植物生活編集部 植物生活編集部 2019/06/21

続・きょうの花活け  花と鎌倉とウーロンと、ときどき茶話。/vol.14 丸紫陽花


vol.14 丸紫陽花


こんにちは! CHAJINです。

こちらは、かつて月刊フローリストさんで連載させていただいていた
「花と鎌倉とウーロンと。」のエピソード2……とでも言いましょうか。

季節ごとに出逢う日々の花あしらいについて、
花活けを始めたばかりの植物好きなアラフォー女子のMちゃんに
わかり易~く(時に脱線しながら)お話ししてゆくWEB版の花教室みたいなコーナーです。

また、アトリエのある鎌倉界隈のことや愛猫ウーロンについての茶話も綴っております。

諸々緩さ満載ながら、皆さまの日々の花活けに少しでもお役に立てればうれしいです。
それでは今回もよろしくおねがいします~!
 


花と




CHAJINさん(以下C)「6月ということで、世の中的には梅雨なので、アジサイとかそういうのもイメージがわく花だと思うんですけど」

植物好きなアラフォー女子M(以下M)「はい」

C「(前回のバラに続いて)また鎌倉の話になっちゃうけど……鎌倉だとアジサイの見どころが3箇所くらいあって」

M「ありますよね」

C「ゴールデン(ウィーク)も相当ごった返したんだけど、もう一回、アジサイの時季にまたごった返す」

M「すごいですよね!」

C「まぁ、たとえば横須賀線で東京から来ると、手前の北鎌倉でアジサイ寺 明月院があって」

M「はい」

あとは長谷に長谷寺」

M「ふんふん」

C「あとは極楽寺あたりに成就院というのがあって」

M「はい」

C「そこが三大アジサイ見どころテンプルみたいな感じになってるんですよね」

M「おお、テンプル。それだけあったら鎌倉、まぁ混みますよね」

C「はい。なのでアジサイの混雑のイメージがあるのであまり見どころのある寺には、僕なんかは久しく行ってないんですけど」

M「うんうん」

C「ただ花教室とかだと、やっぱり季節柄アジサイをご用意することが多くて。っていうことで今回はアジサイなんですけど」

M「ねぇ、きれいですよねぇ……。この写真で言うと、この緑のコレがアジサイですか?」

C「そうです、そっちがアジサイですね」

M「ほぉ~」

C「アジサイですって言っておきながら、半分以上はバラが入ってるんでアレなんですけど(苦笑)」

M「おぉ(苦笑)。あれ、この青いのもアジサイですか?」

C「それはね、そう、アジサイの仲間っていうか常山(ジョウザン)っていって。ちょっとこれは調べなくちゃいけないけど。(※調べたところ、アジサイ科で“ジョウザンアジサイ”とも呼ばれているそうです!by編集部)」

M「でもなんか、アジサイっぽい形をしてますよね」

C「で、季節的にアジサイだとか言いながらもまた別の角度で言うと、花市場なんかは6月って言うとジューンブライドで」

M「ほ~」

C「とくに金曜日の仕入れとかでウエディングの専門の花屋さんは、結構緊張感のある月だと思うんですけど」

M「ふんふん」

C「ウエディングの盛んな時期でもあるので、今回のテーマはアジサイではあるんですが、ウエディングブーケっていう形になってます」

M「なるほど!」

C「これもね、作品自体はちょっと古い作品なんだけど……。って言うのは、僕自身がウエディングから大分離れてしまって久しくて」

M「えぇ」

C「チャジンをはじめたころは、結構3会場くらいを週末になると掛け持ちして、装飾もしてブーケも作って2日くらい徹夜でっていう働き方をしてたんですけど」

M「ハードですね……」

C「それはもう若かりし頃のアレで、いまやれって言われたら倒れちゃう(笑)」

M「あぁ、それはお止めしたいです(笑)」

C「なのでウエディングから足を洗って長いので、昨今のウエディングって言ったらまた違うんでしょうけど、もしかしたらブーケの作り方も大分違うと思うのでこういうブーケが果たしていまのウエディングシーンに合うのかわからないけど」

C「でも、ラウンドっていうブーケはもしかしたら、ね、永遠の定番みたいなところはあるので」

M「いいですよね、ラウンドブーケ」

C「アジサイのそもそもの花姿が丸みを帯びた形なので」

M「そうですね」

C「(ラウンドブーケの形は)ちょっとそれに倣っている部分もあるし」

M「なるほど~!」

C「あと使っているのが確か、ブルゴーニュっていうバラで。それとオランダアジサイと常山。このごろではアジサイをブーケに使うことはそんなに“ちょっと待った~”ってことはないと思うんだけど」

M「ふんふんふん」

C「昔、僕が地方の温泉宿で花活けをしてたときにたまたま聞いた話があって。アジサイの花言葉が“心変わり”とか……」

M「“移り気”とか……」

C「そう、移り気とかあって花の別名が“七変化”で」

M「あぁ、花の色が土によって変わりますもんね!」

C「で、そのとき聞いたのは、葉っぱで巻いたところにラウンドのアジサイが乗っているのがテーブル装花だったらしいんです。それでまず、上の花のアジサイは“心変わり”。下は実はハランっていう葉っぱで巻いてて」

M「はい、あの大きくて長い葉っぱですよね」

C「そのハラン(波瀾)を呼んで心変わりがある、なんて晴れの舞台である結婚式でどういうことか!っていうのをご年配のおばあちゃまなんかからお咎めがあったっていうのを聞いて」

M「ああああ……」

C「チャジンさんもしウエディングでそういうことをするんだったら気をつけた方がいいですよって、その宿のオーナーから教えてもらったの」

M「なるほど~」

C「あぁ、そうなんですかって言って。で、その翌月かくらいにカミさんの友だちの結婚式の花をやることになって、新郎新婦のたっての希望でハランで巻いて上にアジサイでこんもりしてくださいって……(笑)

M「まぁでもしょうがないですよね、ご希望だから(笑)」

C「あえて宿のオーナーから聞いたストーリーは僕の心の中にカギを閉めて言わなかったですけど(笑)」

M「そういうことが……(笑)」

C「そんなこともあるので(笑)、まぁ望んでやるんだったらいいのかもしれないですよね」

M「でもいまアジサイご希望される方って多いイメージです」

C「だけど言霊を重んじるこの日本という国では、もしかしたら気をつけなきゃいけないので」

M「うーん、でも移り変わるって当たり前じゃないですか」

C「まぁそうですよね~」

M「なんか変化しないなんてつまらないじゃんって思う気も……」

C「あぁ、なんか進化形の意見ですね(笑)」

M「あはは、どうなんでしょう~(笑)。でも花言葉って……たとえばクロユリとかも呪いっていう花言葉があったりするじゃないですか」

C「へぇ~、あ、知りませんでした」

M「あんなキレイな花なのになって思うと悲しくて。だからそんなに悪い花言葉は気にしないことにしようっていう。でも、晴れの日はやっぱり大事なことだけに気になるでしょうね」

C「まぁね、それはわかってますよってことは、打ち合わせのときに知らしめておいた方がいいかもですね(笑)」

M「そうですね、わかっているけどご希望なんでって(笑)」

C「その一言があるかないかで大分天国か地獄か変わって来るかもしれないので!」

アジサイのあの移ろうグラデーションは
変化があるからこそ美しいって
感じさせてくれる気がして
個人的には大好きです!
変化上等! でも伝統も大切に、みたいな。
勉強になります、アジサイ!(byM)



鎌倉と、



七変化故

今月の花教室では、こちらのロールケーキをよくお出ししていました。

鶴岡八幡宮に向かう参道(若宮大路)沿いにある
“アトリエバニラ”さんという洋菓子店の、その名も~あじさいロールケーキ!!
こちらは季節毎に変わるロールケーキが人気のお店。

この写真は以前のものなのですが、毎年微妙に色合いが違うのもご愛嬌で、、。
今年のあじロールは、少し渋目の色合いでしたね(笑)。

色合いが微妙に変わるのは、本来の紫陽花も然りですね。
来年はどんな色目に落ち着いているのか楽しみでもあります。



ときどき茶話、



古典作品

先述したブーケ然り、丸い形ってものには自然と惹かれてしまう自分です。
だからこの時期よく見かけるアジサイの花姿は、
数ある花の中でもスルーできない感じですかね、やっぱり。

いつも花活けしている生花以外に、この時期とクリスマス頃には、
染色アジサイ(いわゆるプリザーブドフラワーって呼ばれるアレです!)と
北欧モスを使って、アジサイの花姿よろしく!な、
掌サイズのオリジナルオブジェを四半世紀以上に渡り製作してきました。

生花の花活けについては、歳を重ねる毎に色々と変化して、
20代の頃の花選びや活け加減は、今では恥ずかしいくらいのものもあったりと
どんどん変わり続けているのですが、

なぜかこのアジサイモスボールについては、
このフォルムと組み合わせで、
飽きることなく相当数を作り続けて参りました。

もうこれは古典芸能?とも言えるミラクルな事かも~!!
(真の古典芸能の皆々様、、すみません!)

なので、このアジサイモスボールは、
この先も生涯ずっと作り継いで行きたいと思っています(押忍!)。


プロフィール

CHAJIN/チャジン




フラワーアーティスト。
ORIGINAL FLOWER STYLE CHAJIN 主宰。

暮らしまわりの雑貨と季節の花を合わせ、個性的でありながらもカジュアルな花あしらい、存在感あるリースの作品が得意技。
雑誌や広告の花活け、店舗や温泉宿のディスプレイ、展示会の花活けの他、
鎌倉のアトリエや、池袋コミュニティカレッジ、NHKカルチャー青山教室、NHKカルチャー横浜ランドマーク教室、二子玉川高島屋S.C教室ほか、都内各所で開催中の花教室も人気。
著書に『きょうの花活け』(誠文堂新光社刊)、『花活けのココロ』(主婦と生活社刊)、
『小さな花あしらいと12ヶ月の花の話』、『季節の花でつくる12ヶ月のリース』(ともに芸文社刊)がある。
紅茶好きでプロレス好きで愛猫家。鎌倉在住。 

インスタグラム instagram.com/chajin_eye

これまでのお話はこちら


 
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この記事のライター

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