吉野みゆき 吉野みゆき 2018/12/02

有機的里山暮らし <vol.1> 蜜蝋は香る、クリスマスを待つあいだ。

都心から、山と湖のある町に移住したのは10年前のこと。

自然に魅了され、触れ合ううちに、いつしか植物との関係は切っても切れないものになりました。
ふと気がつけば、自然と共にあって、植物の恩恵をうけている里山暮らしの、ちいさな、ちいさな楽しみを連載します。

アドヴェントのころ




アドヴェントを知ったのは、長女が入学してから。
クリスマスまでの約4週間を待つ間、静けさに耳を傾け、ゆっくりと、特別な時間が流れるーー。
それを、知ってからは、それまでの煌びやかなクリスマスのイメージは変わり、クリスマスを待つあいだが、とっても大切な時間となりました。

スッとつけて、たっぷりと

11月をすぎると、少しずつ、アドヴェントの準備をします。
まずは、蜜蝋のディッピングろうそく作り。

アラジンのストーブに、お鍋をかけて、蜜蝋を湯煎し、溶かします。
くつくつくつくつ、蜜蝋がとろりと溶け、甘〜い香りが部屋中に立ち込めます。

ろうそくの芯を蜜蝋にスッとつけて、ゆっくりたっぷり蜜蝋がつくよう引き上げます。
そして、冷ます、何度も何度もディッピング、少しずつ少しずつ、ろうそくは太くなっていきます。

気を付けて、そう、静かに集中していないと、曲ったりでこぼこの蝋燭になってしまうのです。
ああ、この香り、この作業に、もうすぐアドヴェントだなぁ……と毎年、思います。

そして、子育てと似ているな、と。


アドヴェントが近づくと、針葉樹を集めに。野生のモミは触ると痛いので要注意。



藤の蔓をくるっと巻いて、そこに針葉樹を止めていき、リースを作ります。
ローズヒップや、まつぼっくりを飾ったら、ワイヤーで4本の蝋燭を立てます。




1週間ごとに灯りが増える、4本の蝋燭

アドヴェントクランツ(リース)は、4週間前の日曜日に1本目の蝋燭に火を灯し、次の日曜日には、2本の蝋燭に火を灯し、その次の日曜日には3本目と、灯りの数が増えていくのが、楽しみです。
クリスマスが近付くのを教えてくれます。
蜜蠟で出来た蝋燭は自然の色が美しく、ススが出ないので、昔から、教会などでも使われているそう。
そして、灯せばたちまち漂うあまい香りにうっとりと。
 

くるみのアドヴェントカレンダーは、子ども達への贈り物

アドヴェントの日数分のくるみの殻に、とてもちいさなギフトを詰めて、リボンでつなげたカレンダー。
二人の子ども達が小さい時、毎日、順番に、開けていくのを楽しみにしてくれていました。
そして、全てのくるみが開くとき、サンタさんがやってくるのです。
中身を入れ替えては、何年か続けました。
今、思えば、何を入れようかとあれこれ楽しんでいたのは、私の方だったのかもしれません。

夜の闇が深くなる季節に、静けさの中で、蝋燭を灯し、クリスマスまでを数える。
スピード感が増していくこの時代にこそ、こんなひとときが、なんとも愛おしく大切なものだと思えます。
忙しい、師走ですが、蝋燭を灯して、アドヴェントを味わってみませんか。

文・写真/吉野みゆき



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この記事のライター

吉野みゆき
吉野みゆき

吉野みゆき ファッションスタイリスト、エディターを経て、結婚、二児の母となる。 10年ほど前、都心より、山と湖のある里山に移住。自然と繋がっている、手しごと、美しいもの、素敵なことを研究中。

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