植物生活編集部 植物生活編集部 81ヶ月前

デイリー・ガーデニング[04]

『デイリー・ガーデニング』第4回  土谷ますみさん

ベテランガーデナーたちの、
今日のガーデニング風景を切り取って紡いでいく企画、
それが、
デイリー・ガーデニングです。
 
第1回の記事はこちら→ 『デイリー・ガーデニング』第1回 土谷ますみさん
第2回の記事はこちら→ 『デイリー・ガーデニング』第2回 梁瀬泰子さん「ベランダを夏模様にしたい」
第3回の記事はこちら→ 『デイリー・ガーデニング』第3回 梁瀬泰子さん「花の咲くシェードはいかが?」
 

今回のガーデナー
土谷ますみさん
プロフィール*寄せ植え教室講師。グリーンアドバイザー、ハンギングバスケットマスター。雑誌「園芸ガイド」(主婦の友社)にて寄せ植え作品が多数紹介されている。著書「この植物をお買い!」(主婦の友社)など。
ブログ「この植物をお買い2」okai2.exblog.jp
 
この前、ますみさんを訪ねたのは、大型連休前でした。
都心部よりちょっと、気温が低い地域のますみさんの庭。
梅雨のさなかの今、どんな雰囲気なんだろう。

「いろいろ咲いてきたから、見に来てね」。
うれしいお誘いをいただいたので、
梅雨の間の晴れ間を狙って、さっそく出かけてみることに。

ふんわり咲いているペチュニアだけど

ますみさん、こんにちは!

まず目に留まったのが、エントランス脇のミニ花壇。
ニュアンスカラーのペチュニア‘ステファニー’が
ふんわり広がって、とてもきれい!

「ペチュニア単体よりも、同系色のヒューケラト合わせると、
ちょっと締まって動きも出せるのよ。
ひと味加えたいなら、まずヒューケラ。頼れる子!」

本当だ。左奥に見える、
手のひら形のライムグリーンと赤い葉っぱがヒューケラ。
ツンツン伸びる花穂がリズミカルです。

私も真似したいコーディネートだなーとしげしげ見ていたら

「でもねー、これ、今から切ります!」

えっ!? こんなにきれいに咲いているのに!?
 





カット後のミニ花壇を、最初の写真と見比べてみてください。
キュッと小さくなったように見えます。

でもどうして切ったのかしら?
教えて、ますみさん♪

「元気にこんもり茂ってくると、
その反面、蒸れて株が傷みやすいので、
梅雨入り前から梅雨の間に、切っておくとよいのよ」

「それからここはレンガの花壇だから、
縁が熱くなって、覆いかぶさった茎が傷むことがあるの。
ペチュニアは丈夫な植物だから比較的平気だけれども、
梅雨明け後の暑さに備えて、
早めにカットしておきたいの」

なるほど、そうか。
植物のためを思って、切ることもあるんだな。

まだ本格的な暑さを迎えていない今の時期なら
2週間ぐらいで、またふんわり伸びてくるそうです。


ますみさんの庭には、
そのほかにもあちこちに
ペチュニアの小さなコンテナが飾られていました。どれもカラフルなアクセント。


ハンギングバスケットを水切れさせない


さてさて、ではガーデンへ。

おや。前回とはハンギングバスケットが変わってる。
華やかな春色のパンジーが主役のバスケットから
夏バージョンの、シックで大人っぽい
グリーンのバスケットになりました。
 
 

「グリーンを使うハンギングバスケットや寄せ植えは、
ちょっとエグいほうがおもしろいの」。

たとえば歯の表面がプチプチしているレックスベゴニア。
そして葉裏のワインレッドが目を引くカラテア。

単体だとちょっとくどく見えるリーフが冴えたアクセントになり、
ハンギングバスケットや寄せ植えが
ぐっと見ばえのよい、立体感のあるものになるそう。

確かに「涼しげに見せたい」からと、
すっきりした雰囲気のリーフばかり使うと、
ちょっと物足りない仕上がりになるかもしれません。


「ハンギングバスケットをつくった直後は根が傷んでいるので、
活力剤を与えるのがおすすめよ」とますみさん。

「活力剤」、もしくは「活力液」とは、肥料ではありません。
人間でいうならビタミン剤や栄養ドリンクのような働きをする資材です。
梅雨明け前から与えておくと、
暑い夏がやってきても、植物が夏バテしにくくなるんです。
まさに今、済ませておきたいピンポイント作業。
 
 

ところで、ますみさん、
夏になると、ハンギングバスケットが乾きやすくなりそう。
上手な水やりのコツはありますか?

「ふつうの鉢と同じように、株元へゆっくり注げば大丈夫よ。
でもね、」

でもね!?

「壁掛けバスケットだったら、
バスケットの背面に沿った縁の土を凹ませておくと
いったんそこに水が溜まってから
じんわりとしみていくのよ」。



うーん、さすがベテランの技。
ちょっとしたことが、水やりのしやすさにつながります。

そうそう、それから、どんなタイミングで水やりをすればよいですか?

「表面をカバーした水ごけが、カサカサした感じになってから。
今回使ったグリーンなら、それほど乾きでダメージを受けないし。
このまま秋まで楽しめますよ」。


エントランスのペチュニアも、ハンギングバスケットも
秋まで楽しめるならいいなぁ。
お世話のし甲斐がありそうですね。


To be continued…


text & Photo ウチダトモコ

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