水鳥るみ 水鳥るみ 52ヶ月前

ウェディングストーリーズ〈vol.13〉ハレの日から、ケの日まで。日々の幸せに寄り添う“街のお花屋さん”/凜

花屋「凜」がデザインした白いウェディングブーケ
ウェディングストーリーズ vol.13

新郎新婦の思いをカタチにした“世界にたったひとつ”のウェディングブーケ。それを束ねるフローリストは、どんな思いでブーケをデザインしているのでしょうか。インスピレーションの源やこだわりを取材しました。

◆◇◆

東京・駒沢大学駅近くの花屋「凜」の店内写真
店頭に並ぶ紫陽花をかき分けるように奥へ進むと、そこは一面の花、花、花!
まるで「私を見て!」と言わんばかりに、美しい花たちが一斉に語りかけてくるようです。

ここは、東京・駒沢大学駅近くにある花屋「凜(りん)」。花市場に近いこの場所にオープンして14年、街ゆく人の暮らしを彩ってきました。

取材の途中にも、度々お客様が訪れては、店員さんとじっくり話しながら、時間をかけて花を選ぶ姿が。「行きつけのレストランや、かかりつけのお医者さんみたいに、誰かの人生に寄り添う花屋でありたい」と、オーナーの穂積(ほづみ)さんは考えています。

フローリストとして長いキャリアを持つ穂積さんですが、いまだにウェディングフラワーをプロデュースするときは、責任の重さに身が引き締まる思いなのだそう。新郎新婦の希望を全力で叶えるべく、ふたりの好みをとことん聞き出すスタイルで、これまでに多くのカップルの晴れ舞台を演出してきました。
ダリアを使った紅白のウェディングブーケ

花嫁さんの人となりを表す“ワンカラー”のブーケ

中でも人気なのが、写真にある通り、大振りのダリアを使ったブーケ。
和風の「ボールブーケ」にするもよし、洋風の「キャスケード」に仕上げるもよし。群を抜くボリューム感と、丸みを帯びたかわいいシルエットで、ウェディングシーンに華を添えます。

花嫁さんの好きな色をミックスするのもいいけれど、あえてひとつのカラーに絞るのもおすすめ。「ワンカラーのブーケは、持つ人の人柄をよく表し、垢抜けた印象に仕上がります」と、穂積さんも太鼓判を押します。
ピンクのバラを使ったウェディングブーケ

色のグラデーションやトーンで差をつけるバラのブーケ

ダリアと並んで、ウェディングシーンで絶大な人気を誇る花のひとつ、バラ。色や品種によってイメージがガラリと変わるバラは、フェミニンテイストからアンティークテイストまで、自由な表現が可能です。

ワンカラーでは少し物足りないという方には、写真左のように同系色をミックスして、グラデーションを作るのがおすすめ。ほんのりとブルーを帯びたピンクをテーマにすれば、甘すぎず涼やかな雰囲気を演出できます。

色のトーンを抑えれば、写真右のようにクラシカルなテイストに様変わり。スプレーバラにトルコキキョウ、あじさい、アスチルベなど色々な花材をミックスすることで、ワンカラーの中に独特のリズム感を表現しています。

芍薬(ピオニー)とゆりのキャスケードブーケ

華やかで軽やかなキャスケードブーケ

花嫁さんが手に持つ瞬間に、初めて完成をみるウェディングブーケ。だからこそ、穂積さんは「360度、どこからでもきれいに見えるように、裏側やサイド、散らす花にも最新の注意を払ってブーケをデザインします」

例えば、こちらは芍薬やゆりをメインにしたキャスケードブーケ。その裾の部分に、穂積さんのこだわりが滲んでいるように感じました。

「下にいくにつれて花が小さくなるよう調整したり、つぼみを混ぜたりしています。花嫁さんが歩く度に、ふわりと動くように。裾が重くなりすぎないよう、軽やかなぬけ感を大切にしています」
シャンペトル(田舎風)のウェディングブーケ

自然の魅力をそのまま束ねたシャンペトルブーケ

ラウンドやキャスケードなどの王道スタイルはもちろんのこと、穂積さんがアレンジする「シャンペトルブーケ」も魅力たっぷり! 「シャンペトル」とは、フランス語で「田舎風」という意味。野に咲く花を摘んで束ねたようなナチュラルな雰囲気が、今どきの花嫁さんに大人気です。

「自然体の花の魅力が詰まったブーケに、ずっと惹かれてきました。ステキなブーケを作るには自分たちのデザイン力というのも必要ですが、一番は花材が大事。見方になってくれる花を手に入れることが、何より大切なんです」

写真のブーケは、たまたまお店にあった花を使って、パパっと束ねたものなんだそう。店内から溢れんばかりの無数の花こそが、ステキなデザインを生み出すインスピレーションの源です。

お客様の声と真摯に向き合いつつ、花の声をしっかり聞くのが穂積さんのこだわり。ウェディングの相談はもちろん、誕生日や記念日、日々を彩る花の相談まで、ぜひ「凜」を頼ってみてはいかがですか?

花屋「凜」代表の穂積 木綿子 (ほづみ ゆうこ)さん
■ショップ情報

・代表:穂積 木綿子 (ほづみ ゆうこ) 
・店舗名:凜(りん)
・URL:https://www.hanaya-rin.com/
・Instagram:https://www.instagram.com/flowershop_rin/
・住所:東京都世田谷区上馬4-7-7 エクセレント駒沢 1F
・営業日時:    10:00~18:30(通年)※年始のみお休み
・ブーケの価格:10,000~
・対応地域:都内近郊(応相談)
 
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この記事のライター

水鳥るみ
水鳥るみ

都内在住のフリーランスライター。 現在は、ウェディング関係のお仕事をメインに、年間30組以上の新婚カップルをインタビューし、挙式当日のレポを執筆。 ウェディングシーンに欠かせないフラワーアレンジメントについて、そのトレンドやショップ情報を詳しくご紹介します。

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