続・きょうの花活け 花と鎌倉とウーロンと、ときどき茶話。/vol.5 藪椿一輪
vol.5 藪椿一輪
こんにちは! CHAJINです。
こちらは、かつて月刊フローリストさんで連載させていただいていた
「花と鎌倉とウーロンと。」のエピソード2……?
はたまた、
その連載をまとめた本「きょうの花活け_花と鎌倉とウーロンと。」の続編……?
とでも言いましょうか~。
季節ごとに出逢う日々の花あしらいについて、
花活けを始めたばかりの植物好きなアラフォー女子のMちゃんに
わかり易~く(時に脱線しながら)お話ししてゆくWEB版の花教室……、みたいなコーナーです。
そして二人の花トークの後は、
アトリエのある鎌倉界隈についての茶話や、
愛猫ウーロンの親バカ話など……諸々な由なし事も綴っております。
そんな彼此と緩さ満載ではございますが、
皆さまの日々の花活けに、少しでもお役に立てればうれしいです。
それでは今回もよろしくおねがいします~!
潔く、凛として
CHAJINさん(以下C)「我が家のキッチンの窓前にヤブツバキが3本生えてて、新春に咲いてくるんですよ。台湾リスとヒヨドリの暴走族がその花芽を食べに来るんですけど、僕とウーロン(CHAJINさんのお家の猫ちゃん)が窓をバンバンして応戦してます(笑)。でも彼らが食べ損じたものが落ちツバキになって、それもキレイだったりして」
植物好きなアラフォー女子M(以下M)「CHAJINさんのお家って鎌倉の平屋ですよね。平屋って憧れます。住みたい~」
C「古いからちょっと寒いですけど(苦笑)。でも寒さの中で見るとツバキの発色の加減も違って見えるというか。花芯の黄色とビビッドな赤、濃い緑のコントラストがより美しい。これがポロッと地面に落ちても、枝先に咲いている姿もどちらもステキで。その潔さが美しいなって」
M「この活け方って一輪だけですよね。その分ツバキの潔さが伝わってくる気がします。赤い器にピンクの花。凛として気持ちがいいというか……」
C「一輪の妙といいますか、ツバキという花の持つ潔さをそのままというか」
M「花を活けているとついついいろいろ足したくなっちゃいますけど、こうして1本だけ!というはカッコイイものですね」
C「いろんな種類を活けて楽しむのもいいけれど、引き算をして一輪だけで、そぎ落としたときに見えて来る本来の存在感というのもまたいいものですよ~」
M「引き算の美。日本らしい感じがします!」
C「花っていろいろな季節の温度で咲いているから、暑さが似合う花もあるし、このツバキは寒さが似合う花で。一輪で活けることで潔さがより迫ってくるような。それにしても鎌倉っていま、リスが多くてちょっと困っちゃいますけどね~」
M「リスっていえば、鎌倉のクルミッ子! おいしいですよね~。大好きです」
C「そういえば最近クルミッ子のカフェができたんですよ~」
M「え! 何ですかそれ、知りたいです!」
その後、鎌倉にお住まいのCHAJINさんによる鎌倉情報に聞き入るMでした。
花より団子になってしまい……ちょっと反省です。(by M)
鎌倉と、
この季節はいつも、庭の藪椿の開花を楽しみにしています。
今冬も可憐な紅い花が点在し始めました。
この窓前が華やかになるのは今だけなので、のんびり堪能したいところなのですが
実はそうもいかないのです。
というのは、鎌倉名物でもある台湾リスが
ようやく咲いた椿の花芽を食しにやって来るから……。
そのこと自体は自然の摂理といいますか、別にいいのですが、
その頂戴の仕方がどうにも解せないのです。
花芽を掴むやいなや、一切の躊躇なく無遠慮にもぎ取る!感じなのです。
蕾が徐々に膨らみ出す頃から見守っているこちら(親心?)としては、残念極まりない心境です。
同じ食すのでもたまにやって来るメジロの方は、
少々遠慮深げに椿を覗き込み、気遣いながらそっとクチバシを差し入れている風なのが好感が持てますね。
もう完全に暇人の戯言で恐縮ですが、そんな椿物語をゆっくり眺められるのも年初めならでは。
鎌倉の新年もゆっくり始まった感じでございます~。
ときどき茶話、
松の内はとうに過ぎましたが、我が家のお正月の一コマ。
元旦は、いつもは隣家に住む父もやって来て、家族で新年を祝います。
例年この風景が当たり前になっていたのですが、
昨年の夏、父と愛猫が同日に病に倒れる出来事があったので
今年は皆で食卓を囲めたということに対し、感謝もひとしおな感がありました。
当たり前と思っている様々な出来事にも改めて感謝の気持ちを持って接する!
自分の中で、良い括り直しが出来た新年の幕開けでございましたね~。
遅ればせながら……
皆さま本年もどうぞよろしくおねがいいたします!
プロフィール
CHAJIN(チャジン)
フラワーアーティスト。
ORIGINAL FLOWER STYLE CHAJIN 主宰。
暮らしまわりの雑貨と季節の花を合わせ、個性的でありながらもカジュアルな花あしらい、存在感あるリースの作品が得意技。
雑誌や広告の花活け、店舗や温泉宿のディスプレイ、展示会の花活けの他、
鎌倉のアトリエやNHKカルチャー青山教室、NHKカルチャー横浜ランドマーク教室、二子玉川高島屋S.C教室ほか、都内各所で開催中の花教室も人気。
著書に『きょうの花活け』(誠文堂新光社刊)、『花活けのココロ』(主婦と生活社刊)、『小さな花あしらいと12ヶ月の花の話』、『季節の花でつくる12ヶ月のリース』(ともに芸文社刊)がある。
紅茶好きでプロレス好きで愛猫家。鎌倉在住。
インスタグラム http://instagram.com/chajin_eye
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この記事のライター
植物生活編集部
「植物生活」とは花や植物を中心とした情報をお届けするメディアです。 「NOTHING BUT FLOWERS」をコンセプトに専門的な花や植物の育てかた、飾り方、フラワーアート情報、園芸情報、アレンジメント、おすすめ花屋さん情報などを発信します。