植物生活編集部 植物生活編集部 2019/05/24

続・きょうの花活け  花と鎌倉とウーロンと、ときどき茶話。/vol.12 八重蕺草


vol.12 八重蕺草


こんにちは! CHAJINです。

こちらは、かつて月刊フローリストさんで連載させていただいていた
「花と鎌倉とウーロンと。」のエピソード2……とでも言いましょうか。

季節ごとに出逢う日々の花あしらいについて、
花活けを始めたばかりの植物好きなアラフォー女子のMちゃんに
わかり易~く(時に脱線しながら)お話ししてゆくWEB版の花教室みたいなコーナーです。

また、アトリエのある鎌倉界隈のことや愛猫ウーロンについての茶話も綴っております。

諸々緩さ満載ながら、皆さまの日々の花活けに少しでもお役に立てればうれしいです。
それでは今回もよろしくおねがいします~!
 


この季節ならではの、あの花





CHAJINさん(以下C)「今回はドクダミですね。この写真のドクダミは、実は八重咲きのドクダミなんです」

植物好きなアラフォー女子M(以下M)「八重のドクダミって、あの思っているドクダミと全然雰囲気が違い過ぎてビックリします」

C「そうですね、こう可憐な」

M「可憐で、お上品で……」

C「鎌倉の散歩道で駅まで買いものに行くときにいろんなルートがあるんですけど、この5月くらいのときは通称“おんめさま”って言って大巧寺(だいぎょうじ)っていうお寺が駅の近隣にあるんですけど」

M「大巧寺ですか」

C「その大巧寺ってドクダミにに限らず花の小径みたいなのがあって、三門を入って境内の中を抜けて行くと左右にね、いろんな花が群生していて季節折々に通るとそれぞれ違う風景が楽しめるっていう感じなんです」

M「ほぉ~、贅沢な! いいところですね~」

C「で、5月くらいはその花の小径に行くちょっと手前くらいの本堂のちょい脇に八重ドクダミが群生してる」

M「うわぁ~見たい~~!!!」

C「それがもう、あまりにもかわいくてね……。わぁ~ってなって必ずそこを通るって言うのが5月くらいのお約束になってるんです~」

M「いいなぁ……」

C「花市場でも持ち込みの方で一人(ドクダミを)売ってくださる方がいて」

M「え! 市場で売ってるんですか!」

C「えぇ、でもあんまりバンバン売れるっていう感じでなくて」

M「そうなんですか」

C「僕なんかはまず探しに行くんだけど。行列ができるほど売れるっていう訳ではないのは、あのドクダミのニオイゆえなのかはわからないですけど、僕は結構昔から大好きで」

M「はい」

C「今回は八重だけど、一重の、いわゆる道端に咲いているものでさえ、すごく好きなんですね」

M「そうなんですね!」

C「これは……ちょっと記事に書けるかわからないんですけど(苦笑)、まだ僕が若かりしころ某雑誌でドクダミを撮影で使いたいって言ったときにドクダミはイメージ的な問題があって却下になったことがあって」

M「なんと」

C「それがすごく残念だなっていう気持ちがあって……」

M「あら……」

C「それを何年か経て、フローリスト(植物生活の姉妹紙である花の月刊誌ですっ!)さんで自分の連載で活けさせてもらって“さすがフローリストさん!”って(笑)」

M「あら、なるほど~~~~(笑)」

C「この話書けるのかな(笑)。でもドクダミの花は一重も大好きだし、八重の可憐な小花ながら品がよかったりするところとかどっちも好きで。まぁニオイは確かにね、あるんだけど」

M「でもあのニオイも、なんかこの季節きたなっていう感じがして嫌いではないです」

C「そうなんだよね、受け取り方というか。とにかくドクダミって完璧じゃなくて」

M「ちょっと愛嬌のある、抜け感というか」

C「そう、そこがさらに愛おしいみたいな。どの花も季節限定なんだけれど、やっぱり新緑のころに白いスズランとも違う、なんともいえない表情とハート形の葉っぱみたいな……そんなドクダミが群生しているのを見ると初夏を感じたりとか」

M「ふんふん」

C「だから、5月の中でドクダミを見ずして5月が過ぎ去るのは……そういう訳にはいかないなっていう感じです」

M「なるほどです。なんか葉っぱハート形っていうのもなかなかカワイイですよね」

C「そうなんですよね、一重の方なんてとくにハート形がわかりやすくて。あの葉っぱも活けていてすごく惹かれるというか。あの葉っぱあっての花との兼ね合いというか」

M「いいですよね、この葉っぱ!」

C「本当にここまで好きだったらあのニオイもいい香りに感じてくる(笑)」

M「“あばたもえくぼ”的な(笑)。そういえばこれは普通にサクッと活けてるだけですか?」

C「えっとこれはね、フチのところにある程度重ねていくように活けると、割りとキュッとなる感じですね」

M「なるほど」

C「あとは自然な垂れ加減というか」

M「(メモメモ)」

C「ちなみにこの器は伊賀焼きっていう器で、確か土器なんですけど。釉薬を使っていないので器が呼吸をするっていうか」

M「ちょっとザラッとした質感でいいですね」

C「花保ちも込みでこの季節おすすめの器です。でもドクダミはあんまり花屋さんでは並ばないので、この季節はどうぞ下を向いて歩いてください!」

M「危なくない程度に下を向いてドクダミを探してみます!」

C「気持ちは上を向いて、目線は下を向いて歩いてください(笑)」

M「はい!」


ドクダミってあの独特のニオイからか
敬遠されがちですが
よくよく見るとこんなにもカワイイ。
CHAJINさんの花活けで気づかせていただきました。
カワイイよ、ドクダミ!!!(byM)



鎌倉と、




緑の小径


Mちゃんとの花談義(上記)後も折につけ、大巧寺の花小径(写真右)を通っていますが、
この原稿を書いている時点では、まだ八重ドクダミの花は開花しておらず(写真左)で。
八重ドクダミに限らずとも、境内に植栽された花々は、ちょうど次の開花を待つタイミングのようでした。
新緑の季節ということで、花は控えめな緑づくしの風景もまた良し、といったところですね。
 

ときどき茶話、




蕺草蛇苺​​​​​​​

わが家には八重ドクダミは無く残念なのですが、
普通のドクダミは放っておいても、これでもかっ!と生えてきます。
花談義でも先述した通りで、この白花もハート形の葉も好きなので、個人的には嬉しい限りです。

今年はわが家のドクダミの花もまだのぞいておらず、
その前にヘビイチゴの小さな赤い実が顔を出し始めました。
この写真は以前のものですが、今夏もこのくらいの大きさまでにはなるだろうと夢想中。
ドクダミとヘビイチゴが織りなす風景もこれから楽しみな季節です。

関係ないけど、ドクダミ&ヘビイチゴって、プロレスの悪役タッグチームみたいですね!
プロレス好きなもので、つい……(笑)。


プロフィール

CHAJIN/チャジン




フラワーアーティスト。
ORIGINAL FLOWER STYLE CHAJIN 主宰。

暮らしまわりの雑貨と季節の花を合わせ、個性的でありながらもカジュアルな花あしらい、存在感あるリースの作品が得意技。
雑誌や広告の花活け、店舗や温泉宿のディスプレイ、展示会の花活けの他、鎌倉のアトリエや、池袋コミュニティカレッジ、NHKカルチャー青山教室、NHKカルチャー横浜ランドマーク教室、二子玉川高島屋S.C教室ほか、都内各所で開催中の花教室も人気。
著書に『きょうの花活け』(誠文堂新光社刊)、『花活けのココロ』(主婦と生活社刊)、『小さな花あしらいと12ヶ月の花の話』、『季節の花でつくる12ヶ月のリース』(ともに芸文社刊)がある。
紅茶好きでプロレス好きで愛猫家。鎌倉在住。 

インスタグラム instagram.com/chajin_eye


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「植物生活」とは花や植物を中心とした情報をお届けするメディアです。 「NOTHING BUT FLOWERS」をコンセプトに専門的な花や植物の育てかた、飾り方、フラワーアート情報、園芸情報、アレンジメント、おすすめ花屋さん情報などを発信します。

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