水鳥るみ 水鳥るみ 2019/01/22

ウェディングストーリーズ〈vol.8〉時を越え、額の中で咲き続ける「押し花ブーケ」/BLOOM

額装にこだわったBLOOMの押し花ウェディングブーケ

ウェディングストーリーズ vol.8

結婚式の本番を終えたウェディングブーケに「新たな命」を授けるプロフェッショナルがいることをご存知ですか。新しい年の始まりに、これから結婚するふたりと一緒に年を重ねていく「押し花ブーケ」をご紹介します。

◆◇◆

今回私がお邪魔したのは、世田谷区駒沢にオフィスを構えるBLOOM(ぶるーむ)。挙式後のウェディングブーケが日々送り込まれ、取り扱うブーケの数は、岡山にある拠点とあわせて年間1万個以上になるといいます。

BLOOMが得意とするのは、花本来の立体的な美しさをそのままに、ブーケやブートニアを押し花にするスタイル。額装にもこだわって、自宅のインテリアとして長く楽しめるアートをプロデュースしています。

東京都世田谷区奥沢ににあるBLOOMのオフィス

押し花の魅力を引き立てる額装へのこだわり

代表の飯澤早苗さんが、押し花アートを始めたのは約20年前のこと。
インテリアコーディネーターから、フローリストに転身してまもない飯澤さんの元に、「ウェディングブーケを押し花にして残したい」という依頼が舞い込んだことが、全ての始まりでした。

「押し花の知識があると、勘違いされてしまったんです。本当はなんの知識もなかったのですが、目の前にお客様がいてウェディングブーケがある。なんとかしなければと、知り合いを訪ねて歩き、押し花ができる人を探しました」

どうにか押し花が完成し、額に入れてもらったところ「なんかつまらないな」と感じた飯澤さん。その時ふと、かつて海外で目にした絵画の額装が脳裏に浮かびました。

「中身を引き立たせるには、額装を魅力的にしないと!」その閃きを頼りに、額のデザインはもちろん、マウント装飾と呼ばれる作品と額縁の間の余白マットの装飾にもこだわって、押し花アートの第一号が完成したのです。

すべての工程を手作業で対応しているBLOOMの押し花
それから22年、BLOOMは独自の方法で押し花の技術を磨き続けてきました。押し花ブーケの製作工程には、たくさんの人の手が加わります。だからこそ、「職人同士が繋がり、よく話し合い、感覚的に作品のイメージを共有する」ことを大切にしています。

そうして生まれ変わったブーケは、一生モノのアートとして額の中へ。一般的な押し花が、真空に近い状態で密封し、花の退色を防ぐのに対し、BLOOMのアプローチはその真逆。
花が額の中で生き続けられるよう、 額の中の空気をすべて抜くことはせず、時間の流れとともに深い風合いへと変化する姿を楽しんでもらうことを目指しています。
お部屋のインテリアにマッチするBLOOMの押し花アート

これがBLOOM流!上質な押し花アートの作り方

押し花というもう一つの命を得て、額の中で咲き続けるウェディングブーケ。
続いては、その製作過程を覗いてみましょう。

様々な分野で機械化が進む現代において、BLOOMでは全ての工程を手作業で対応しています。職人は全員女性。
まずは届けられたブーケをよく観察し、花嫁さんがこのブーケのどこを1番可愛いと感じたのか、思いを巡らすところから製作がスタートします。
花びらを解体し、プレスして乾かす工程
なるべく新鮮な状態の花を押し花にするために、ブーケは到着後すぐに解体されます。
圧力をかける方法や加減は、花の厚みや水分量によって細かく変えるのがポイント。早くて3日、長いと2週間ほど圧をかけて乾かします。
花材を彩色し、花びらを重ね合わせてブーケの形をデザインする
続いては花材の彩色。花の種類によっては、乾燥した時点ですぐに色が抜けてしまったり、変色してしまうものもあるため、ナチュラルメイクを施す感覚で色をのせていきます。

担当の職人いわく「白い紙に色を塗るのとはわけが違う」とのこと。花びらを塗るときは1枚1枚丁寧に、内側と外側で色を絶妙に変えたりしながら、花本来のグラデーションを表現します。

彩色を終えたら、花を再びブーケの形に。デザインのコツは、「うまく作ろうとしないこと」。花嫁さんの幸せな表情を思い浮かべ、デザイナー自らも楽しみながら作ることで、花は再びイキイキとした表情で咲き始めるのです。

BLOOMオリジナルの書体を使ったカリグラフィー
余白にさりげなく、結婚式の日付やふたりのお名前をフランス語表記で書き添えるのがBLOOM流。
カリグラフィーの書体にもこだわって、オリジナルのものを使っています。
BLOOMを代表するミストグリーンの額装
製作期間、最長で約6ヶ月!
押し花に額装をあわせて、ついにひとつの作品が完成します。

右の写真は、創業当時より愛され続けている「ミストグリーン」の額装。イタリア製のマーブル紙と手彩色の繊細なラインにこだわったBLOOMを代表する額装です。
他にも、額とマットをブラックで統一したものや、思い出の写真と一緒に飾るフォトスタンドタイプも人気。みなさんのご自宅のインテリアには、どの額装が似合うでしょうか。
製作から20年が経過し、深い風合いに経年変化した押し花ブーケ

変わっていくことは、愛おしいこと

BLOOMが額装にこだわる理由、それは「時を経てアンティークな色調に変化した後も、押し花が美しく引き立つように」と願ってのこと。

「時を止めるのではなく、額の中で変化を続けるのがBLOOMの押し花アート。その時々の風合いを楽しみつつ、一緒に歴史を刻んでいくことに価値を見出していただけると嬉しいです」と、飯澤さんは語ります。

20年の歳月を経た押し花(写真右)には、完成したばかりの頃(写真左)とは違う落ち着いた風格が漂っています。

押し花ブーケが変わりゆく様は、どこか夫婦の姿に重なるものがあるように感じます。結婚して10年、20年、一緒に時を重ねて生きること。それは、変化を楽しむことでもあるのだと、BLOOMの押し花に教えてもらった気がしました。

株式会社BLOOM代表の飯澤早苗さん
■ショップ情報

・代表:飯澤 早苗 (いいざわ さなえ) 
・会社名:BLOOM(ぶるーむ)
・URL:https://BLOOMade.com/
・Instagram:https://www.instagram.com/BLOOMade/
・住所:東京都世田谷区駒沢2-3-13
・営業日時:平日10:00〜18:00(要予約)
・押し花アートの価格:39,000~
・オーダー方法:ご注文からお届けまでの流れはこちらオンラインショップよりご希望の商品をご注文ください。
・対応地域:全国配送可能





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この記事のライター

水鳥るみ
水鳥るみ

都内在住のフリーランスライター。 現在は、ウェディング関係のお仕事をメインに、年間30組以上の新婚カップルをインタビューし、挙式当日のレポを執筆。 ウェディングシーンに欠かせないフラワーアレンジメントについて、そのトレンドやショップ情報を詳しくご紹介します。

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