続・きょうの花活け~花と鎌倉とウーロンと、ときどき茶話。/vol.2 御菓子感
vol.2 お菓子感
こんにちは! CHAJINです。
こちらは、かつて月刊フローリストさんで連載させていただいていた
「花と鎌倉とウーロンと。」のエピソード2……?
はたまた、
その連載をまとめた本「きょうの花活け_花と鎌倉とウーロンと。」の続編……?
とでも言いましょうか~。
季節ごとに出逢う日々の花あしらいについて、
花活けを始めたばかりの植物好きなアラフォー女子のMちゃんに
わかり易~く(時に脱線しながら)お話ししてゆくWEB版の花教室……、みたいなコーナーです。
そして二人の花トークの後は、
アトリエのある鎌倉界隈についての茶話や、
愛猫ウーロンの親バカ話など……諸々な由なし事も綴っております。
そんな彼此と緩さ満載ではございますが、
皆さまの日々の花活けに、少しでもお役に立てればうれしいです。
それでは今回もよろしくおねがいします~!
例えば、ケーキフィーリング
CHAJINさん(以下C)「今回はリースです!」
植物好きなアラフォー女子M(以下M)「おお〜。モコモコしたアジサイがかわいいですね〜」
C「秋色アジサイとビバーナム・ティナスとヒメリンゴを使ってます」
M「これはなにかを土台にしてるんですか?」
C「フローラルフォームというお花用のスポンジをベースにしています。そのフォームの形がドーナツ型だったので、そこからできるだけ自分が丸という形にこだわったらどうなるだろうっていう気分になって、こうなりました(笑)」
M「このまんまる感、たまらないです! また花瓶に活けるのとはちょっと違う感じですよね」
C「こうしてフォルムに特化して活けてみるっていうのも、ちょっと違った脳みそを使うというか。おもしろいですよ〜」
M「確かに! でもちょっと難しそう……」
C「一見そう思うかもしれませんよね。でもたとえば、これを花だと思わないでケーキのデコレーションだと思ってみるとか。花以外の自分の好きなものにあてがってみると、急に近しいものに感じると思うんですよ」
M「なるほど!!」
C「ケーキを作るみたいに、アジサイやリンゴで飾り付けていく感じで」
M「フローラルフォームというスポンジケーキに、アジサイの生クリームとリンゴ、みたいな……。おぉ、これは楽しいかも」
C「自分の好きなもの、得意なものを花と結びつけてみる。そうするとどこかに自分だけの落としどころっていうのがあるから、そういうのを探すともっと楽しくなりますよ〜。最初はちょっと難しいかもだけど、それを諦めないでやるとその人らしい花になるっていうか」
M「ほぉ〜〜〜」
C「花って必ずしも、別にうまく活けないんでいいんだって思うんです。いっぱい変なものも活けたり、しまった〜!って思うのもあったりして。テクニックを学ぶのももちろん大事ですけど、その人が持っているオリジナリティがテクニックを知ることで後ろに隠れちゃうのももったいないなって」
M「自由にやっていいんだって思うと、心強いです。今回もメモすることいっぱいで手が止まりません!」
ということで、今回も楽しい花談義で時間はあっという間に過ぎてゆきました。
(本当はこれの3倍くらいお伝えしたい内容盛りだくさんでした!byM)
ウーロンと、
わが家にはウーロンという名の雄ネコがおります。
出逢いは、今のアトリエの
前の前の前に借りていた材木座海岸前のアトリエでした。
ある日、ひょっこり現れて以来、
ずっとそこに居たかのような自然な流れで家族となり、
この秋で早16年になります。
出逢いの頃も現在も、
見た目も動きも鳴き声も、ほとんど変わらず。
人間にしたら八十路の足音も聞こえて来そうな年齢にもかかわらず、
今も家中を走り回っています。
現在もずっと元気な状態は変わらないのですが、
ひと季節前の酷暑の折には
ふと、くしゃみをした際に鼻血を出したことがありました。
「ネコ・鼻血」と検索すると、
ろくなことが書いておらず、心配は募るばかり……。
慌てて獣医さんに飛び込み、いろいろ調べてもらいました。
結果、ネコ風邪という多くの猫が持ち合わせている症状と解りました。
ネコの風邪は、完全完治はのぞめないそうですが、
家族会議で、今まで以上に労りながら見守る!というスタンスで臨む結論に至りました。
元気な状態とは言え、猫としてはすでに高齢の域。
毎日、覚悟を持って(ネガティブな意味ではなく)接し、
一日の終わりには「今日も元気でいてくれてありがとう!」と、
ウーロンと額を合わせて感謝の気持ちを伝えています。
高齢と言えば、僕もまだそこまでに至る年齢ではないものの、
昨今、体にも少々不調が出てくることもしばしば。
今夏のウーロンの一件を通して、
これまではあまり気付かなかった身の回りの様々な事にも心を配るようになれたかもしれません。
あっ、この原稿を書いているちょうど今が、
秋ド真ん中なせいか、少々ノスタルジックなお話になってしまいましたね~。
「ウーロン、きょうもありがとう~!!」
ときどき茶話
晩秋にさしかかり(もう立冬を過ぎてますけど〜)、
世間的には紅葉狩りが楽しみな季節ですね。
でも自分としては、夏が終わった時点で、
心中は即→大晦日っ!(ちょっと大袈裟?)な気分で。
そんな慌々した心持ちで日々追われ始めると、
その穴埋めとしてはつい、食に走ってしまいがち。
とある事情(そちらはまたの機会に)で年始から禁じ手にしていたスイーツ関係も、
ここへ来て自然な流れで扉が開かれることに〜!
この秋はカミさん共々ずっとマロンブームで、
何かにつけて栗寄りな食生活が続いていたので、
解禁第1号は、大好きな洋菓子店の和栗モンブランと相成りました。
そんなこんなで10ヶ月ぶりに開いた甘い扉は……現在もまだ閉じられておりません(汗)。
プロフィール
CHAJIN /チャジン
フラワーアーティスト。
ORIGINAL FLOWER STYLE CHAJIN 主宰。
暮らしまわりの雑貨と季節の花を合わせ、個性的でありながらもカジュアルな花あしらい、存在感あるリースの作品が得意技。
雑誌や広告の花活け、店舗や温泉宿のディスプレイ、展示会の花活けの他、鎌倉のアトリエや池袋コミュニティカレッジ、NHKカルチャー青山教室、NHKカルチャー横浜ランドマーク教室、二子玉川高島屋S.C教室ほか、都内各所で開催中の花教室も人気。
著書に『きょうの花活け』(誠文堂新光社刊)、『花活けのココロ』(主婦と生活社刊)、『小さな花あしらいと12ヶ月の花の話』、『季節の花でつくる12ヶ月のリース』(ともに芸文社刊)がある。
紅茶好きでプロレス好きで愛猫家。鎌倉在住。
インスタグラム instagram.com/chajin_eye
これまでのお話はこちら
>> vol.1 珈琲花語
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この記事のライター
植物生活編集部
「植物生活」とは花や植物を中心とした情報をお届けするメディアです。 「NOTHING BUT FLOWERS」をコンセプトに専門的な花や植物の育てかた、飾り方、フラワーアート情報、園芸情報、アレンジメント、おすすめ花屋さん情報などを発信します。