吉野みゆき 吉野みゆき 2019/05/18

有機的里山暮らし<vol.5>緑の常備薬

都心から、山と湖のある町に移住したのは10年前のこと。
自然に魅了され、触れ合ううちに、いつしか植物との関係は切っても切れないものになりました。
ふと気がつけば、自然と共にあって、植物の恩恵をうけている里山暮らしの、ちいさな、ちいさな楽しみを連載しています。


我が家の常備薬。

出産がきっかけだったか、薬にはなるべく頼りたくないなぁ、と思っています。
まずは生活習慣を整えることが、一番の予防というのは、育児をしながら学びました。
とはいえ、小さい子のいる暮らしには、ちょっとした怪我や病気は絶えず……。
辛い症状があった時には、植物の力を借りて軽減する方法を、いろいろと試してきました。
都心にいた頃は、ホメオパシーが助けになりましたが、里山暮らしでは入手困難になってしまって、さてさてどうしたものかなぁ、と思っていた矢先、食養生の先生とのご縁がありました。

自然の中で、採取して、キッチンで作れる緑のお薬、それはそれは楽しくて、子ども達と遊びながら、いろいろ作って試してみました。
驚く事に、薬を買うより、薬草を手に入れることの方が、簡単だったのです。

その中でも手放せない存在になった、我家の常備薬を3つ、ご紹介しますね。
これさえあれば、健やかな体を保てると思っている、私のお気に入りです。


その1 びわの葉エキス

『びわの葉、使いますか?ちょうど剪定したところでね。』
うれしい声が、去年もかかりました。
古来より、様々な力がある事で知られている、びわの木は、昔はよくお寺に植えられ、お坊さんが病人に処方していたそう。あらゆる不調を改善すると言われていて、葉や種はいろいろな民間療法に使われています。

我が家では、簡単に作れる、びわの葉エキスを時々作り、主に皮膚用に使っています。
このエキスの力はバツグンで、小さい頃、肌が弱かった息子は、とびひ、あせも、虫刺され、やけど、かぶれなど、本当に良くお世話になっていました。
抗生物質の軟膏も不要になり、ありがたかった。

私は、打撲、捻挫にも塗っていて、喉が痛い時、薄めてうがいにも使います。


びわの葉エキスの作り方

1:なるべく厚みがあってごわごわしていて、色が濃い、古い葉に力があります。葉を、裏の毛をこすり取るように、良く洗います。



2:水気が無くなるまでよく干します。時間がない時は、このまま乾燥させても大丈夫。



3:びわの葉をキッチンバサミで3センチ角くらいに切り、煮沸消毒した瓶に詰め、ホワイトリカーをひたひたに注ぎます。



4:ウーロン茶のような色になるまで放置します。はい、たったそれだけです。とても簡単ですね。写真奥の瓶は4ヶ月経ったもの。1年くらい経ったら、エキスと葉を分けて保存します。
これからの季節には、スプレーボトルに入れて持ち歩くと、虫刺されなどに重宝します。

アルコールを使っているので、肌の弱い人や、小さなお子さんは様子を見ながら使ってください。
傷口には、しみるので、我が家の子どもたちには、逃げられてしまいます。



その2:梅肉エキス

家の向かいの梅の木に、今年も、青い実がたくさん、つき始めています。
梅肉エキスは、本当は作るたび、ああ、もう作るのやめよう……、来年はと、繰り返し思っています。
梅しごとの中でも、1番の大仕事なのです。
けれども、この梅肉エキスの効果には、ほんとうに惚れ惚れ、1年経てば苦労も忘れ、青梅を見ると、梅肉エキス作らなければ!とまたしても思ってしまっているところです。

その魅力は、食あたり、消化不良などお腹の不調、風邪、疲労、夏バテなどから逃れられること。
耳かき1杯分を舐めるだけという、手軽さで、調子の悪い時には、とても頼りになります。
娘がアメリカ・ニューヨークへ短期留学をした時にも、ボンヌママンの小さなジャム瓶に詰めて、持たせました。
梅干しと共に、一番喜ばれたおみやげだったそうです。
 

梅肉エキスの作り方

 

1:洗った青梅のへたを取り、シャリシャリとすりおろします。梅は、酸性が強いので、セラミックのおろし器を使います。なるべく固い青梅が作りやすいです。

2:布巾ですりおろした梅を包んで、汁を絞り、ホーローの鍋に入れます。汁が出なくなるまで、布巾を一生懸命、かたく絞ります。

3:1、2の作業を繰り返します。途中で、手が痛くなったり、布巾が破けたりしますが、休憩して、また頑張ります!目安は青梅4キロ程、かなりの時間がかかります。



4:弱火にかけ、煮立たないように気をつけながら、煮詰めます。時々、木べらで混ぜる事、3時間くらい。

5:煮詰まって、黒く艶が出たら完成。

6:煮沸した瓶に詰めます。



涼しいところで保管します。
用意した小瓶を満たせませんでしたが、これで1年間、安心。
酸で腐食するのを防ぐために、鉄の蓋の場合、カットしたオーブンペーパーを挟むと良いです。

その3 梅醤番茶

食養生の基本でしょうか?
ちょっと調子が悪いな、風邪ひいたかな、という時にはまず、梅醤番茶を飲みます。
食べ過ぎや消化不良から来ていることが多い、子どもの不調にも、だいたいヒットします。
作り方は、梅干し、醤油、おろし生姜を混ぜたところに、煮出した番茶を注ぐだけ。
私は、小瓶に梅干し、おろし生姜、醤油を混ぜたものをストックしています。

どくだみやスギナのお茶、へびいちごの痒み止め、カリンのうがい薬などなど、他にもあったら嬉しいものはありますが、
だんだんと我が家の常備薬はこの3つに厳選されました。

キッチンで、楽しく、気分は、魔女です。
皆さんも、いかがですか?

文・写真/吉野みゆき


ここまでの連載はこちら


※植物の食養の扱いには専門家の元に、十分注意して行なってください。植物の力の表現についてはあくまでも個人の意見です。
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この記事のライター

吉野みゆき
吉野みゆき

吉野みゆき ファッションスタイリスト、エディターを経て、結婚、二児の母となる。 10年ほど前、都心より、山と湖のある里山に移住。自然と繋がっている、手しごと、美しいもの、素敵なことを研究中。

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