植物生活編集部 植物生活編集部 2週間前

Botanical TRIP 私の好きな、地元のこと。#10 「七島イ」九州 大分国東市


海外、街、自然、いろんなものごとに刺激を得ながら
創作を形にしていく過程。
その源を探る旅に出てみます。
その名も「ボタニカル・トリップ」
今回のボタニカルトリップは、
琉球畳の素材である、七島イ(シチトウイ)の産地へ。
九州は大分県の国東市を旅します。
 

Botanical TRIP vol.10
七島イの産地





七島イとは、大分県の国東市でのみ生育されているカヤツリグサ科の植物で、節のない高さ1mほどの長い茎丈を持ちます。
別名を琉球イとも言い、縁なし畳で有名な琉球畳の素材になります。

通常の畳に用いられるイ草と異なり、茎の断面が三角形であることから、三角イと呼ばれることもあるそうです。



七島イの栽培から畳の製織までの工程は、そのほとんどが手作業。
できた畳はイ草に比べ5倍以上の強度をもち、使い込むほどツヤが出て暖かみのある風合いになることから、根強い人気を誇ります。

江戸時代にはその生産は盛んでしたが、機械化が難しく農作業の負担も大きい七島イは、現在日本では生産農家はわずか7戸ほど。

伝統を守り続ける職人さんのもとを訪ねました。



職人の手触り、肌感覚で畳表(たたみおもて)を整えていく様子。

長年培ってきた技術で、丁寧に手早く作業をこなしていきます。
熟練の人でも、七島イの畳表を編み上げるのは1日に2畳程度が限度だそう。
非常に貴重な一畳です。




織機に七島イを差し入れていくのも職人の手作業。
一枚の畳を端から端まで平行に織るためには、一本ずつ向きを変えながら整えていかねばなりません。
 


断面が三角形の七島イは、丸形のイ草の畳に比べ隙間なく詰めていくことができます。
それにより触り心地が柔らかく、かつ頑丈な畳になるそうです。

非常に丈夫で香り高い七島イは、近年畳表以外の工芸品などにも利用されてきており、その価値が再認識されています。
そのため生産が追いつかない状態にあるそうです。

畳表以外の商品の制作過程を拝見しました。
なんと、七島イをインソールとしてあしらったスポーツサンダルです。
 


丁寧に編み上げた畳表の生地を、足型に裁断。
歪みなく真っ直ぐ畳の目が並ぶように切り取っています。



畳縁を縫い付けるようにして、足型の畳の縁を整えます。

こうして出来た足型の七島イをインソールとしてあしらったスポーツサンダル、その名も『SHITOI(シトイ)』。
植物の強さと柔らかな肌触りを素足で感じることができます。
一つのいいものを長く使う。
そんな日本の「物を大切にする文化」が七島イを通じて再び歩き出そうとしています。



web
https://shitoi.jp/
shop
https://shitoikunisaki.stores.jp/
Instagram@shitoi_kunisaki
facebook@shitoi.kunisaki

旅した人
莉花
1986年静岡生まれ。幼少期よりガーデニング好きの母の影響で生け花・フラワーアレンジメントなどを通し、植物と触れ合って育つ。 見る・育てる・愛でる・味わう・香る…様々な視点で植物を捉え、企業やクリエイターをマッチングさせ植物の可能性を広げる試みを行っている。
https://shokubutsuseikatsu.jp/



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