続・きょうの花活け 花と鎌倉とウーロンと、ときどき茶話。/vol.3 懐古洋書
vol.3 懐古洋書
こんにちは! CHAJINです。
こちらは、かつて月刊フローリストさんで連載させていただいていた
「花と鎌倉とウーロンと。」のエピソード2……?
はたまた、
その連載をまとめた本「きょうの花活け_花と鎌倉とウーロンと。」の続編……?
とでも言いましょうか~。
季節ごとに出逢う日々の花あしらいについて、
花活けを始めたばかりの植物好きなアラフォー女子のMちゃんに
わかり易~く(時に脱線しながら)お話ししてゆくWEB版の花教室……、みたいなコーナーです。
そして二人の花トークの後は、
アトリエのある鎌倉界隈についての茶話や、
愛猫ウーロンの親バカ話など……諸々な由なし事も綴っております。
そんな彼此と緩さ満載ではございますが、
皆さまの日々の花活けに、少しでもお役に立てればうれしいです。
それでは今回もよろしくおねがいします~!
晩秋ノスタルジック
CHAJINさん(以下C)「リー・ベイリーっていうおじさんがいてね」
植物好きなアラフォー女子M(以下M)「は、はい???」
C「料理とかインテリアとかで80年代くらいに活躍した人なんだけど。そのリー・ベイリーの『small bouquet』という本が、赤坂のハックルベリー(※編集部注:洋書店です)でいまから四半世紀ほど前に売ってて」
M「花の本ですか?」
C「そう、小さな花あしらいがいっぱい載ってるハードカバーの小さな本で、その雰囲気がすごく好きで。この本を何冊も買って、いろんな人にあげてました。本の中では今回活けたジニアみたいなちょっとカワイめの花も出てて」
M「なるほど、そういうことでしたか! ジニアってかわいいですよね~」
C「ジニアは初夏から晩秋の花で、2色使いの花色がいいですよね。だから花が1種類だけでも花色がいろいろあるのでメリハリがつくというか」
M「この色合い……萌えます。これって束ねてるんですか?」
C「そうです。イメージでいうと手元で重ねていく感じ。最初に数本持って、そこに花を重ねていくことで立体的になっていく。大きな花を下にしたいとか、小さなものをヒョロっと出したいとか調整してもいいけど、あまりやり過ぎないで“折り重ねた美しさ”みたいなものを大事にする感じですね~」
M「花束ってついついキレイな形に作らなきゃ!って意気込んじゃってよく失敗するんですけど、そう聞くとちょっと気が楽です」
C「手元で重ねた花をそのまま器に入れて解き放つ感じでもいいですし、少し茎を縛ってあげるとキュッとなるのでそれもまた違ったかわいさになりますよ~」
M「へ~。束ねたからって必ずしも紐とかで縛らなくてもいいんですね~。世界が広がります!」
C「1本1本造作するというよりは手元で束ねてカジュアルに活けたものなので、トーンも含めてリー・ベイリーっぽいかな~と」
M「リー・ベイリーの本は、CHAJINさんの原点的な感じなんですね」
C「まだそんなに花活けをしていない時期に出会った本で、いま見ると花活けというかスタイリングっぽい感じではあるんだけど、自分の流れを思い起こす1冊というか」
M「そういう本があるっていいですね」
C「秋ってなんかそういう気持ちにさせるのかな。晩秋のノスタルジックさっていうか。って、こんなんでよかったんでしたっけ(苦笑)?」
M「もちろんです! 今回も楽しかったです、ありがとうございました!!」
ちなみに、CHAJINさんの『きょうの花活け』という本もかわいくてシンプルな、気張らない花活けがたくさん載っていてステキですよ~(by M)
鎌倉と、
先日のこと、愛猫のウーロンが
湘南獣医師会から表彰状をいただくという名誉な出来事がありました!
ほんとうは表彰式へもお誘いがあったのですが
花教室の日程とかさっなっていた為、
後日こちらの表彰状をいただきに獣医さんへ。
その場で表彰状を渡していただく所作(卒業式に一礼して両手を伸ばしていただくアレです)まで再現して頂き、
遅ればせながら頂戴いたしました。
当日の式に出席した友人(こちらは愛犬のパグが表彰!)からは
会場で、「もしウーロンの名前が呼ばれたらかなり受けたと思うよ~!」言われたのですが、はて……?
自分としては何の違和感もないネーミングですが、
そうか~世間様的には、猫の名前としてかなり変わっているのかもしれないですね~笑。
そういえば以前、獣医さんで診察を終えた際に、
「福田ウーロンさ~ん!」と呼んだ受付のお姉さんが、心なしか笑いを堪えていたような~。
そんなこんな諸々な出来事も当の本人(ウーロン)は露知らず、、。
とにかく元気に八十路(!)を迎えられたことに感謝をしつつ、
家族ともども日々楽しく暮らして行けていることに改めて気づかせていただいた有り難い出来事でした~。
ときどき茶話
本編で触れたリーベイリーの"small bouquets”。
B6サイズくらいの大きさでハードカバーで、このサックスブルーの表紙も書棚の中でもとても印象的で~。
ページ数はそれほど多くないのですが、シンプルでかわいい花活け~、
いや、花活けというほどまではいかないくらいの
サクッと束ねてパサっと投げ入れたような……、そんなカジュアルな花あしらいでまとめられた一冊です。
ちょうど花の世界に飛び込んだ頃くらいだったか?
当時の自分が、ふとした際に眺めては、いつかこんな本が出せたらいいなと夢想していた本でもありましたね。
今はなかなか入手困難な一冊かもしれないですが、
昭和の良き時代を思い出させると言いますか、心が癒されるそんな一冊かと……。
どこかで見つけたら是非お手に取ってみてください。。
プロフィール
CHAJIN /チャジン
フラワーアーティスト。
ORIGINAL FLOWER STYLE CHAJIN 主宰。
暮らしまわりの雑貨と季節の花を合わせ、個性的でありながらもカジュアルな花あしらい、存在感あるリースの作品が得意技。
雑誌や広告の花活け、店舗や温泉宿のディスプレイ、展示会の花活けの他、鎌倉のアトリエやNHKカルチャー青山教室、NHKカルチャー横浜ランドマーク教室、二子玉川高島屋S.C教室ほか、都内各所で開催中の花教室も人気。
著書に『きょうの花活け』(誠文堂新光社刊)、『花活けのココロ』(主婦と生活社刊)、『小さな花あしらいと12ヶ月の花の話』、『季節の花でつくる12ヶ月のリース』(ともに芸文社刊)がある。
紅茶好きでプロレス好きで愛猫家。鎌倉在住。
インスタグラム instagram.com/chajin_eye
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この記事のライター
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