植物生活編集部 植物生活編集部 2019/03/23

Botanical TRIP 私の好きな、地元のこと。#09 ヨーロッパ アロマセラピストが巡るアロマ・ハーブの旅


海外、街、自然、いろんなものごとに刺激を得ながら
創作を形にしていく過程。
その源を探る旅に出てみます。
その名も「ボタニカル・トリップ」
今回は、アロマセラピストが巡るアロマ・ハーブの旅。
ヨーロッパ・ボタニカルトリップ編です。
 

Botanical TRIP vol.9
ヨーロッパ
アロマセラピストが巡るアロマ・ハーブの旅




今回のボタニカルトリップは、植物生活ボタニカルラボのアロマ部で大人気の山野辺喜子さんのアロマ・ハーブを巡る旅です。
フランスとドイツにて、現地での「ヨーロピアンの生活に根ざすアロマ活用術」をたどります。

 

フランス・パリ編

訪れたのは、フランス・パリ。
パリでは日常生活に、どのようにアロマが取り入れられているのでしょうか。
アロマ・材料販売店など 様々なアロマショップ見学からレストラン、薬局までアロマ目線でボタニカルトリップをしました。



まず伺ったのは、日本国内にも店舗がある、調香師DAAN SINSさんの店「HUYGENS(ホイヘンス)」。



オーガニックコスメと精油の「Florame(フローラム)」。

ホイヘンスもフローラムも店舗には専門家が必ずいて、好みや使うシーンに合わせた香りの提案をしてくれます。
ホイヘンスにはオーガニックコスメとフレグランスなどが売っていますが、日本での「フレグランス=香りのインテリア」というイメージよりは、「民間療法として悩みを解決するもの」されています。

 

パリ市内のハーブ薬局 

パリ市内のハーブのお店は、薬局という位置づけです。
アロマオイルなどをインテリアグッズとして利用する目的だけではなく、ハーバリストと呼ばれる薬剤師的な存在の人がいます。
店によって取り扱う商品に特徴があり、好きなハーバリストを目指して行く人もいるほど、医療的な目的でも根付いています。


ハーブ薬局 HERBORISTRIE


今回、特に気になったのはハーバリスト・ステファンの店。

パロサントと呼ばれる香木やリコリスという舐めると甘い木があったり。
日本では見かけないもので溢れています。

香木・パロサント


ハーブ・リコリス




お客さんはステファンさんに話を聞いて欲しくて来店していることがほとんどだとか。
私が店内にいる間も、ひっきりなしにお客さんが来て彼に体調のことを相談しては、必要なハーブを購入して行く。
そんな光景を目の当たりにしました。
皆さん、パッケージの商品ではなく、彼が調合するものを希望しているようでした。




アロマやハーブの知識だけではなく、彼が持つ、何か特別なエネルギーのようなものを感じます。
パリでは、皆がこういったハーブでの療法を希望するわけではなく、現代医療を取り入れる人ももちろん多いです。

ハーブやアロマも万能ではないので、「どのように自分の身体を整えていくか」を自分の頭で考え、「選択」をしていくことが大切だと感じます。
 

パリで活躍する日本人シェフ田中淳さんのお店へ


斬新に盛りつけたられたお料理には、ゆずやマジョラム、パインツリーなどが添えられています。
私は、ハーブの薬効と香りの癒し効果を学んでいますが、
今回、田中シェフの料理から、見た目を彩る美しさやハーブの香りをソースに移す楽しみ方も教わりました。
ワインのペアリングも最高で大満足です!



ハーブの香りをソースに移す。
 

普通の薬局も

アロマオイルは、日本では癒しや香りを楽しむ雑貨品扱いですが、フランスでは一般の薬局でも販売していて民間薬として扱われています。
夜寝付けない時にはラベンダー、肌あれにはカモミール、風邪をひいたらユーカリというように。

その分メディカルグレードと呼ばれる、高品質な物が多いですから、成分はきちんと分析され、構成成分や産地、抽出部位なども表示されています。

私が日本で運営しているフレグランスイエスでも、いちばん出番が多いのはやはりラベンダー。
寝付けない夜だけでなく、メンタル面ではリラックス効果があり、スキンケアにも役立ちます。

 

インテリア業界の「パリコレ」 メゾン・エ・オブジェへ

インテリアの祭典ですが、その中にハーブや植物がインテリアとして多用されていました。
体の中だけでなく、見た目の癒しでも必要とされているのを感じます。





 

ドイツ・ケルン編

旅はフランスからドイツへ向かいます。
香水発祥の地といわれているケルンに到着。
香水博物館やケルンの水(最古の香水)取扱店を訪ねました。

ケルンとは、コロンの語源です。
最古の香水といわれるものは、
調香師がベルガモットやローズマリーなどのアロマを使い作られたもの。
材料の香りを嗅がせてもらい、そのヒストリーを聞きました。

ケルンの水のショップ


ケルン香水博物館


香水は、かつては香りを楽しむより、薬として使われたらしいのです。
かの皇帝ナポレオンは、1日に1瓶使っていたとか。
ローズマリーは現代のアロマ業界では集中、頭脳明晰作用と言われていますが、
当時は「聖母マリアの水」といわれ、若返りや滋養強壮を期待されていたそうです。
それゆえ、ナポレオンは1日1本も飲んだのかもしれませんね。

テスティングをして香りの成分をあてるチャレンジができるのですが
一般のお客様はそれぞれの香りを当てるのは難しいようでした。
そんなおもしろいイベントを行っているんですね。


ケルンの水


 

アポテーケといわれる調剤薬局めぐり

ドイツはアロマを医療用に使うことでも有名ですが、日本の倍、薬が出回っているという説もあるくらいです。
その一方、ハーブ大国でもあり、自然療法やハーブ療法の歴史も長いです。

ドラッグストアには、ハーブティーや植物由来のサプリメントが豊富。
日本でもメジャーなヴェレダやバッチフラワーレメディもありました。

ドイツのアポテーケ




今回の旅では、自然療法を仕事にされている人とつながることもでき、またアロマの奥深さを実感しました。
今まで深くは知らなかった療法に出会う、学び直すきっかけも得られました。
ピプノセラピー、フラワーレメディ、ホメオパシーは有名ですが、ハイルプラクティカーというドイツの国家資格、医療従事者の職業の方がいます。

彼らのルーツをしっかりと学び、私のフレグランスイエスの活動にも、商品にも反映させていけたらと思います。

今まで足を運んで来たフランス・イタリアとはまた違う印象があり、
夏にはヒルデガルドという自然療法の母、彼女にまつわる土地をめぐるため、再度改めて訪れたいと思っています。

 

メディカルアロマの域を超えて

今回のフランス、ドイツ・ボタニカルトリップで感じたことは、植物を活用するには、やはりスペシャリストの力が必要だということです。
日本では、このスペシャリストの存在がなかなか知られていないのが現状です。
少し残念だなと思いつつ、私にできることは何があるだろうか……、そんな思いを胸に帰国しました。

今まで、私はメディカルアロマのスペシャリストとして活動してきました。
その枠を、取り払っていく試みをする時期かもしれません。

5月には東京・赤坂に新しいお店をオープンすることになりました。
ここでは、メディカルアロマの枠を超えて、世界を旅して見つけてきた「人々に根ざす生活の知恵」をみなさんが体感できるような場にしたいと思っています。絶賛準備中ですので、ご期待ください。

撮影・文/山野辺 喜子




旅した人
山野辺 喜子 Yoshiko Yamanobe
アロマセラピスト・フレグランスコーディネーター
福島県いわき市出身。2004年自身のアレルギー改善のためアロマセラピー・食事療法・体質改善などを学び始める。また、家族の病を機に、整体・アロマトリートメント・介護などの技術も習得。身につけた知識や技術、実体験を活かし、心身を癒すセラピストとして活動を展開。
ジュリークサロンPalais原宿店、パークホテル東京THANN SANCTUARY、
Palais Aromaスクールにて、セラピスト・マネージャー・技術トレーナー・スクール講師を経験。

2014年オリジナルブランド “fragrance label yes”をスタート。アロマやハーブなどの天然素材にこだわり “オリジナルフレグランス” を調合するサービスや、アロマクリーム作りワークショップ、香りの空間演出などを行う。

2015年東京・世田谷に -ハーバルラボ- をオープン。全国各地でのワークショップや、様々なアーティストとのコラボレーションイベントによって活動の幅を広げている。

http://fragrance-yes.com


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