植物生活編集部 植物生活編集部 19ヶ月前

植物生活なあの人 vol.8 高野のぞみ NP/フローリスト




植物生活が開催している、フォトコンペティション「BOTANICAL PHOTO AWARD」第一回テーマ、ドライフラワーで最優秀賞を受賞した高野のぞみさん。

受賞された作品はこちら >> 植物生活 BOTANICAL PHOTO AWARD 受賞作品発表

独特な素材使いや、色合わせなどが印象的で、多くの投稿写真からも作品の魅力が伝わってきます。



植物生活のアカウントプロフィールには、「インスピレーションはいつも自然の中にある。」の一文。
https://shokubutsuseikatsu.jp/users/nonpan123/

その世界観を作り上げる自然や、これまでの活動などについて、お話をうかがいました。




高野さんの現在の活動拠点は長野県上水内郡。
近くにはスキー場がある長野県北部の山間部の町です。
少し歩けば、高野さんがいつも植物採取をしている森や山があり、とても自然の豊かなところ。
冬には雪深くなってしまうこの地域に、自宅兼アトリエがあります。







冬の外は厳しい環境ですが、部屋のなかでは植物に快適な空間を作っていて、
ここで作品制作や一部のお店に委託販売している商品などを作られています。



これまでの経歴を伺うと、高野さんは7年間、イギリスに在住されていて、
語学を学びながら花の勉強をして、花店で働いていたそうです。

センスのいい花の素材合わせや、しっかりしたブーケやリースの仕上がり。
長く海外で活動されてきた実力がにじみ出ているようです。


「最初に花の学校で伝統的なスタイルなどを学んで、その後デパートの入り口にある小さなお花屋さんで働かせてもらいました。街の景色や何もかもが好きだったので、長くいても全く飽きなかったです。花店でも、最初は掃除しかできませんでした。でも、何でも率先して頑張って。渡英したのは2008年、帰ってきたのが2015年くらい。まだ戻ってきて3年です」


イギリスでは、働きたいお店を見つけたときは、求人募集に応募するというより、自分で履歴書を持っていく慣例が多いそうです。
そのため、ポートフォリオと履歴書をたくさん作り、常時10セットくらい持ち歩いていたという高野さん。

「語学にも不安がある状態でしたので、すごく勇気が必要でしたが、一緒に住んでたハウスメイトが後押してくれて。本当に恵まれていたと思います」

 

当時のインスタグラムより



その後、ロンドンのイズリントン区のエンジェル地区にある店で採用され、働くことになったそうです。

「なんでもいいから、そこにある花でブーケを1つ作ってと言われて、作って見せました。そうしたら、じゃ、来週から来てね、みたいな感じで」

「日本でいうと東京・代官山というような場所のイメージかな」と高野さん。
ビートルズのアルバムジャケットで有名なアビーロードの近くにあるもう1店舗とあわせて、10人ほどが働く花店。


「花の種類が多くて、花に囲まれて仕事をするのが楽しくて仕方がなかったです」と振り返ります。

入店してまもなく、みんなのローテーションに加わり、店売りもあり、生け込みもあり。
メインは、店頭購入のブーケを作ることだったそうで、たまに劇場や洋服店のディスプレイも手がけられていたとか。

「イギリスは、花が生活に根付いていて、スタイルが全く違うので日本にないニーズもありますし、リースの飾り方などは、意味合いまで知っていないといけないんです」

クリスマスにかける情熱も全く違い、日常ですら、食卓に飾るキャンドルのアレンジメントとかを普段使いでお客様が買っていくという文化。
バラ一本やチューリップ一本を買っていく男性も多いそうで、

「会社帰りのサラリーマンが奥さんに買って行ったり。キュンキュンしますよね」と笑いながらその文化の違いを話してくれました。






作品や作風について、どのように自身のスタイルを培ってきたかうかがってみると、意外なことに最初は多肉植物の寄せ植えに興味を持ったことからこの世界に入ったそうです。

「最初は生き物アートって呼んでました。渡英する前、多肉植物の寄せ植えを売っていました。根がついている植物はとても自然的で咲いている姿が美しいと思っていました」




「イギリスで働いていた店のボスがデンマーク人で、とてもセンスが素晴らしくて。ヨーロッパ独特のカラーリングで、そういったところから切り花のセンスの影響を受けていったということはあると思います。イギリスの色使いも強かったですね。イギリスの花束の組み方は、基本的に左右対称なんです。きれいに仕上げるという感じ。でも、ボスのテイストはワイルドだったかな」

「それぞれの花屋さんによってルールがあると思いますが、勤めていた店では、白に多色を混ぜて使うことを禁止していました。白を使うんだったら白グリーンだけ。なぜかというと、パッと見たときに白だけ飛び込んできてしまうのがいやだからと言っていました。でも、なぜか私だけは許してもらってました。」

当時からリース作りが得意だったそうで、店から徐々に任せてもらえたりするようになっていったそうです。


最初は根付きの植物や多肉植物、エアプランツなどグリーンから始まって、イギリスのものにたくさん触れ、花店の修行で切り花、特にブーケやリースのセンスが形成されていったようです。

「素材は変わったものが好きなんだと思います。でも、特にこれというテイストはなく……。ロンドンに行ってから変わったと思います。異人種異宗教の混ざり合う環境で、中国、アフリカ、さまざまな方が買いに来るから、とにかくいろいろなテイストのものを作ってました」




前回、植物生活PHOTO AWARDでは「ドライフラワー」がテーマで最優秀賞を受賞されました。
ドライフラワーについてもうかがいました。

「ドライフラワーの原型と違う花姿とか、汚れなどが苦手だったんですけど、研究してみるとても可愛い素材がたくさんあるんだと知りました。今まで考えなかった角度からの植物の魅力を知り、練習しようと思ったのがきっかけでした。ハーバリウムもそうです」








それでは帰国した現在、これからについて聞いてみると、
「自分でお店を持ちたいですね、やはり」と。

「屋号とかを作って、きちんとスタートしようと思っていたのですが、ありがたいことに、口コミで色々声をかけていただいて、まだ名刺もないうちに、始まってしまった感覚です」






現在は、結婚を機に、長野に拠点を移されましたが、その美しさに衝撃を受けるほど愛してやまない土地。
長野の自然からは、計り知れない多くを学んでいるそうです。

イギリスにいた時も、環境から学ぶことが多く、
日本でも自然の四季から植物を学ぶ。

「インスピレーションはいつも自然の中にある。」


これからも、たくさんの表現を発表していく高野のぞみさんのデザインや活動に注目していきたいと思います。








取材/植物生活編集部(取材時1月)
撮影/岡本譲治


話をうかがった人
高野のぞみ NP
2008年渡英。語学とフローラルデザインを学ぶ。2015年結婚を機に帰国、拠点を長野に移す。ロンドンならではの多様な人種や文化から得た経験と、長野の美しい自然をミックスさせた、どこか印象的でストーリー性のある作風を心がけている。植物という生きたアートに興奮したのが全ての始まり。一言では言えないが、自然界の中ではもちろん、アートや音楽、ファッションやアクセサリーなど、ときめく物事に出逢った時、インスピレーションを感じる。
 

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