植物生活編集部 植物生活編集部 2019/06/28

続・きょうの花活け  花と鎌倉とウーロンと、ときどき茶話。/vol.15 山紫陽花


vol.15 山紫陽花


こんにちは! CHAJINです。

こちらは、かつて月刊フローリストさんで連載させていただいていた
「花と鎌倉とウーロンと。」のエピソード2……とでも言いましょうか。

季節ごとに出逢う日々の花あしらいについて、
花活けを始めたばかりの植物好きなアラフォー女子のMちゃんに
わかり易~く(時に脱線しながら)お話ししてゆくWEB版の花教室みたいなコーナーです。

また、アトリエのある鎌倉界隈のことや愛猫ウーロンについての茶話も綴っております。

諸々緩さ満載ながら、皆さまの日々の花活けに少しでもお役に立てればうれしいです。
それでは今回もよろしくおねがいします~!
 


花と

CHAJINさん(以下C)「今回の花は、ヤマアジサイです」

植物好きなアラフォー女子M(以下M)「ヤマアジサイ?」

C「はい。前回がオランダアジサイと言われているようなもので」

M「はい、アジサイと言われてイメージするアジサイって感じでした」

C「そうそう球状の。で、これは写真だとちょっとわかりづらいんだけど、本当にピンポン球くらいの大きさのアジサイで」

M「小さいんですね!」

C「ヤマアジサイですけど品種名としては‘イヨジシテマリ’っていいます」

M「イヨジシテマリ、すごい名前……!」

C「イヨジシテマリって漢字だと‘伊予獅子手毬’って書くんですけど、そんな漢字が6文字も並ぶような堅い感じとはちょっと違う、非常にかわいらしいアジサイですよね」

M「小さいのでなんだかパッと見、アジサイっぽくないかも」

C「そうかもですね~。ヤマアジサイっていろんな品種があって、わりと全体に楚々としたものや小輪のものがあって、僕はオランダアジサイも嫌いではないんですけど、なんかこう歳を重ねてヤマアジサイみたいな控えめな感じが好感が持てるなって思うようになってきました」

M「ほうほう」

C「だからどのアジサイを買ってもよければ、わりとヤマアジサイを買うことが多いんですよね」

M「おお、お好きなんですね!」

C「鉢なんかを買って、ちょっと切って生けたりとか」

M「なるほど~」

C「若いころはドーンとした色のグラデーションがきれいな秋色アジサイとか……いまでももちろん買うんですけど、でもヤマアジサイの方がいまは心持ち的にも近い存在になったかな、と」

M「そうなんですね。このヤマアジサイは、普通に街路に植えられていたりするものですか? ヤマアジサイだけに山深いところにいる子たちなのかなという感じもしますが」

C「う~んと、山にあるからヤマアジサイかどうかはちょっと、実際は(山で咲いているところを)見たことないからわからないんだけど……でも鎌倉にヤマアジサイの会みたいなのがあって」

M「へぇ!」

C「集団のおじいさんがヤマアジサイを路上で売っていて、ゴールデンウィークとかしかるべき休日とかに、いきなり商店街の真ん中とかに」

M「現れるんですか?」

C「そうなんです。自作のヤマアジサイを鉢に入れて、いろんな種類のやつを売っているのに何回か出会ったことがあって」

M「人気があるんですね、ヤマアジサイって」

C「やっぱり歳をとるとヤマアジサイが……」

M「良さがこう、シミジミと」

C「そう感じるのかもしれないなと(笑)。決してオランダアジサイとかの鉢は売ってないのね、そのおじいさんたちは。そのおじいさんの軍団の中に分け入っていって、何回か話しをしたこともあるんですけど」

M「なんだか楽しそうですね」

C「で、このイヨジシテマリはヤマアジサイの中でもポピュラーなものかもしれないです」

M「かわいいですよね、色も淡くて」

C「ね。最初は淡い緑で、そこからピンクや青に移り変わる色の変化も楽しめますし」

M「本当に繊細な……」

C「そうですよね。葉っぱも大きすぎず小さすぎずみたいな。茎も太すぎず細すぎずで」

M「でも繊細なだけに、何に生けるかって結構迷う気がします」

C「今回使ったのは確かフランスか何かのアンティークのインクの瓶なんですよ」

M「面白いですね! インクの瓶!」

C「瓶の首元が細くなっているので器の中でアジサイの茎が泳がずに、ある程度自分の傾けたい位置で留めてくれるっていう。器がフォローしてくれる、みたいな」

M「いいですね」

C「瓶って身近なところにあるし、花を合わせても絵になりやすいし、瓶のシルエットからしていろんな花を受け付けてくれる懐の深さもあるし、比較的花飾りを始めるのに入門編としてはまずいい存在かなって思います!」

M「なるほど~!」

C「あとゴージャスというよりはシンプルなので、花の良さをそのまま伝えやすいというか。いろいろな意味で空き瓶というのはすごくいいと思うんですよね、花を飾る一つのアイテムとして」

M「納得です」

C「空き瓶風の瓶、みたいなのがこのごろ売っていたりするし。オシャレな雑貨屋さんとかで」

M「そうですよね。それだけ広いニーズがあるんですね、きっと」

C「そういえば僕が花の道に入る前に、実は大学生くらいのときに雑貨屋さんとかで働きたいとかそういう夢がちょっとあったのね」

M「なんと、雑貨屋さんですか!」

C「はい。当時、渋谷のパルコパートⅡにアフターヌーンティーの第一号店がオープンして。そこに週末になると、住んでた府中(東京23区外の市)からベスパ(そのころチャジンさんが乗っていたバイク)で渋谷まで行って、雑貨屋巡りをするのが好きだったんですよ~」

M「へぇ~~~~~!」

C「19歳で一人暮らしを始めたんですけど、自分のアパートに、週末ごとに一個一個アイテムが増えていくのが好きで好きで雑貨屋さんを巡ってたのね」

M「そうなんですね~」

C「で、空き瓶とかもその時期集めていたんですよ、すごく。そうだ、これ書かなくてもいいかもだけど(笑)昔ね、スポーツエネルギーっていうダイドードリンコから出ていたドリンクがあって。そのボトルが口が狭くてぽってりした瓶だったんですけど、飲み終わると瓶の色が青で。それがすごい花器みたいな感じで、そればっかり飲んでました(笑)」

M「その空き瓶が欲しいがために(笑)」

C「そうなんですよ(笑)。それに花を飾ったりしてましたね~」

M「なんだか可愛らしい……(笑)」

C「で、そのとき住んでいた六畳一間の部屋にね、最初は一箇所か二箇所だったんだけど、段々もう7~8箇所(花を)飾るようになって」

M「かなりの多さですよね、六畳に!」

C「ね(笑)。そういうのがすごい好きだったんです。ただ雑貨から入って花を飾るっていう風になったので花の道に進むとは(そのときは)思ってなかったんですけど。そこから花を意識するようになっていきましたね」


M「そうなんですね。空き瓶に花を生けるって、なんだか取っ付きやすい気もしますしいいですね」

C「僕にとって花を飾るとか生けるっていうことの原点が、空き瓶にあるっていうので、こういう飾り方はいまだに好きだし、大切な思い出ですね」

M「なるほどです、ありがとうございました!」

アジサイって大きくてドーン!
っていうイメージがありましたが、
こんなに愛らしく小さなアジサイもあるとは……
奥深さと可憐な姿に胸キュンが止まりません。
そして空き瓶に花を生けるっていうのも気軽でいいな~と。
影響されていま我が家は空き瓶でいっぱいになっておりますっ!!!(byM)


 

鎌倉と、



旧友拉麺

先日、高校時代の旧友がやっているラーメン店へ出かけました。

僕が花の道に進んだ頃、友人の方はラーメンの道へ。
“ラーメンの鬼”とも呼ばれた師匠の元で長く修行した後、
昨夏にめでたく自身のお店を開業。

旧来のラーメン店の常識から”自由”に羽ばたきたかった店主の
心意気がのぞく店名は“Ramen Free Birds”。

各メニューも、体に優しい味加減が新鮮で、
ラーメン通の男性客はもとより女性からの人気も上々な印象。

”自由”というテーマは、花活けも然りで。

彼の新たな世界観を味わった際にふと、
己の花活けは、はて?
ほんとうに自由に解き放たれ楽しめているのかな?と、
気づかせてもらった気もしましたね。

世界は違うようでいて、
ラーメンもお花も、はたまたその他諸々も、
根源的なところはすべて同じなのかもしれません。

そんな人生の気付きを与えてくれる(かもしれない笑)Ramen Free Birds!
どうぞ御贔屓に~(拝)!!

https://tabelog.com/kanagawa/A1401/A140309/14072025/




ときどき茶話、


(拙著:きょうの花活け_花と鎌倉とウーロンと。より)

花器空瓶

先述したあきビン。

集めまくっていた若かりし頃も、そして現在も、
ビンの中身(入っている場合)よりも、
フォルムや色合い、デザインの有り無し、などなど……。
いつも、花器として活かせるかどうか?
ってな目線でつい眺めてしまいますね。

もちろん、作家さんが魂を込めて作陶した器も
同じく心惹かれるのは確かなのですが……。

あきビンに花活けした時の
花が醸し出すカジュアル感と言いますか、
寛ろぎ加減が何ともいいなあと。

なのでこの先も、僕のあきビン探訪は続きます。



プロフィール

CHAJIN/チャジン




フラワーアーティスト。
ORIGINAL FLOWER STYLE CHAJIN 主宰。

暮らしまわりの雑貨と季節の花を合わせ、個性的でありながらもカジュアルな花あしらい、存在感あるリースの作品が得意技。
雑誌や広告の花活け、店舗や温泉宿のディスプレイ、展示会の花活けの他、
鎌倉のアトリエや、池袋コミュニティカレッジ、NHKカルチャー青山教室、NHKカルチャー横浜ランドマーク教室、二子玉川高島屋S.C教室ほか、都内各所で開催中の花教室も人気。
著書に『きょうの花活け』(誠文堂新光社刊)、『花活けのココロ』(主婦と生活社刊)、
『小さな花あしらいと12ヶ月の花の話』、『季節の花でつくる12ヶ月のリース』(ともに芸文社刊)がある。
紅茶好きでプロレス好きで愛猫家。鎌倉在住。 

インスタグラム instagram.com/chajin_eye

これまでのお話はこちら


 
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この記事のライター

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