花店インタビュー|植物を手軽に生活に取り入れてもらう工夫|NEROLIDOL
拠点を持たずにイベント出店を行なっていたが、2017年6月にアトリエをオープンした「ネロリドール」
東京・下北沢にあるネロリドールには、ハーブを心ゆくまで楽しめるレッスンやアイテムがいろいろ。
その人気の秘密を知って、取り入れてみたいと思います。
暮らしに
植物を簡単に、気軽に、取り入れる
通りに面して大きく開け放した窓際に、花束やハーブティーが飾られている「ネロリドール」。
主宰する猪飼牧子さんはアロマテラピーのサロンで働いていた経験もあり、生花にも触れるうちに「どうすれば植物を暮らしに、手軽に取り入れられるか」を考えていました。
精油は小売形態が小瓶のため、どうしても見た目だけでは無機質になって、生花と並べても少し距離を感じてしまう方もいらっしゃる。生の花を触る形態を模索していく中で、人々は飲食をやめることは絶対にないので、生花とアロマセラピーに加え飲食にも繋がるハーブも取り入れることで、その方が取り入れやすい植物の形を見つけてもらいたいと現状の植物教室を中心とした、生花とアロマセラピーとハーブの店になりました。
月ごとにテーマが変わる植物教室では、二十四節気と七十二候の話から気象の移り変わりとともに徐々に変化していく動植物について学び、無理なく植物を日常に取り入れられることを伝えています。
ハーブを使ったアレンジやデザートなどのレッスンも楽しむことができ、知識も持って帰れる満足度の高い教室です。
店名のネロリドールとはビターオレンジの花の精油、ネロリなどに入っている特徴成分の名前。
この店がお客様の幸せの成分の一つになれたら、という気持ちが込められているのが伝わるアトリエです。
大きく取られた窓からは爽やかな緑道の風景が広がります。
気軽にサッと購入できるように作り置きの季節の花束も並んでいます。
ドライフラワーやプリザーブドフラワーを使ったアクセサリーは選べるように種類を用意しています。
オーナーの猪飼牧子さん。現在も学校でハーブを学びながら、アトリエ、イベントと多岐に活動しています。
集客は、開業当初からSNS中心
その日の出来事は、その日のうちに、こまめに投稿することを心掛けています。レッスンの詳細はブログに記載し、SNSはその告知をしています。SNSの投稿を続けることで、NEROLIDOLの活動を知ってもらうことができ、企業からのお問い合わせが来ることもあります。見た方が植物のある暮らしを想像できるように写真の撮り方、色合いなどはとても気を付けています。
NEROLIDOLのinstagramはコチラ > https://www.instagram.com/makiko_nerolidol/
マルシェは無理なき範囲で、出店してみる事
手作り市やマルシェなど、開業前から年に数回は出店しています。場数を踏んで、経験値を高めることが大切です。売上だけが目的ではありません。出展することで、全く新しいお客様の声を聞くことが出来ます。正直な声が、お店作りや商品作りの参考になります。
また、周りの売れているお店の、売れる理由を研究することが出来ます。マルシェはリサーチの場にもなるんです。
コロナで気付けたニーズ、気付けたチャンス
6月頃までは、教室は完全にストップしましたが、逆にお客様のニーズに気付けました。対面レッスンを楽しみたい方、オンラインでもしっかり学びたい方、学ぶことなく完成品を欲しい方など、実は生徒さんのニーズも分かれていました。完成品が欲しい方は、完成品をネットショップで購入下さり、放置気味だったネットショップに手をかけるキッカケにもなりました。
オンラインレッスンの可能性
オンラインレッスンは、まだまだ可能性があると思います。リアルとオンラインの同時開催であったり、座学中心のレッスンであったり。オンライン教室においてのお客様の質問への回答は、今までの実際のアトリエでの経験が役に立っています。講師の立場としてはお客様のニーズにいかに答えていけるか挑戦できる良い場だと感じています。
今後の展開
お花が必要なイベントを、装飾を飛び越えた提案をしたいと思っています。例えばウェディング。装飾、スタイリングの枠を超え、香りの演出、そしてその香りをお持ち帰りいただけるギフトの提案、そして料理や飲み物にハーブやエディブルフラワーを活用する提案。そんな風にトータルで植物を体験できる提案をしていきたいです。
ドライハーブを使ったアイデア
店頭に飾ったり、ワークショップを行ったりするのにぴったりなドライのハーブを使ったアイテムを猪飼さんに教えてもらいました。生花のハーブを常に店頭に並べるのが難しい店におすすめです。
今回制作するのは手前のサシェ。
ほかの2種のようにプリザーブドフラワーを加えると色合いやデザインの幅が広がります。
アロマワックスサシェの作り方
ドライのハーブだけで作られたサシェは繊細で、取り扱いは慎重になります。混じり気のないナチュラルさがお客様からも支持を受ける良いところです。
[ H e r b ] ローズマリー、ユーカリ、ローズペタル、ダマスクローズ(つぼみ)、カレンデュラ、コーンフラワー、ダンデライオン
[ M a t e r i a l ](仕上がり30g用)精製蜜蝋 9g、パラフィンワックス 21g、
精油(ユーカリ、オレンジ、パルマローザ、ゼラニウム、ボアデローズ、フランキンセンス、シダーウッドアトラス) 25滴※紐
※使用したのは天然香料。香りが優しいのでたっぷりめに加えた方が香ります。
蜜蝋とパラフィンワックスを溶かし、精油を加えます。写真のような専用のウォーマーがない場合は湯煎でも代用可能です。
1が完全に溶けたらシリコンの型に注ぎます。液体のうちに花材を入れると沈んでしまうので、周りが白くなってきてから飾りはじめます。
型のフチに花材を引っ掛けると立体的なデザインにできます。ワックスが全体的に固まりはじめたら、花材を挿すように加えます。
全体が白くなってから少し時間を置き、固まる前にストローで紐を通す穴を空けます。完全に固まったら型から出して、紐を通して完成です。
ハーブティーに親しむ
香りや味以外に見た目の違いもはっきり出るハーブティーを店のラインナップに取り入れると、商品のバラエティも豊かになります。アトリエではブレンドしたドライハーブティーを販売しています。
※妊娠中の方は飲用を控えたほうが良いものもあり、販売や飲用には注意が必要です。
※ハーブすべての薬効や作用が科学的に実証されているわけではないため、薬効、作用の現れ方には個人差があることに注意しましょう。
※飲食物の販売に関しては、場合によっては食品衛生責任者の資格、飲食店営業許可の手続きなどが必要となります。各都道府県(保健所)にお問い合わせ下さい。
美容ブレンド
赤い色が出るハイビスカスは酸味があり、疲れを取って、代謝をよくする作用もあります。ビタミンCが豊富なローズヒップとの相乗効果が見込めて肌の回復も期待できます。
[ H e r b ]ハイビスカス、ローズヒップ、レディースマントル、ヒース、カレンデュラ、レモングラス
養生ブレンド
風邪の症状の予防に役立つエキナセア、エルダーフラワーや胃腸に優しいカモミールをブレンドします。ペパーミントが入ることで後味がすっきりとして飲みやすいです。[ H e r b ]カモミール、ペパーミント、ネトル、エキナセア、エルダーフラワー、コーンフラワー
見た目の変化にびっくり
マメ科のつる植物のバタフライピーを少量加えるだけで養生ブレンドが青色になります。青色の正体は目の疲れを緩和するアントシアニンです。アントシアニンはアルカリ性に偏ると青へ、酸性に偏ると赤へと色が変化します。バタフライピーの入った青いハーブティーにレモンを加えるとクエン酸に反応して紫色になります。
余裕がある時は
ポット内で茶葉が上下する動きのことをジャンピングと言います。ティーバッグでも充分ですが、茶葉がきちんと広がるポットを使うのもおすすめです。うかがったお花屋さん
猪飼 牧子 Makiko Ikai
NEROLIDOL主宰。「植物のある暮らしと装いを」提案するフローリストであり、AEAJ認定アロマセラピスト/アロマテラピーインストラクター、JAMHA認定ハーバルセラピスト、エディブルフラワーコンシェルジュ。
NEROLIDOL[ネロリドール]
東京都世田谷区代沢4-42-10
nerolidol-flower.com
facebook:@nerolidolflower
Instagram:@makiko_nerolidol
撮影/三浦希衣子
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拠点を持たずにイベント出店を行なっていたが、2017年6月にアトリエをオープンした「ネロリドール」
東京・下北沢にあるネロリドールには、ハーブを心ゆくまで楽しめるレッスンやアイテムがいろいろ。
暮らしに
植物を簡単に、気軽に、取り入れる
通りに面して大きく開け放した窓際に、花束やハーブティーが飾られている「ネロリドール」。
主宰する猪飼牧子さんはアロマテラピーのサロンで働いていた経験もあり、生花にも触れるうちに「どうすれば植物を暮らしに、手軽に取り入れられるか」を考えていました。
ハーブを使ったアレンジやデザートなどのレッスンも楽しむことができ、知識も持って帰れる満足度の高い教室です。
店名のネロリドールとはビターオレンジの花の精油、ネロリなどに入っている特徴成分の名前。
この店がお客様の幸せの成分の一つになれたら、という気持ちが込められているのが伝わるアトリエです。
営業時間 | お問い合わせください |
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URL | http://nerolidol-flower.com |
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この記事のライター
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