植物生活編集部 植物生活編集部 30ヶ月前

花店インタビュー|どんなお客様にも親しみやすい店に|やぎや生花店



ドライフラワーやブロカントが吊り下げられた店内はかわいらしい雰囲気。



「花の非現実的な美しさと合うようにおとぎの国のような内装にしました」と語るのは、3年前からオーナーを務める寺門団也さん。
「ヤギヤフラワーズショップ」の3代目です。
 

花屋を継ぐキッカケ


親からは、花屋を継がなくてもよいと言われていました。大学も理工学部卒業でした。
大学卒業に際してやりたかったことが明確ではなかったのですが、美術やデザイン、建築、イラストといった、デザイン系の仕事に興味がありました。

自分の興味やルーツに思いを巡らせていたら、家業の花屋(花のデザイン)にピンと来て、花屋を継ごうと決意しました。
それからは、大学卒業後に、花の専門学校に通いました。
 

先代との衝突も恐れずに


先代まではウェディングや葬儀がメインで裏方の仕事が多かったのですが、団也さんに代替わりした際に小売にも力を入れるようになり、店の雰囲気も一新しました。

花を買うきっかけがわからない若い人が増えていると感じる団也さん。
親しい人の誕生日や、引越しの際に贈り物として、まず花を思い浮かべられるように、花の買い方を教えられる敷居の低い花屋でありたいと考えています。

お客様からブーケの香りがいいと言われ、色や質感のほかに香りもミックスできることに気づかされたことがあるそうです。
それから、ハーブ以外にもフリージア、スターチス‘ブルーファンタジア’などの香りの強い花も意識的に取り入れるようになったというエピソードを今回のハーブを使った作品を作る際に教えてくれました。※この記事の後半でご紹介


 

先代の真似をしない


親子から急に上司部下の関係へ。意識したことは「考え方を180度変える」という事です。
「三代目で潰す」という謂れは、「時代の変化について行けていない事」と先輩からアドバイスをもらいました。
三代続いているという事は一世紀続いているという事です。先代の時代とは、価値観も情報もニーズも、すべて異なります。先代の真似をしない、変化を止めないという事を肝に銘じています。

親子だからこそ感情論でぶつかり、喧嘩になってしまう事も多々あります。
考え方やスタッフの指導方法に至るまで喧嘩ばっかりです。
でも、守りの姿勢の両親に対し、私は攻めの姿勢を貫きます(笑)


 

花屋の概念をアップデートしたい


花屋は進化が小さい業界だと思っています。
八百屋は大型のスーパーや、お総菜専門店など、様々な小売りの業態があります。
美容室も、業態や予約の取り方、カウンセリング重視のお店や、技術重視の店など。
時代の変化と、ニーズに合わせて変化してきています。

時代の変化に合わせて、そして10~20代の人にも届けられる、提案や情報発信、価値をアップデートしたいと考えています。
十把一絡げでくくられてしまう花屋の業態も、今だって装飾専門、小売り専門、葬儀専門、ウエディング専門、などなど、多様なバリエーションがある。
それぞれに呼称を付けて付加価値を高められると思っています。
 

webを使った情報発信はコツコツと


新しい顧客に気付いてもらえるよう、webはコツコツ継続しています。
特に注力しているのは、Googleマイビジネスと、instagramです。
Googleマイビジネス経由では、毎月新規のお客様が訪れてくれます。
instagramも同様ですが、母の日の注文はinstagramだけで100件以上入りました。
 

技術向上のために、常識を疑う


市場から遠いため、立地的に、花を手に入れずらい地域でもあります。
それもあって、定番の植物でも綺麗に魅せる工夫を重ねています。
料理に例えると、定番の食材で、斬新なメニュー、一番おいしい味わい、こういった努力を重ねているという事です。
また、定番の材料であるからこそ、常識を疑います。
さらなる美しさ、時代に合った美しさ、世代の共感を得る美しさ、こういった共感を得る為に、
定番のアレンジテクニックの枠を超え、独創的な作品作りにチャレンジしています。




県道の目の前に建つ店舗。



2階は、七五三やブライダルのフォトスペースになっています。人気のサービスです。



取材時には老楽、金獅子、鸞鳳玉など小さなサボテンを熱心に選ぶお客様の姿も。



店内を自由に行き来しているのは接客もできる4匹のネコ!



オーナーを務める寺門団也さん。



スターチス‘ブルーファンタジア’の強い香りをミントの香りで抑えています。
白、緑、青の花で爽やかな香りが伝わるようなアレンジメントです。

[Flower&Green]ラクスパー、ナツハゼ、スターチス‘ブルーファンタジア’、宿根スイートピー、ビバーナム・スノーボール
[Herb]アップルミント、ペパーミント




普段のオーダーから雰囲気を重視している団也さん。
今回はメインにならない小花系の花を多く使い、ナチュラルさを引き出したブーケに仕上げました。

[Flower&Green]クレマチス、スカビオサ、サンキライ、シレネ‘グリーンベル’、グレビレア、カーネーション、ホワイトレースフラワー、リキュウソウ
[Herb]ローズゼラニウム、ユーカリ


教えてくれたフローリスト
寺門 団也 Danya Terakado

やぎや生花店(yagiya FLOWERS shop)[ヤギヤフラワーズショップ]
栃木県大田原市末広3-2950-5
yagiya.net

facebook:@yagiyaflower
Instagram:@yagiyaflowersshop


撮影/佐々木智幸
 

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