植物生活編集部 植物生活編集部 2018/10/23

花屋の進化は日進月歩 [ex.flower shop & laboratory /東京・目黒]

花業界に新しい風を吹き込みたい


2017年12月1日に株式会社ボタニックが運営する「イクス フラワーショップ アンド ラボラトリー」の3店舗目となる代々木上原本店がオープンしました。

近隣には東京大学の駒場校舎があり、住宅も多い立地。
落ち着いたシンプルな内装のショップには、色鮮やかな花が美しく映えます。
目覚ましいスピードで事業に取り組む、同社代表取締役の田中彰さんに、新店についてや新規事業や今後の展開などを伺いました。



 

代々木上原本店を既存の2店舗と距離的に近い場所に出店した理由は?



場所について、都内ならどこでもよかったんです。2017年9月頃に出店を決めて、物件探しをはじめました。
11月中旬の契約から12月1日のオープンまでの約2週間というスピードです。
内装は居抜きのものを生かして、什器などは仲間とDIYで作りました。

既存の2店舗については、自己資本のみのローコスト出店を意識していたこともあり、ショップの面積は狭く、常駐できるスタッフは1人だけだったので、拠点となるようなスペースを持ちたかったのです。
これからは店舗を増やすことは、現時点では考えていません。
ブランド名にラボラトリーという言葉を入れているので、この場所を軸足としながらいろいろと試し、発信していきたい。名前に本店を加えたのは、ショップが一番広いからというのが理由です。



代々木上原本店は、大通りに面したマンションの1階にあります。ダークグレーの壁に花が引き立ちます。


重厚な雰囲気の黒い扉のエントランス。店外には花鉢などが並べられています。


「霽れと褻(ハレトケ)」。定期購入者へ送られる新聞です。自社で取材し、一緒に送る花の生産地や花のことを詳しく紹介しています。

 

本店オープンから半年近く経ちますが、既存の2店舗との違いは?

どの店舗もあくまでも「イクス」ではありますが、出店エリアの土地柄や客層に合わせて、徐々に個性が出てきますね。
中目黒店は、若い人の来店が多くて、こじんまりとアットホームな空間です。カフェとコラボレーションした蔵前店は浅草に近いこともあり、観光や散歩がてら立ち寄った人が利用しやすいように、ドライフラワーや雑貨の品揃えを多くしています。
代々木上原本店に関しては、まわりが住宅街で自宅用にと購入されることが多いので、自宅に飾りやすい花を揃えるように意識しています。


花と相性のいい手仕事の道具や器も並んでいます。写真は陶芸家ACOPOTTERYさんの花器。
什器はダークブラウンの木で統一しています。壁の雰囲気と相まり、落ち着いた大人の空間。元の物件を生かし、施工は仲間と協力して10日間で仕上げたそうです。

 

今後も新たな事業に取り組むことを考えていますか?

もちろんです。
当社はまもなく創業4年目を迎えます。5年目を第二創業期と区切り、次のステージへ進もうとしています。これからは、「テクノロジー」を手段に業界がもっと面白くなるようなサービスの開発に取り組んでいます。
そこで、現在CTO( 最高技術責任者)やエンジニア、マーケター、営業など、新しい仲間集めにも励んでいます。
 

売上の目標を決めるコツは?

ロマンを語るだけでは社員は同じ方向を向いてくれません。
大学で経済学を学んだため、目標はきっちり数字で提示します。数字については、KPI(重要業績評価指標)を細かく出し、それを根拠に事業を進めています。

ビジネスの話をしているときとは異なる表情で花を選ぶ田中さん。
フローリストとしての顔をのぞかせていました。


 

田中さんは事業に常に積極的ですが、その原動力は?


僕の起業の目的は、お金儲けよりも、業界の問題解決や社会的な貢献をしたいということです。
会社としては近江商人の「三方よし」のように、お客様、生産者、花店など、花や植物に関わるすべての人が幸せになることを目標にしています。

それから前述のように、どうにか花業界の給与や労働水準を上げたいです。
まずは、自社の社員たちの環境をよくしたいという気持ちも、一つの原動力です。
もちろん、無い袖は振れないので、当社でも段階を踏んで徐々に改善してきました。
安定した給料と年に2回の賞与が出せるようになって社会保険にも加入しましたが、他業界では当たり前のこと。
やっとスタート地点に立てたかなと思っています。

これからは、他業界からさまざまなスキルを持った人が花業界に興味を持って集まってくるような、新しいビジネスモデルの成功例を作りたいです。

この業界には大きな可能性があると信じていますので、引き続き頑張ります。


 
撮影/福井裕子 


教えてくれたフローリスト
株式会社BOTANIC代表取締役社長  田中 彰 Akira Tanaka

1983年生まれ、高知市出身。神戸大学経済学部卒業後、AGC旭硝子株式会社に勤務。東京・南青山の花屋での修行を経て、BOTANICをスタート。2013年7月、東京・中目黒に花屋「ex. flower shop & laboratory」をオープン。2014年4月株式会社BOTANICとして法人化。スタッフ数は10名。マネージングプレーヤーとしてショップにも立つ。


ex.flower shop & laboratory 代々木上原本店[イクス フラワーショップ アンド ラボラトリー]
東京都目黒区駒場4-6-6 1F

https://www.ex-flower.com/

facebook:@botanic.ex
Instagram:@exflowershop

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