Yu Yu 2019/03/12

月と星とハーブと。 第4回 アーユルヴェーダから考える移動の工夫 前編 / 高瀬媛子さん

自然のリズムに沿って暮らすことについて、様々な視点から考える連載『月と星とハーブと。』

今回はアーユルヴェーダの視点から “移動” について考えます。

出張や旅行など日々の移動は欠かせないけれど、どこか憂鬱。移動疲れを少しでも軽減できないものだろうか。
そんな移動を苦手とする人がいる一方で、『飛行機に乗るだけでワクワクする!』というような移動自体を楽しんでいる人がいるのは、長らく不思議なことでした。



そんな移動に関する疑問にこたえてくれたのは女優の高瀬媛子さん。
高瀬さんは女優活動に加え、アーユルヴェーダのメソッドを取り入れた暮らしについての発信や、お料理教室の開催を積極的に行っています。

アーユルヴェーダはオイルマッサージの印象が強いかもしれませんが、実はその人なりの使命を遂行することや、自然に沿ってそれぞれの体質を活かして生きていくことを勧める考え方にも魅力があります。

少し専門的な用語も出てきますが、繰り返し読んでいると馴染みが出てくると思いますので、難しく考えすぎず物語のようにお楽しみいただけたら嬉しいです。

まず前編ではアーユルヴェーダの基礎知識について学びます。



「アーユルヴェーダでは、「風」「火」「水」に象徴される3つの「ドーシャ」と呼ばれる生命エネルギーを体質の基本と捉える考え方があります。
ひとりひとり違ったバランスで3つのエネルギーを持っているんですよ。

すべての人が3つのエネルギーを持ち合わせているのですが、その中でどのエネルギーが優勢なのかバランスは人それぞれ。多いエネルギーが体質や気質、いわゆる個性となって表れます。

生まれ持ったエネルギーバランスがその人自身に合っている状態(=居心地がよく、本来の状態)なのですが、実はそのバランスは一定でなく、習慣や季節によって、日々変化をしています。
また、成長していくにつれ周囲の環境や人間関係などでもバランスは変わります。

ですから、本来の自分のエネルギーバランスでいられるよう、食事を始めとして日々の過ごし方を整えていくことが大切。乱れたバランスをニュートラルに戻していくイメージです。

正確なバランスの診断は、クリニックでの脈診などを通して出来ますが、ある程度自分の普段の様子から予測することも可能です。

それぞれのエネルギーの特徴は、以下の通り。優勢なドーシャは一つだけではなく、二つ以上を持ち合わせることも珍しくありません。

また、もともと女性は「風」と「水」のエネルギー、男性は「火」のエネルギーの質が強いと言われます。

ご自身は、どの傾向が強いか、読みながら考えてみてくださいね」


 
「 "ヴァータ" と呼ばれる風のエネルギーは、乾燥し軽くて動く性質を持ち、運動や神経を司ります。
特徴:細身、活動的でよく動きますが、スタミナがなく疲れやすい。明るく快活、理解が早く、変化を好みます。気分にムラがあり、食欲も不安定。
関連ワード:軽い、動き、乾燥、荒い、冷たい、精妙、澄んだ

 "ピッタ" と呼ばれる火のエネルギーは、鋭くて熱く変化する性質を持ち、燃焼や代謝を司ります。
特徴:中肉中背で体が熱い。鋭い知力を持ち、努力家でチャレンジを望みます。空腹感が強く、食事を抜くことができません。
関連ワード:熱い、鋭い、流れる、液性、軽度の油性、辛い

 "カパ" と呼ばれる水のエネルギーは、重く冷たい柔らかな質を持ち、体力や安定を司ります。
特徴:がっちりとふくよか。ゆっくりと行動し、体力や持続力があります。安定した性格を持ち、深い愛情があります。空腹感が鈍く、1食くらい抜いても平気なタイプ。
関連ワード:重い、安定、柔らかい、油性、甘い、粘性、冷たい」



「ちなみにこのドーシャは人の体だけではなく、万物に働いているエネルギーですから、すべてのものに見出すことができます。

例えば、水気の少ないクラッカーはヴァータを、辛味が強いカレーはピッタを、甘く油分が多いケーキはカパの質を多く持つということ。
風の強い日にずっと外出をしていればヴァータが上がり、アイスクリームやケーキを食べればカパが上がる、といった具合です。

いずれかのエネルギーが上がりすぎると、その部分が乱れているということになるので、そのエネルギーを整えることが重要になってきます」



「これからお話しする "移動" に関係するのは風のエネルギー。


「ヴァータ」と呼ばれる風のエネルギーの一番の特徴は、軽くてよく動くこと。ですから、ヴァータが多い人は、用事がなくても出かけたい、移動自体が好きな人。私はカパ・ヴァータの体質ですので、運転したいがために出かけるなんてこともしばしば。

先ほどまとめた特徴に加え、『せっかち、気分がコロコロ変わる、好奇心旺盛、乾燥肌、緊張しやすい、痩せ型、夜更かし傾向』など、当てはまるものが多い人は、ヴァータ体質かもしれません。
 

反対にヴァータが少なめの人は、外出するのは嫌いじゃないけれど目的があるから行く、または用事がなければ家にいたい人、という傾向にあります。
 
つまり、もともとヴァータ体質の人は移動を楽しめるでしょうし、移動すること自体でヴァータが上がるので、どんな体質にせよ移動によって上がり過ぎたヴァータのエネルギーを整えてあげることが大切なんですよ。

後編では具体的に移動疲れの予防や回復方法をお伝えしますね。どうぞお楽しみに」



うかがった人

高瀬媛子 / アーユルヴェーダな女優

女優として作品出演はもちろん、アーユルヴェーダをベースとしたライフスタイルの提案、料理教室の講師やレシピ執筆など食にまつわるプロジェクトにも多数携わっている。


 
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この記事のライター

Yu
Yu

趣味は見ることと食べること。 アート/民藝/工芸/古いもの、食、ナチュラルケアやセラピーに興味があります。 美術大学卒業後、プロダクトの企画や暮らし周りの編集に携わってきました。

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