Yu Yu 2019/03/18

植物と暮らす おうち時間 第12回 アーティスト / MOMOCAさん



『植物と暮らす おうち時間』。今回ご登場いただくのはアーティストのMOMOCAさんです。

MOMOCAさんはカリフォルニアのバークレーを拠点としつつ、世界を旅しながら暮らしています。

最近では、紙を使った室内空間の装飾や作品を通して、世界中で活躍の幅を広げていらっしゃるMOMOCAさんに植物との関わりをお伺いしました。


軽やかに強く。世界を旅するMOMOCAさんと植物の毎日




日本人であるMOMOCAさんがバークレーを拠点にするまでの経緯を教えてください。

「私は日本で生まれ育ち、人形のドレスやアクセサリー作りを楽しむ幼少期を過ごしました。

高校で服飾デザイン科を専攻した後、知らない世界を見てみたいと単身カリフォルニアへ美術を学ぶために移住。

カレッジでアートを学んだのち、自らデザインとプロデュースを手掛けた帽子や洋服のお店をバークレーで10年間経営していた時期もあります」



どのような作品を手がけていますか。

「現在はインスタレーションや、空間の装飾プロデュースを手がけることが多いですね。

地産地消のオーガニックレストランとして世界的に有名な、〈シェパニース〉のチャリティイベントの装飾をここ数年間は手がけています。

紙を素材に、野菜や果物のオブジェクトを制作し、カリフォルニアや日本のお店で販売をすることもありますが、基本的に空間プロデュースと個展が主です。

絵や印刷、他にも陶芸、写真、帽子や洋服など、好奇心と直感とご縁に導かれて様々なものを手がけてきました」



〈シェパニース〉のイベントで、空間の装飾をしたことが一つのターニングポイントでもあるMOMOCAさん。
毎年手がけているのはどのようなイベントなんですか。


「オーナーのアリスウォーターさんが "すべての子どもたちに学校菜園を" というコンセプトで活動している『エディブル・スクールヤード・プロジェクト』のチャリティイベントです。

飾りを依頼された際、すでに慣れ親しんでいた帽子や服のパターン製作用紙で立体的な野菜を作り、1階のレストランを装飾しました。

その演出がたくさんのお褒めの言葉を頂いた事が素敵な機会となりました。それから『紙』が創作への情熱の源となっています」



MOMOCAさんは、どうして旅を続けるのですか。

「旅に出る事は私にとって自然な事で、生きて行く為に食事をしたり、お仕事をしたりするのが当然の様に、旅をする事も大切なひとつです。

最近はバークレーに居る際にプロジェクトに集中して取り掛かるので、合間に時間を見つけては旅をすることが多いです。旅をする事でインスピレーションを受けて、美の感度を磨いているのだと思います。

見知らぬ国へ行くことも、既に訪れた土地を深く知る為に再び訪れることも、その時によって様々です」



「今は本や雑誌、インターネットなどでどんな情報も得る事が出来るので、知識はいくらでも手に入りますが、
私にとって旅ほど感度を磨いてくれる機会はないと思っています。

その土地で暮らす人々の装い、手作りのぬくもりのあるフォークアートやテキスタイル、文化により大きく違う人々の立ち振る舞い方や考え方から沢山の学びを得ています。

また、旅先でアートプロジェクトをする機会にも巡りあえています」



「最近ではパリの老舗ストーブ社〈La Cornue〉のショールームの装飾や、日本でもイベントを開催しました。

自然とご縁が生まれて黒磯の〈NASU SHOZO CAFE〉や中目黒の〈dessin〉での個展、他にもいくつかのワークショップをするなど、滞在中はイベントが目白押しの忙しくも楽しい一時帰国となりました」



旅に出る機会が多いと、植物を育てることはあまりないのでしょうか。

「そうですね。最近は長旅にでることが多いので、鉢植えのような植物はあまり育てていません。

ただ植物は好きなので、切り花を楽しんだり、ドライになった後も壁に飾ったり、水なしの花瓶に挿したりしています」



「12年ほど陶芸をしていた頃に制作した花瓶がいくつもあるのですが、最近はシンプルで繊細なガラスの花瓶がお気に入りです。

お部屋にいきいきした切花、ドライフラワー、アンティークのベルベットのお花、そして自作のペーパーフラワーが一緒に飾ってある光景が好きです」

好きな植物はありますか。

「植物はインスピレーションの源なので、どれも魅力的に感じるのですが、特に好きな3つをご紹介しますね。

まずはハートカズラ。蔦がかわいいですし、途中で切り、株分けして友人にプレゼントすることも」



「他には、八重咲きの芍薬が好きです。以前住んでいた家のお庭でも育てていました。

沢山の花びらが力強くまん丸に咲き、まるで毛糸のポンポンのよう。散る姿の豪快さも魅力的ですね。

切り花を飾る際は、花びらが散った後も数日間そのままにして、だんだんと萎れていく様子を観察するのも好きです」



「純白の八重の花びらが可憐なオールドローズのマダムハーディーも好きです。

シトラスのような強い香りで、一瞬で幸せな気持ちにさせてくれるんです。毎年5月に友人のお庭に咲くのを楽しみにしています」



植物からどのような制作のインスピレーションを受け取りますか。

「紙でお花や野菜、果物を製作する際のパターン作りには、それぞれのもつ曲線などをいつも観察して活かしています。

旅先ではその土地で巡り合ったお花にインスピレーションを受けて描く事が多く、お花の繊細さやたくましさなど、それぞれの要素を感じ取るのも楽しみの一つです。

なので、旅先では初めて見た植物を押し花にして持ち歩いていることも多いです。その土地ならではの植物を道端で見つけたり、植物園へ行ったりするのも好きです」



家や滞在先ではどのように過ごすのが好きですか。

「どこにいても毎日ノートに思いを綴っています。感じている事、嬉しい出来事や感謝の気持ち、計画やアイデアなどを書いています。

他には読書、セルフマッサージ、メディテーション(瞑想)、入浴、音楽を聴きながら踊っていることも多いです。いつでもご機嫌で、気持ちの良い状態でいるのが私にとって大切なことなんです」




自由であり続けるために、考え、動くことの強さをMOMOCAさんはいつも教えてくれます。
芯のある女性でありながらも、軽やかで柔らかい面を持っているのは、いく先々で出あう植物の有機的な部分をいつも感じ取っているからかもしれません。





うかがった人

MOMOCA / アーティスト

カリフォルニアでアートを学び、帽子や洋服のデザインに携わったのち、最近では紙に魅了され主に野菜や果物、植物の立体制作や空間の装飾を手がけている。
旅に出ることをライフワークとし、世界中を飛び回りながら、制作活動を続ける。

www.momoca.com
Instagram @_momoca_
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この記事のライター

Yu
Yu

趣味は見ることと食べること。 アート/民藝/工芸/古いもの、食、ナチュラルケアやセラピーに興味があります。 美術大学卒業後、プロダクトの企画や暮らし周りの編集に携わってきました。

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