花なんですね。


「花って毎日表情が違うし、我が子のような感覚。
花の生産者さんはみんな
人柄が良くてやさしい。
そういった方々がいい花を作る人なんだと思います」

そういえば、
後藤さんのご実家も
花の生産者さん。
だからこそ共感したり、感動したり
されることがより大きいのだと思います。


ハウスで杉浦さんから
ガーベラを数本
プレゼントされていた後藤さん。
集荷場の見学のときも
ずっと大事に持ち続けている姿から
花への愛情が感じられてステキでした。

撮影/佐々木智幸

旅したところ
浜松PCガーベラ
http://pcgerbera.jp/


旅した人
後藤清也 goto seiya
静岡県伊豆河津町出身。幼少期より自然や花に触れ、植物の魅力に惹かれていく。東京・恵比寿のウェディング会社にてパーティ装飾や空間装飾を行う。退社後は芸能活動などを経て2012年にSEIYA Designを設立。国内外にて活動中。

 

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